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月刊法学教室 2025年 06 月号

例によって、呟いたことを基に、目を通した範囲について、感想を箇条書きでメモ。

  • 巻頭言は、記録を保管し続けることの難しさを感じる*1
  • 法学のアントレは、日常的な話から法とアーキテクチャというような新し目に話題に流れていく話の運び方が巧いと感じた。
  • 特集1/民法の学習における学説と判例。冒頭に最高裁入りする沖野先生が特集趣旨と各原稿の読みどころを紹介。
    取得時効と登記は、判例と学説それぞれの議論の整理がわかりやすく感じた(どこまで理解できたかはさておき)。
    契約締結過程における信義則上の義務/情報提供義務は、H23最判をイギリスでの議論を参照しつつ検討。イギリスの議論の仕方が肚落ちしないものの、内容は面白いと感じた*2
    生命侵害は、生命侵害の不法行為不成立説が強かったのはやや意外だった。
    債権譲渡の対抗要件は、債務者インフォメーションセンター論についての指摘が興味深く感じた。
    「相続させる」旨の遺言から、特定財産承継遺言へは、香川判決への水野謙説の影響についての指摘と最後の故潮見先生の言葉を引いた上での指摘が印象深かった。
    特集1は説が固まっていると思っていたところが必ずしもそうではないものもあるのが分かって個人的には面白かった。
  • 特集2の座談会は、先生方は先生方で出題時には色々考えておられることや、先生によって考え方が異なる部分があるのも分かって興味深い。こちらが学部生のときは、法律に興味がなかったこともあり、何も考えずに試験に臨んでいたなと思う。気になったのは、先生方の考え方が様々なので、特に学部生がこの特集を読んで混乱しないかというところ。
  • 講座。
    憲法は、国会の組織。脚注15が長いが、こちらの不勉強ゆえか、言わんとするところが良くわからない気がした。
    行政法は平等原則。俎上にあげられている最判の紛争の最終的な決着がついて、良かったと思う。
    民法。ローエコを知らないのでよく分からなかった。説明不足ではないのかという気がするが、どういう編集方針なのだろう。

    会社法。利益供与規制成立までの経緯やその過程での趣旨の変化、会社法と警察の協働というあたりは読んでいて面白かった。他方で総会屋有益論の類がどうして出てきたのかが今一つわからない気はした。リアルタイムで見たことがないからわかりづらいのだろうとは思うが。
    民事執行・保全法は不動産競売による売却の手続。いろいろな考慮の上に作られた手続きと思うが、経験も興味も少ない分野なので目が文字面の上を滑っていく感じ(駄目)。
    刑法。IIの三鷹事件と鉄道転覆致死罪のところは、条文操作が興味深い。受験生時代はこの辺りはきれいに無視していたので。Iについてはとりあえず賛成しづらい内容を含むとだけ。

  • 演習。
    憲法。公務員の兼業規制。兼活って表現には初めて接した。今更特別権力関係論に触れる必要があるのかは疑問。
    行政法原告適格。設問の鉄分が濃いのと法律上保護された利益説の問題点についての指摘が印象深い。
    民法。契約不適合と錯誤。契約書でキチンとケアしようよとつい思ってしまう。
    商法。設例見て、寧ろ利益供与の問題から論じないの?と思ったがそれは次回のようだ。
    民訴。確認の利益。確認の必要性と確認しても事情の変化で確認が無駄になるリスクとの比較衡量という視点が興味深い。
    刑法。共同正犯と同時傷害の特例。解説を見るとなるほどと思うが、実務で遭遇したら混乱しそう。
    刑訴。任意処分としての秘密録音。まあそうなるんだろうなと思う。
    労働法。労働省性と損害賠償・求償。報償責任からすればそうなるんだろうなと思いながら読む。
  • 判例セレクト。
    憲法県議会議員選挙における議員定数の不均衡は、解説最後の段落の指摘に納得。
    行政法。特別地方交付税の額の決定に係る地方団体と国との紛争の「法律上の争訟」該当性。判例の規範からすれば該当しそうな気がするので、原審で否定されている方が意外な気がした。
    商法。非公開会社における任期短縮の定款変更により退任した取締役が被る損害の範囲は、10年任期全部の報酬を損害と認めるのが厳しいときの扱い方が興味深い。
    民訴。配当異議訴訟とともになされた詐害行為取消訴訟の帰趨。この辺りは経験値が少なくて、そういうものなのかと思いながら読む程度。
    刑法の義務履行の中断と救護義務違反罪の成否は、事態の緊要度と中断の許容度合いとの関連付けた指摘は興味深く感じた。
    刑訴の不正確な法廷通訳と手続の無効は、通訳の質の担保が重要とあたらめて思うが、簡単ではないと感じた。

*1:電磁的な保管の場合でも保管媒体の問題があるので、難易度は程度問題でしかないと思う。

*2:余談だが、成立していなかった契約に基づく債務不履行を認めるのは背離としても、成立すべき契約とは別の契約に基づく債務不履行という議論の仕方はあり得るのだろうと感じた。M&AでDAが成立しなかったときも、LOI(一定範囲で拘束力を有することはある)は成立して、その下での債務不履行はあり得ると思うので、そのアナロジーで考えるわけだが。




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