
今、北一輝の「日本改造法案大綱」を半分くらいまで読み進めてます。私にとっては斬新なものでした。
北 一輝は戦前の思想家である。社会運動家、国家社会主義者。本名は北 輝次郎(きた てるじろう)。中国では、内田良平の黒龍会のツテで孫文の中国同盟会に入党。辛亥革命に身を投じた。帰国後、影響下の軍人と共に、企業や財閥を恐喝。最終的に二・二六事件を引き起こしています。毎日、近隣に響く大音声で法華経を誦むのが日課で、北の弟の昤吉によると「南無妙法蓮華経」と数回となえると神がかりになり、玉川稲荷が憑いたと言う。昭和4年から北は、霊告や幻視体験を日記に書き留めるようになる。同年、5月27日の日記には「頭ヲ巻キ血ボトボト流ルル人」を見たとあり…こういう調子で昭和11年の二・二六事件まで日記を綴っていたようです。
北は右翼思想家だと思われてますが、実際のところ左翼革命家です。彼の思想は政治家や官僚、財閥など特権階級が社会を搾取していて、軍人、在郷軍人、一般国民が苦しんでいる、そのためにクーデターして社会構造を変えよというものでした。あの時代の社会構造がよくわかりますね。政治家と官僚と財閥が国を搾取しているのは、今も同じですが。
北の社会主義は私有財産にリミット(当時の100万円)を設けて、それ以上は無償で国家に納付すべしというものです。当時の1円は現在の636円なので、6億3600万円以上の私有財産は国家に納付となります。土地も時価10万までがリミット。つまり現代では6360万円以上の土地は国有地となります。当時は私有財産それくらい持ってるやつらが、社会を牛耳っていたんですね。
ちなみに現在の中国では私有財産の上限はありませんが(税金は上に行くほど、もちろんすごくキツくなります)、土地は全て国有で買えません。国が土地権利を賃貸する感じですね。しかも70年の期限付きの権利です。だから、中国の富裕層は土地を買うという始めての経験をしたい、その欲望を抑えられない。なんで外国の土地を買いたいか?自分の国では土地を買えないからです。
北の盟友であり、孫文とツートップだった宋教仁は1913年3月、上海駅で暗殺されてます。なお、北は、盟友が暗殺されたのがよほどショックだったのか、宋教仁暗殺の刺客を放ったのは孫文であったという説を主張し新聞に掲載、領事館の命令で中国から国外退去となります。真犯人は袁世凱と言われています。宋教仁暗殺のすぐ後に、袁世凱により中国同盟会と派生した国民党(現在のの国民党とは別組織)は弾圧されて消滅しました。
この弾圧により、日本に亡命した孫文は1914年7月、東京で中華革命党を結成して、こちらがやがて現在の国民党となりました。国民党と言えばうちの祖父さんもそうでした。黄埔軍官学校で教官だったらしく、サーベルも見せてもらいましたよ。うちの一家は蒋介石といっしょに台湾に渡りました。歴史を感じますね。