例によって、呟いたことを基に、目を通した範囲の感想を箇条書きでメモ。
- 海外法律情報。
スウェーデンの難民の自発的出国促進のための帰還支援金の増額は、施策の背景についての説明になるほどと思うし、それに対するコミューン側の反応もそうなるよなと思う。
タイの少数民族保護法の成立は、タイ自体の民族の多様性を認識していなかった(汗)。 - 書評。
租税法務の理論と実践についてのものは、メリハリをつけた読みどころの紹介で、誌面が限られているときには有用なのだろう。
中国紛争解決法制の実務の書評はバランスを取って内容を紹介している感じ。これはこれでありかと。 - 判例速報。
会社法の二段階買収の提案とスクイーズアウトの実施義務は、解説最後の強圧性の有無に関する指摘になるほどと思う。
労働判例速報の独禁法違反のおそれを理由とする事業者団体の産別最賃に係る団交拒否と「正当な理由」の有無は、団交に独禁法違反のおそれがあるというのは流石に無理のある議論ではないかと感じた。
独禁法事例速報の優越的地位の認定において多額の投資が考慮された事例は、関係特殊的な投資をしてしまった後であればそういう話になるのか、と実感する。
知財判例速報のFRAND宣言をした標準必須特許に基づく差止請求認容判決は、相手方の裁判所の和解勧告への対応が差止を認める方向に作用したのだろうなと感じる。
租税判例速報の法人税法における「寄附金」該当性は、そういうものか、と思いつつ読む。 - 特集1はスポーツ法務の現在地。
イントロの短い文章の後は、スポーツ放映権の法的整理。ベテランの先生が自説を述べていてなるほどと思う。ユニバーサルアクセス権については、公的補助を受けているスポーツ等ではあるべきではないかと思うが個人的には見ないけど)、そのあたりはどうなるのだろうか。
スポンサーシップ・パートナーシップ契約の最新実務は実務家の体感が見えて面白い。モラル条項については、スポンサーに対してライツホルダー側が求めることはないのかなと思ったりした。
選手のパブリシティ権・肖像権の現在地とスポーツビジネスの展開は、現在の状況が興味深い。興味のない分野ということもあり何も知らないので。
スポーツ団体の不祥事対応の進め方は、スポーツ団体の特殊性に起因する部分以外は、特に企業の不祥事対応と変わらない印象。特殊性に起因する部分はなるほどと思ったが。
違法スポーツ賭博・不正操作の国際的拡大と官民連携モデル—マコリン条約を踏まえた日本の方向性は、現下の状況からすれば多国間条約の枠組に乗る方が良いのだろうなと感じる。
JSAA・CASスポーツ仲裁—基礎から最新論点までは、思った以上にJSAAの仲裁が使われているという印象。紛争が埋もれないのは悪いことではないだろう。CAS仲裁についての言葉の壁の問題は、AIとかで解決になるのだろうか。
この特集は、関心がないこともあり普段接しない(今後も接するとは思えない)分野の状況が垣間見えて興味深かった。 - 特集2はオンラインカジノの現状と課題。
イントロの短い文章の後は賭博罪とオンラインカジノの可罰性について刑法面での検討。賭博罪についての検討をきちんと読むのは初めてだと思う。いろいろ考えると難しい話があると感じた。
警察における近年のオンライン賭博対策については、警察庁の方の手によるもので最近のオンライン賭博の実態や取締等の対策状況がわかりやすい。
ブロッキングの可否—通信の秘密を中心としては、ブロッキングがそう簡単にできないことを実感する。通信の秘密とかに抵触する可能性があることを考えればそうならざるを得ないのだろうが。
ギャンブル依存対策については、依存対策の状況が興味深い。
こちらの特集も現在のところはあまり関心のない分野でこういう特集でもなければ接しない内容で興味深かった。 - 連載/民事訴訟手続のデジタル化のこれからのフェーズ3における運用の検討(6)—ウェブ尋問②/受諾和解/本人サポータは、ウェブ尋問は諸々想定通りに実施できるか不安な気がする。本人サポータは近づかないに限る。
- 時論の機能性表示食品に係る検証事業と情報開示は、制度の位置づけからの議論が分かり易く感じたが、機能性表示食品は信頼してはイカンなとも感じた。
- 霞が関インフォの所有不動産記録証明制度は、ないよりはあった方がよさそうだけど、住所が異なれば同姓同名でも検索で出てこない可能性もあるようなので、どこまで「使える」のかはよくわからない気がする。
- 判例詳解の生活保護基準改定の裁量と判断過程審査は、判断過程の詳細な検討が印象に残るが社会保障周りの話は、こちらの不勉強もあって難しく感じた。
- 連載/広報と法務の危機管理広報(3)
—不祥事の公表は、何でも公表するばいいとは限らないという指摘が印象的だが、公表することの弊害についての分析がもっとあるとよかったと思う。なかなか難しいとは思うけど。 - 時の判例。
動画共有サービスの件(詳細略)は、属地主義の解釈で、総合考慮説とするのは、予測可能性という点で問題ないのだろうかと感じた。
暗号資産の件(詳細略)は、仕組みはよくわからないけど、秘密鍵の機能からすればそういう議論になるんだろうなと感じる。 - 判例研究。
物流特殊指定に基づく初の確約計画認定事案は、物流特殊指定を適用した理由についての推測が興味深かった。
暴排条項に基づく生命共済契約解除の有効性と権利濫用該当性は、評釈最後の本判決の射程に関する指摘に納得。
会社と株主を被告とする株主権確認の訴えの株主のみの控訴は、評釈での手続法的な検討になるほどと思いながら読む。
行政基準不適合の製品の出荷に関する親会社取締役の責任は、取締役への帰責事由を検討する判断枠組みについての評釈での指摘になるほどと思う。一般への公表義務についての検討の方は疑問ありかと。広報と法務の連載の本号への記載にあったように、本件の会社の製品納入先のその先への影響も考えないと公表義務の判断としては適切ではないのではないかと感じた。
労使慣行である賞与減額・入試手当廃止の適法性は、評釈での判旨批判はそうなるだろうなと感じる。
宗教法人と研修中の住職後継者候補間の労働契約の成否(弟子の労働者性)は、評釈での労働・労務該当性についての検討は、そうなるんだろうなと思って読む。
無償返還届出書が提出された土地の時価評価は、そういう実務があるのかと思いながら読む。こうした実務の背景についての評釈での説明は分かり易く感じた。
没収と追徴の件(詳細略)は、両者の性質の違いが認識できていなかったので(汗)、評釈でそこの説明からきちんとしていただいていたのがありがたかった。