例によって呟いたことを基に、目を通した記事の感想を箇条書きでメモ。
- 巻頭言は、フランス革命の詳細を知らない(高校のときに学んだことがあったとしてもすでに忘却の彼方)ので、国民衛兵の立ち位置が興味深く思われた。
- 法学のアントレは、ぱうぜセンセの生涯スポーツの見つけ方。ボクシングをされているのはFBなども含めて拝見しているが、ボクシングにたどり着いた経緯が興味深い。
- 特集は刑訴。
川出先生の短いイントロの後は捜査手段の相当性。S51最決の枠組みの中身を細かく吟味したことがなかったことを痛感する。
一罪一勾留の原則は、一罪の範囲についての考え方の整理が、例外処理も含めて印象的だった。有力説からの整理の仕方には納得感があった。
当事者主義と職権主義は、基本前者だけど、後者の働く余地もあるという印象。裁判所の果たすべき役割からの説明が興味深く感じた。
直接主義・口頭主義は、教科書とかに出てくる言葉ではあるものの、その意味内容についてあまり考えたことがなかったが、刑事訴訟手続きの中でこういう形で現れるのか…と思いながら読む。
証拠の関連性は、自然的関連性と法律的関連性の内実の複雑さが印象的だが、実務において、これらの理解の仕方次第で判断が変わることがあるのかが気になった。
特集は(いつもそうだけど)これまでの不勉強ぶりを改めて感じた次第。もっとも今の立ち位置だと刑事系は優先順位が下がるのが否めないが。 - 講座。
憲法は、戦後の憲法制定経過と特徴をドイツとの比較で解説。憲法を取り巻く状況の差が内容にもたらした影響が興味深い。
行政法は国家補償制度と損失補償。国家補償の類型として、損失補償、国家賠償、結果責任という言い方があるのには初めて接した。結果責任という表現は初めて目にした。
民法は権利の危殆化による不法行為責任の前半。これまでよりはスケールの大きな議論で、この議論の射程がどこまで及ぶのか気になる。
会社法の時計は、株式・新株予約権の不公正発行の前半。バブル崩壊までの議論が興味深く、その議論がその後どう変容したのかを解説する次回に期待。
民事執行・保全の考え方は、執行文、強制執行の開始、手続の停止、取り消し。不勉強なので、なるほどと思いながら読む。民事手続のIT化でどう変化するかというあたりも興味深く感じた。
刑法の横領罪における委託関係は、問題の所在から丁寧に説明がなされていて、分かりやすく感じた。 - 演習。
憲法。議論の組み立て方が興味深い。こちらは14条で行く方が良いのではないかと思ったのだが。
行政法。規制権限の不行使や行政便宜主義のあたり。忘れているが見るとそういう話あったなとは思い出す。
民法。抵当権に基づく物上代位と債権譲渡。債務者インフォメーションセンター論だなあと思いつつ読む。ただ、債務者がインフォメーションセンターとして適切に行動できることを如何に確保するかというあたりはよくわからない。
商法。取締役の解任関連。ステップアップで書かれた取締役の残任期が長い時の扱いが気になった。
民訴。弁論主義まわり。主張原則とかでてきて戸惑う。弁論主義の何とかテーゼって言わなくなったの?
刑法は窃盗罪における不法領得の意思あたり。きれいに忘れているのに驚く。
刑訴は類似事実による犯罪事実の立証の可否。どこまでの特徴があれば顕著な特徴があるといい得るのかが判断しづらい気がした。 - 判例セレクトの判例の動き。
憲法も対象期間内に最高裁が色々と重要な判断をしていると感じる。最後に某判事の件もでている。罷免は過剰との指摘には賛成。
行政法でも、振り返ると色々出てるなあと改めて思う。憲法と重なるのが多いなと思うが、要するに国賠の形式をとっているからそうなっているのだが。
民法は範囲が広すぎるためか最判限定で紹介。その分1件当たりの記載が長めにとれるのでよさげ。
商法は最判だけではないけど1件あたりがやはり長め。取り上げる件数は減るけど。事件の内容は知っていても個別企業名を知らないのもあった。いちいち個社名を出すのがいいのかは個人的には疑問に思う。
民訴についてもいずれも一度は目にしている事件のはずだが、覚えているものが少なくて、記憶力のなさにめげる。
刑法は、それぞれの事件の紹介で、論点となるところが示されているのが印象的。
刑訴は、取り上げる対象をかつて判例セレクトで取り上げたものの中から、と限定している(他は明示していない)。確かにいずれも見たことがあるような気がした。民訴、刑法、刑訴は紹介する判例・裁判例に見出しをつけて太字表記しているので見やすい。 - 判例セレクトMonthly。
憲法のDNA型データ等抹消請求事件。DNA型の採取・保管・利用というのがどういう意味を持ちうるのかを一般人がどこまで理解していると想定しているのかが気になった。気持ちの良い話ではないのは分かるとしても、それ以上何をどこまで理解しているのだろうというのが疑問。
行政法の公共組合の理事等の行為と国家賠償法1条1項の適用の有無は、この事案で国賠法の適用の問題になるとはあまり思わなかったのを反省。
民法の医療法人社員による総会の招集は、解説での条文解釈論の補足が分かりやすく感じた。
民訴の訴訟記録の閲覧等の制限の申立の件(詳細略)は、補足意見には、ご説御尤もとしても会社側ならとりあえずダメ元でやるしかないよねと感じた。
刑法の電子計算機使用詐欺の件(詳細略)は、何処に論点があるのか、解説を読まないと理解できなかった。
刑訴の任意同行中の被疑者への弁護士からの電話と弁護人依頼権は、弁護人との意思疎通の利益侵害を認めているが、解説末尾に指摘されている認めていない(と思われる)ケースとの差異が気になった。