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中小企業買収の法務〈第2版〉 / 柴田 堅太郎 (著)

一通り目を通したので感想をメモ。相変わらず対象とされている分野に関心があれば目を通しておいて損のない一冊と感じる。

 

最近ご無沙汰しているが、これまでに諸々お世話になっており、初版にサインをいただいた本の改訂版。拝読しないとと思いつつ、しばらく積読山にあったが、漸く拝見できた。

事業承継型M&AとスタートアップM&Aに特化した本というところは変わっていないが、内容がさらに充実したものなったうえに*1、第4編としてM&A仲介事業者と中小M&Aガイドラインについての解説が追加された。

 

4編更生の第1編では本書の目的と前提知識が共有される。M&Aの中でも特殊性のある分野を扱う以上は、M&Aの基礎知識があることは前提にしないと話が進みづらいだろうから妥当な対応なのだろう。参考文献の提示で、必要に応じてそれらを参照しつつ読み進めることが可能となる。

第2編では事業承継型M&Aの法務について解説がなされる。平易な文章に加えて図表や事例を駆使した解説は分かり易いし、著者の経験に基づく実務的なコメントは、単著ならではという事を感じる。この点は初版から引き続き、というところ。
僕自身について言えば、初版に目を通した後で1件だけとはいえその種の買収に関わる機会があったのと、診断士の実務補習・実務従事で実際の中小企業の経営を目にする機会があったこともあり、初版に目を通したときよりも、「あるある」とか「ありそう」とか思うことが多く、理解できる度合いも増した気がした。

第3編ではスタートアップM&Aの法務についての解説。スタートアップM&Aの特殊性から始まる解説は第2編同様に分かり易い。

僕自身はスタートアップM&Aは途中まで関わった(DAの締結まで)ことが1度あるだけでVCが出てくるような案件には関わったことがなかったので、第2編よりは内容の理解が難しく感じたが、それでも解説の文章自体は分かり易く感じた。

第4編は、今回追加されたものだが、仲介者と中小M&Aガイドラインについての解説。仲介者なるものがいるのは聞いたことがあったが、両当事者の利益調整とかどうするのだろうと思っていたところで、本書での解説では、実務的な観点からの妥当な落ち着きどころが指摘されていると感じた。

 

対象となっている分野について類書がなかなかないのは変わらないと思うので、引き続きこれらの分野に関心があるのであれば、目を通しておいて損のない一冊だろう。適宜の時期にさらに改訂がなされることを希望する。

 

 

 

 

*1:「第2版はしがき」に初版との差分の概要がまとめられている。




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