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歴史学はこう考える (ちくま新書 1815) / 松沢 裕作 (著)

一通り目を通したので感想をメモ。企業法務にかかわる人も読んでおいてよいと思う一冊。

坂井先生の呟きを見て、読んでみようと思ったもの。こちらはもともと大学では日本の近代の政治外交史とかを学びたくて法学部に行った口なので*1歴史学には興味がないわけではない。本書は、歴史学の方法論について歴史学の論文などを読み解きながら解説する本、というところだろうか。「はじめに」では次のように書かれている。

歴史家というのは何を担当している専門家で、その仕事はどういうふうに行われているのか、みんながやっている過去の振り返りという営みの中で、どの辺が「歴史家っぽい」作業なのかをということを考えてみたいわけです。

 

第1章では、歴史家にとって「史料」とは何か、史料の使い方等の解説が、第2章ではその資料の読み方がそれぞれ説かれている。これらを踏まえて、第3章から5章にかけて歴史学での論文の組み立てを解説している。政治史や経済史、社会史の分野で定評のある論文が題材となっている。最終の第6章では論文の基になる歴史家の関心のありようが環境の制約というか影響を受けるという点が時代区分、特に「近代」についての歴史家の考え方を題材に説かれている。

 

歴史学の方法論について、歴史学歴史学以外との地続き性に着目し、歴史家の言葉に即して考えている本書の方法論について、著者が文学部で歴史学を学びながら、現在は経済学部にいて、そちらの系統の学者からその方法論について疑問を呈されたことが要因となっている旨「おわりに」で書かれているのも興味深い。そうした方法論のおかげで、歴史学の方法論に特段の知識がなくても読むことができた。

 

読んでみて、歴史学の史料の扱い方、特にその史料からどこまでのことが読み取れるか、そしてその旨をどうように報告するか、というあたりを、実際の論文での言葉遣いからそのあたりを丁寧に解説している部分は、法曹の事実認定やその表現の方法に近いものを感じさせ、その意味で面白かった。まあ、想定される反論というか突っ込みも踏まえて、史料を批判的に検討し、その史料から読み取れる過去の事実を認定し、それを報告するという意味では似ているのも当然なのだろうが。取締役会議事録など企業の意思決定を記録することにかかわるのであれば、面白く読むことができるのではないかと思う。

*1:履修した授業という意味では、日本の近代の政治外交史も学んだが、それ以上に日本の政治思想史の方が面白く感じたのだが(もっとも答案の出来が悪くて試験は2度放棄して単位は得なかった...。)。




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