
遺伝子の男系による継承、つまりY染色体の継承だが、このY染色体の系統樹の分岐に従った分類を、遺伝学ではハプログループと呼ぶ。上の画像はハプログループDの分布図。日本とチベットが紫色に色濃いのがお判りになるだろうか?
日本の天皇家のハプログループはDである。第113代東山天皇(1675-1710、在位1687-1709)の複数の男系子孫から共通して出たY染色体ハプログループがD1b1a2だという。そして、我々日本人の半数がハプログループDであり、同じグループDの民族に、あのダライ・ラマのいるチベット民族が挙げられる。ハプログループDに属する二つの民族が、共に大乗仏教国であるところに、この遺伝子の特性が顕れている気がします。他にハプログループDは四川省や雲南省の少数民族や、フィリピンのセブ、中央アジアのアルタイ人に分散している。イ族は南東チベットを通り雲南省に移住してきており、現在では雲南に最も多く居住している。

ダライ・ラマは見た目は全く日本人と変わらない。日本人とチベット人はY染色体遺伝子のタイプが、ハプログループDなので、先祖が同じだ。始まりは現在アフリカの角と呼ばれる地域だった。我々のご先祖様は紅海を渡ってアフリカ大陸を脱出した。アラビア半島の南端から海岸沿いに東北に進みイラン付近に至った。さらにイラン付近からアルタイ山脈付近に北上し、約六万年前頃にアルタイ-チベット近辺でハプログループDEからハプログループDが誕生したと推定される。ハプログループDのうち、東進して日本列島に至り誕生したのが日本人系統のハプログループD1bであり、アルタイ-チベット付近にとどまったグループから誕生したチベット人系統がハプログループD1aである。ちなみに漢民族や台湾人、朝鮮民族はハプログループOである。じつは、地理的には隣りである彼らは、遺伝子的には遠いのだ。現在、ハプログループDの民族は日本、チベット、ミャンマーと全て仏教国の仏教徒である。信仰の様相は遺伝子に左右される。仏教が合っているのだろう。下の画像はD民族の旅路。

さて、そもそも遺伝子とは何であろうか?
生命体の消滅への恐怖、即ち無明を因として、その反動の生存意志であるところの行が生じる。生存意志は、己の情報であるところの識、つまり遺伝子を残し、遺伝子という設計図の元にその生物固有の精神と肉体、即ち名色が生じる。精神は思考器官、肉体は眼耳鼻舌身の感覚器官としてその身に備わり、それぞれの対象と接触することにより、感受作用を生ずる。感受作用からは苦痛と快感の振幅、苦楽のパルスが生じる。その振幅の傾向だが、生物は遺伝子により予めバイアスが組み込まれている、遺伝子の設計図は生物を細胞レベルでコントロールしている。生物は快楽を感じる方向へ進み、快楽を感じる対象との接触と行為を繰り返す。その繰り返し、このループは執着とも呼ばれるが、そのループにより生物のメスの体内には遺伝子がコピーされ妊娠する、この妊娠即ち新存在の有があり、そして生まれがあり、老死がある。老いと死を見た生物は、消滅への恐怖〈無明〉を感じ、反動から生存意志が生じて、遺伝子を残すのだ。