一通り目を通したので感想をメモ。個人的には前半をもっと厚く書いてほしかったし、後半は他の書籍に任せてもよかったのではないかと感じた。
みずほ信託銀行の方々とTMIの先生方の手による本。前者を経験しつつ今は後者に身を置いている先生がいるのも興味深い。両者のつなぎ役になったのだろうか。
本書は2部構成。全体で240頁程度と通読も容易な分量。前半はSR/IRあたりの業務につき、6月総会会社での一年の業務の流れを四半期ごとに時系列に応じて解説している。図表や統計も交え、相場観のようなものもある程度わかるようになっており、このあたりの業務について知らないこちらのような企業内法務担当者にとっては興味深く有用と考える。SR/IR業務を担当していないとしても、それなりに接点のある話なので。書かれている内容は経営の姿勢等に関係する話もあり、取り扱いが難しそうなものもああるので、こうした業務の大変さも推測できる。
ただ、書かれている内容が、国内の投資家相手の話に止まっていて、海外向けの話が出てこないのが残念な気がする。いわゆるロードショーとかの話も含めて。好むと好まざるとにかかわらず、少なくとも一定以上の規模の企業であれば、そのあたりの話の重要性が増す方向にあるはずなので。
後半は、総会用の想定問答集。QAに解説がついたものが50問。当然これだけでカバーできる範囲は限られている。用意された想定問答の一部のみが本書に掲載され、残りはネット上の専用サイトからDL可能という形。重要度の高いものだけ載せて、後はwebで、というのもアリなのかもしれないが、総会の会場に持ち込んでみるような利用法は想定されていないとしても一覧で見られないのが良いのかというと疑問があり、だったら全部webでいいのではないかという気もする。もともと想定問答集から発展したものとはいえ*1、むしろ、後半はナシにして、前半をもっと厚く書いてもらった方が、類書がないように思われる分、有益さは増すのではないかと、読者目線では思うのであった。
ともあれ、現状の構成を前提にしても、2025年版、とあるので、2026年以降も毎年、前半部分も含めて改訂し続けていただけると良いのではないかと思う。