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ジュリスト 2025年 3 月号 [雑誌]

 

呟いたことを基に、目を通した範囲での感想を箇条書きでメモ。

  • 判例速報。
    会社法の取締役としての権利義務を有する者の報酬は、報酬額について在任中と同じである必要はないのではないかという解説での指摘は尤もだけど、じゃあいくらなら妥当なのかというと判断が難しい気がする。本人に義務があるという認識がない事案では執務のしようがないものの、責任は残るわけで、一切報酬を払わなくていいという議論はしづらいし。
    労働法の滋賀県社会福祉協議会事件差戻控訴審判決は、解説での本判決の意義についての指摘や職種限定の黙示の合意の存在の認定過程についての疑問になるほどと思う。職種限定の合意あるときの職種廃止時の使用者が信義則上尽くすべき手続についての判旨の指摘も興味深い。
    独禁法の損害保険会社らに対する排除措置命令等と共同保険組成の留意点は、留意点等の実務上難しい点の指摘が興味深い。
    知財シン・ゴジラ立体商標の使用による識別力は、解説最後の指摘は興味深いが、「シン」とつけているのは、シリーズものといいつつも、それまでとは断絶している部分があるからこその名称ではないかと思うので、連続性をどこまで見るべきなのかやや疑問に思った。
    租税のM&A協議中に相続財産となった取引相場のない株式と評価通達6は、事案の特殊事情が大きそうな話という気がした。
  • 特集は労働市場流動化と退職・転職。
    荒木先生の文章は、この問題の全体を鳥瞰しつつ、後に続く論文の位置づけを紹介している。この手の記事で4頁あることは少ないのではないか。
    退職の自由とその制限—技能形成促進の視点からは、たしかに今まであまり見ない視点からの議論という気がした。社費留学の費用の話は色々思い出すことがあった。
    解雇規制と労働市場政策は、解雇規制につき、労働市場労働市場政策の観点からコストの分担という点を中心の検討。解雇ありき検討にも見えて、こういう観点からの検討の必要性は否定しないものの、この観点が強くなりすぎるのが良いのかについては疑問がある。
    労働者の転職の自由保障と競業避止義務等による制限は、競業制限に対する代償措置の位置づけの検討と、競争法との関係の検討、特にUSのFTC規則との関係が興味深く感じた。
    「退職」「転職」を経ない労働者と職業の安定は、退職の概念のない労働者についての職業の安定の確保のために整合性を持った法制度を作るには、憲法27条の勤労権からの議論の組みなおしがいるのではなかろうかと感じた。
    退職金(手当)の意義と支給制限のあり方—公務員をめぐる近時の動向からでの、退職金の官民格差への疑問については、納得するところ。官民の間の流動性が増していることを考えると特に。
    退職金課税の現状とこれからは、紹介されている 「日本版個人退職年金勘定(JIRA)」の構想はよさそうにみえるが、実現可能性がどの程度あるのか、複雑な複数の制度間の調整などが難しいのではないかと感じた。
    特集は、最近の転職や就業の多様化を踏まえた問題状況がわかり有用と感じた。相応に転職を重ねているので思うところも相応にある。転職をすればいいというものではないとしても、することとしないこととの間の格差や就業形態による格差は、合理的な範囲にしておいたほうが良いのだろうと思う。

  • 海外法律情報。
    中国の就学前教育法の制定は、そういう単行法があるのにも驚いたが、園長、教職員等については、虐待、性犯罪、ギャンブル等の犯罪歴を調査し、児童の心身の安全に危害を及ぼすおそれのある者の任用禁止規定があるのも驚く。どの程度エンフォースされるかも気になるところ。
    イタリアの移民流入への対応策をめぐる政府と司法の攻防は、攻防の内容も興味深いが移民審査などの手続を行う施設がアルバニアにできたのが同国のEU加盟へのイタリアの支持獲得の手段というのが現下の情勢の深刻さを反映していると感じる。
  • 書評。
    大橋洋一著『都市法』の書評は、都市法の2つの側面の指摘が興味深い。
    白石忠志著『法律文章読本』の書評は、一読した者としては納得というところ。
  • 連載/地方創生に向けた官民連携の法実務の自治体特有の制度(2)—入札・官製談合・地方公務員の倫理規程は、入札談合への制裁は刑事・公取処分だけでなく、爾後の入札参加への制限とかもあることは触れておいてよかったのではなかろうか。
  • 時論。
    機能性表示食品の在り方を考える、は、某件は表示規制で何とかなる話ではないということを改めて感じる。
    Loper Bright判決と今後のアメリ行政法は、Chevron判決が破棄されたことの意義の解説が、政治状況との兼ね合いも含め興味深い。
    司法戦略と憲法戦略—2024年アメリカ大統領選挙を診るは、政治側の司法戦略、司法側の憲法戦略が興味深い。トランプに対する刑事裁判への著者の見方は理解できなくはないけど、賛成はしかねる。ソトマイヨール裁判官の指摘の通りと感じるので。
  • 連載/家庭裁判所の現状と展望の子の引渡しの強制執行の現状と展望は、そういうものかと思って読む。
  • 広報と法務のメディアの行動原理を理解する(2)—記者の行動原理、ニュースの作られ方は、記者側の考え方がわかって面白い。
  • 新法の要点の令和6年育児・介護休業法改正—両立支援の拡充・強化は、育児とか介護を気にせず仕事に集中できるのはある意味で特権だよなと思う。
  • 判例詳解。
    労災保険給付支給処分取消訴訟における特定事業主の原告適格は今後の課題として挙げられている2つのうち最初のものが正味どうなのかが気になった。
    退職慰労金の減額決定に係る取締役会の裁量は、最後の方で出てくる退職慰労金決定を支給基準に基づき取締役会一任の決議を報酬規制の観点から支持し難いという指摘はなるほどと思う反面で、その観点だけで考える話ではないとも感じた。
  • 時の判例
    相続回復請求権の消滅時効などの件詳細略)は、制度が別と言われれば確かにそうだなと思いつつ読む。
    地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係と借地借家法32条1項の適用の有無は、判旨はそうなるだろうなと思う一方で、解説での家賃改定の経緯が興味深い。
    強要未遂罪の件(詳細略)は、高裁での事実審理不尽が何故起きたのか気になった。
  • 判例研究。
    経済法の漁業協同組合連合会による系統外出荷制限の違法性は、私的独占の適用可能性の指摘はあり得るかなと思った。第1次産業は色々難しいのかもしれないとも思う。
    商事の非名義株主による虚偽記載に基づく損害賠償請求の可否は、内部統制に関する不実記載と損害との相当因果関係を安易に否定すべきではないという指摘は、言いたいことは理解できる気がするけど、認めるのも難しいのではなかろうかと感じた。
    商事の取引経験がある高齢専業主婦への仕組債販売を適法とした例では、事実認定への疑問の指摘になるほどと思う。
    商事の染描紙の著作物性と黙示の許諾が問題となった事例は、判旨への批判に納得。
    労働判例の業績給等の出来高払制賃金該当性は、「出来高払制賃金」の意義や本件における検討が興味深い。本件での検討についての評釈は100%賛成していいのかはよくわからない気がしたけど。
    租税判例研究の為替差損益の年度帰属は、正直話についていけなかった。
    渉外判例研究の台湾法人への発信者情報開示命令の申立てと国際裁判管轄は、評釈での判旨IIIへの批判に賛成。

 




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