呟いたことを基にメモ。
幸か不幸か、最近はそういうことを考える機会が少ないのだが、企業間で法廷での訴訟となると、相手方との関係性を破壊してしまう可能性があるということは留意が必要と考える。訴訟について、ある種割り切っている企業であればそこまでのことはないが*1、訴訟になった時点で相手方がどう受け止めるか、読み切れないところもないではないので、その危険には留意が必要と考える。
そういう意味で、交渉に外部の弁護士の支援を相手方に見える形で求めたり、相手方に外部弁護士名でレターを送る(内容証明に限らず、だが、内容証明だと余計に、となろう。)というのは、相手から、「戦闘開始」の意図と受け取られかねないので注意が必要だろう。意図的にそのような構えを見せることに意味があることもないではないのだが、企業の中においては、そういう受け取り方を相手方がする可能性も十分踏まえたうえで、行動を決定することが重要なのではなかろうか。
さらにいくつか、そういう事態になる・なった場合に気にすべき点があるので、順不同で箇条書きでメモしてみる。
- 訴訟それ自体は、基本的には、「ガチ」で戦う前提で臨むことになろう。もちろん例外的に、実質的には既に交渉済の内容を手続として訴訟を経由するような必要性がある場合というのも想定可能だし(経験したこともある)、時の経過と共に事態が変化して最終的に和解という事になることもあり得るとしても、少なくとも最初は、「ガチ」前提で、そのような姿勢を見せることが望ましいことの方が多いだろう。
- とはいっても、費用対効果の合わない戦いを続けることは、望ましくないことが多いだろう。ここでいう費用対効果は、短期的なものだけではなく、模倣犯予防のためのもののように、長期的なものも含みうることが重要だろう。企業としてのメンツとかがかかる場合もあるが、費用対効果抜きで戦い始めると、鉾の納め時も見失いかねないので、可能ならば、避けたほうがいいような気がする。企業内法務の担当者の冷静さと胆力が問われる局面になることもあるかもしれない。
- なので、可能であれば、どこまで争う気かは、特にこちらから仕掛ける場合は、あらかじめ決めておいた方がいいだろう。もちろん事態の変化によってこの辺りは変化するのだが*2。
- 訴訟代理人となる外部の弁護士さんについては、以上の「間合い」を踏まえた対応をしてもらうのが望ましいし、そのあたりを外部の弁護士さんにうまく理解してもらうとともに、時の経過などに伴う、社内の状況の変化を適宜共有していくことも、企業内法務のこの種の事態が生じた際の役回りの一つということになろう。
- 関係性という意味では、企業集団単位同士の関係性を視野に入れて考えないといけない場合があることにも注意が必要だろう。一番上の会社(親会社)だけを見ていると落とし穴がある可能性がある。その辺も含めて「喧嘩して大丈夫」かを社内・G内の関係者に確認するのも、企業内法務のこの種の事態が生じた際の役回りの一つになる。
- 「ガチ」で戦う場合、挙動の一つ一つや証拠の一つ一つに至るまで、相手方がどう受け止めるかを考えておく方が望ましい*3。相手方の担当者からのメールをこちらが証拠として訴訟で提出したら、相手方内部でその担当者がつるし上げられる可能性などである。会社対会社レベルだけでなく、担当者個人のレベルで恨まれるようになると、仮に会社間で和解が成立して、取引関係が継続されたとしても、将来に禍根を残す危険が生じるので。少なくともそういう可能性も俎上にあげたうえで行動を決定しておいた方が後々サプライズが生じる危険は減るのではないか。