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外に出す前に

何のことやら。呟いたことを基にメモ*1

 

 

法務機能の外注についての体験に基づく賛否がTL上で回ってきたので、思うところをメモしてみる*2

 

法務機能の外注というのは、これまでもなされていた訴訟の代理や特定の専門性のある(それでいて自社にその専門性がない)分野の案件の外部委託、あたり以外の、日常的な契約審査等を対象にしたものと考える*3。そういうことをする際に、外注をしようとする企業側で気を付けるべきことがあるのではないかと考える。

 

前記の意味の外注が機能しない場合、外注される側の要因がないとは思わない。しかしながら、むしろ、自社の状況が外注に適した状況かという見立てが先にあるべきではないかと考える。また、外注するとしても、ある程度手綱を社内で握る必要があって、そこは一定の法務のわきまえのある人がやらないと結果的にうまく機能しないのではないかと考える。

 

見立てが必要な理由としては、ビジネスそのものの理解のしやすさ、事業部側の倫理観とか知的能力(契約書を読む能力)、経営層の倫理観や法的なリテラシーなどが一定以上ないと、事業部側からいきなり外の弁護士に相談等するというのは、おそらく何らかの過不足が生じて、機能しなくなるのは当然という気がするからである。外部の弁護士は、企業内部からのインプットに応じた判断にならざるを得ないのが通常だろう。もちろん訴訟における裁判所の求釈明のように、外部の弁護士から質問をすることは可能だろうし、開示資料など外部からでもアクセス可能な資料に基づき別途インプットを得ることも可能だが、それらには限度もあるだろう。特に、現在進行形の案件については。そういうところでは、経営層を含め、社内の人間が、確信犯的に、外部の弁護士を「ミスリード」することは可能であり*4、そうしたことをしないという前提が成り立たないと、外部弁護士からのアウトプットが結果的に適切なものとならず、機能しない結果が現出されても不思議ではないだろう。そのあたりがしっかりしていないと、外の弁護士がいくら頑張っても、しっかりしたアウトプットがあっても実務が機能せず意味がないどころか、変に外の弁護士が「お墨付き」を与えた形だけ出来上がって、却って有害にすらなり得る。

 

また、前記の見立てをして外にお願いするという結果になった場合でも、そもそもどこにお願いするかというところから検討が必要だろう。いかなるアウトプットが必要か、性質や反応速度、費用(アレンジの仕方も含む。)などを勘案して最適化を考える必要があろう。そのためには複数の事務所との関係性があり、相見積もりなどで比較ができることが望ましい場合が多いだろう。依頼先が決まったとしても、前記の意味かはさておき結果的にミスリードにならないように、検討作業に入る前に、共有する情報の質・量の精査が必要だろう。業界特有・個社特有の事情がかかわる場合には適切な理解が共有されているか、サポートが必須だろう。外の方に文脈だの行間だの空気だのを読むことを求めるのには無理があるから、必要な範囲で説明をする必要がある。アウトプットに疑義や問題点があれば、指摘の上再検討などをお願いする必要もあろう*5。こういう作業は、法務についての一定のわきまえなしにはできないので、企業内法務部門がしっかりと手綱を握っておく必要があろう*6

 

*1:本エントリは#おもて祭り 参加エントリです。おもてさんのエントリおもちさんのエントリも参照のこと。

*2:なお、本エントリup時点現在の勤務先でも、外の事務所から一人常駐で来ていただいて仕事をしていただいている。

*3:以下ではこうした理解を前提とする。

*4:規範に対して敏感なことが多い、企業内法務部門の担当者はそういうした振る舞いに対する抑止力として機能することが多いだろう。

*5:こと契約書の内容審査においても、外の事務所に通常依頼するようなレベル感の内容検討が必要でないこともあり、その場合には、そのレベル感の調整も必要になろう。現職ではそのあたりにひと月程度は費やしている。

*6:そういう意味では、外注するからといって、一切丸投げというほど簡単な話ではないということになるのは言うまでもない。もっとも、その種のわきまえがない「素人」には理解されがたいので、適宜これらの点についての説明が必要となろう。




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