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それでも脱病理化は間違っているかもしれない:On trans depathologization, mental health and stigma: ICD-11 is released

この投稿は、GATE(Global Action for Trans Equality)というトランスジェンダーの団体による2018年1月の声明文「トランスの脱病理化、メンタルヘルス、スティグマについて――ICD-11の公開」On trans depathologization, mental health and stigma: ICD-11 is releasedを紹介するものです。

トランスジェンダーを含む性的少数者の脱病理化(性的少数者であることは病ではないということ)は、現在主流となっている性的少数者の人権擁護の運動のなかで当然の前提とされており、とりわけ社会的偏見にもとづく人権侵害に反対する論拠として頻繁に主張されます。

しかし、私は以前からこの脱病理化の主張には重大な欠点、危険性があるのではないかと考えていました。 それは、脱病理化の主張は、病、なかでも精神障害に対する偏見を当然のものと考えていなければ成立しないのではないか、ということです。 その人の性のあり方を含む人権は、本来、その人が抱えているものが病であるかどうかにかかわりなく、尊重されなければならないはずです。 病であることを理由に人権の制限が許容されるような状況を前提とした「性的少数者の人権擁護」なるものがあるとすれば、それは多数者にとって都合のいい一部の少数者に「自分を『健常者』とみなす特権」を与えるだけのものであり、本当に助けを必要としている、困難な状況に置かれた人々の人権をさらに踏みにじることにつながるのではないでしょうか。

私と同様の懸念を表明している例は、実はそれほど多くありません(個人の日本語による懸念の表明としては以下のサイトを参照。脱病理化で権利回復できる状態っておかしくないか?(note:森野舞良、2025年3月16日 12:12))。

ここで紹介するGATEによる声明は、まさにトランスジェンダーの団体が私と同様の懸念を表明したものとして、大変貴重であり、高く評価できると思います。 ただし、同声明のなかではトランスジェンダーであることは病ではないと明言されており、またこの団体がこの論点についてさらなる言及を行った形跡は確認できませんでした。

以下、原文へのリンクと私自身による日本語訳を掲載します。

原文へのリンク

トランスの脱病理化、メンタルヘルス、スティグマについて――ICD-11の公開

世界保健機関が国際疾病分類のメンタルヘルスについての章からトランスに関連するカテゴリーを削除したというニュースが次第に明らかになりつつあるが、トランスというアイデンティティの脱病理化における歓迎すべき前進の一方で、私たちはWHOが明らかにした根拠に対する反対と不快感を表明しなければならない。

セクション ニュース

作業領域 健康

タグ 脱病理化

2018年1月27日公開

世界保健機関が国際疾病分類のメンタルヘルスについての章からトランスに関連するカテゴリーを削除したというニュースが次第に明らかになりつつあるが、トランスというアイデンティティの脱病理化における歓迎すべき前進の一方で、私たちはWHOが明らかにした根拠に対する反対と不快感を表明しなければならない。

ICD-11第17章『性の健康に関連する状態について』における「性別不合」の導入を説明する動画によれば、またWHOがウェブサイトで共有したポスターによれば、メンタルヘルスの領野からトランスおよび多様なジェンダーの人々を削除したことは心の障害にもとづく「スティグマを減少させる」ことに寄与するというのだ。

この表明は以下の3つの主要な理由から大変問題のあるものである。

  • メンタルヘルスの問題に関連するスティグマを当然のものとすることを助長し、
  • 心の障害のあるトランスおよび多様なジェンダーの人々の現実無視し、
  • 「通常の」すなわち非=病理化されたジェンダーアイデンティティおよびジェンダー表現と「病理化された」ジェンダーアイデンティティおよびジェンダー表現とを鑑別するために診断が使用されてきた歴史を消去してしまう。

出生時に割当てられた性と異なるジェンダーアイデンティティを自認すること、および/あるいは、社会的期待や規範と対立するような方法で自らのジェンダーを表現することは心の障害ではない。しかしながら、多くのトランスおよび多様なジェンダーの人々は、シス性差別的社会構造内での体系的なトランスフォビア的暴力によって引き起こされたものを含む、それとは別の心の障害に苦しんでいる。 さらに、トランスの人々は自身の心の性質にもとづいたジェンダーの法的承認、および/あるいは、ジェンダー肯定的ヘルスケアへのアクセスを日常的に否定されている。 したがって、メンタルヘルスの問題は私たちの問題でもあり、あらゆる形態の心の障害に関連するスティグマを取り去ることは私たちの運動にとって最優先事項である。

私たちは、WHOがメンタルヘルスの問題のスティグマを取り除くことで先に進むのではなく、そのようなスティグマ化を助長し、損害を与えるような言説に後戻りしてしまったことを深く遺憾に思う。 トランスおよびジェンダー多様性にかかわる事象を脱病理化することは、人権、正義、そして分類システムのなかでコード化されたジェンダー階級の転覆にかかわる問題である。 私たちは、この歴史的瞬間を取り上げるアライの人々およびジャーナリストたちに対して、それを支持する際には、私たちのコミュニティがメンタルヘルスの問題を抱えた人々に対するさらなるスティグマ化と差別に対する不本意な共犯者とならないような方法で行うよう強く推奨する。

連帯を。

GATEチーム




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