素人目に眺めた際に感じたことのメモ。ファーストインプレッションというか、現時点での感想という程度。
会社法について、特段の知見があるわけでもなく、経験も限られているうえに、知識もおぼつかないが(汗)、某所の某会合に出る関係で内容を見ておく必要があったので、一通り目を通した際に感じたことを備忘のためにメモ。なお、これまでの法制審の議論は追いかけていない。
こちらの関心の偏りが大きいので、印象に残ったところから順不同で感想を述べてみる。
個人的に一番注目していたのは、事前の議決権行使により株主総会決議があったものとみなす制度。実現するかは疑問だったけど、とりあえずここまでは来た。
株主総会の事務方をしていても、準備に膨大な手間がかかっているけど、手間に見合うものが得られているとは思い難く、不毛という気がしていた。そういう意味ではこれまでの「儀式」化した慣行が変わるのは、必ずしも悪い話ではないと思う。決議取消のリスクの大きさ(万が一にもそのリスクが発現したときの、その後の対応の大変さを考えると、リスクは大きいとしか言いようがない)を考えると、「儀式」めいた一連の行為にも、決議取消リスクの低減という意味があったわけだが、そういう消極的な意義しかないと思う。質疑への対応についても、決議取消リスクから解放されたところであれば、あそこまでの手間はかけなくて済むと思うので*1。
ただ、こういう規定を設けると、そもそも総会というものが必要なのかという疑問も出ると思うし、個人的には、今の形での総会が不要になってもかならずしも不思議ではないように思う。
意思決定の場としての総会を考えると、上記のように思うが、他方で、きちんと答えないと総会取消の危険があるところで、株主から質問を受けて答えなければならないというプレッシャーが取締役に働くことは、経営者に対する規律としては意味があるのではないかと思う*2。IRとかの場での対面で質問攻めに会ったしても、答え損ねても直ちに法的に特定の効果が生じるわけではないので、同列には考えられないのではないかと思う。総会がどうなるかは、総会をどのようなものとして考えるかによるのではないかと考える。
次に気になったのはバーチャルオンリー株主総会についての規律。現状だと回線途絶などの事故があった際に決議取消になるリスクがあり、そこが導入をためらわせる原因になっていると思われたので、そこにどういう手当てがされるかが気になった。今回一定の手当てがされ、手当の内容は理解できなくもない。とはいうものの、法律家以外にはわかりやすくないように思うので、意思決定をする経営層(そのほとんどは法務系のバックグラウンドがない)に受け入れてもらえるかはよくわからない気がした。
事業報告と有価証券報告書の開示の合理化も、気になったところ。この辺りも非効率に見えるところなので。有価証券報告書の総会前開示との関係で、総会後ろ倒しの議論もあったが、取締役の任期が一年といいつつ、その年度の総会終了まで、となると、年度が終わってから任期が残る期間が長くなる結果になり、それが適切とは思い難い。業績連動報酬なども考えると余計にそういう気がする。であれば、寧ろ監査も含めた有価証券報告書開示までのプロセスを合理化するのが筋だろうと思う。そういう意味でこれからどうなるかが気になる。
実質株主確認制度についても、株主との対話を奨励しておきながら、会社側からは誰が株主か(対話すべき相手か)確認できないというのは、適切とは言い難いので、何らかの形で確認できる手段があるべきとは思うし、明らかにすることを奨励するために、非協力的な相手に対しては、株主権の行使を認めないなどの手段が必要だろうとは思う。株主側から会社への通知を義務付けるのが良いのではないかと思うがどうだろうか。
指名委員会設置会社制度の見直しも、指名委員会の権限が強すぎるという側面は確かに是正した方がいいのだろう。取締役会で決定を覆せないのは確かにやりすぎという気もするので。
・・・雑駁かつ薄い内容だが、自分の備忘の為にメモしておく。