一通り目を通したので感想をメモ。人文系の調べ物をするなら、前作と共に手元にあって損のない一冊。
前作から2年経過した時点でのアップデートが主な内容と理解したが、メルマガでの連載を基に書籍化する時点で見直しているが、それでもなお現在とのずれがあり得るとしている。この分野の諸々の移り変わりが思った以上に速いのに驚いた(おそらくその中で一番重要なのNDLのデジコレであろう。国会図書館のDXなのだから。)。ネット情報源はいきなり消えるという指摘や「データは長し、しかしてシステムは短し」「データは転生する」「いつまでもあると思うなデータベース」等の表現はその辺りの事情の一端を示していると感じた。
本文でも指摘があるが、あっという間に陳腐化するとわかっていながら*1、こういう手間のかかる本を出すのには勇気がいるのではないかと感じる。もっとも、書かれている文字通りの内容は陳腐化しても、書かれている内容、特に探し方の実例(著者の個人的な事情に基づくものや、「風俗本」*2の探し方などが印象的かつ面白かった。)を複数目にすることで、探し方のコツ、書かれている内容をさらに抽象化・一般化した探し物や調査の技術を身に着けることができれば、探そうとする時点での適切な探し方を考えることができるのではないか。そういう目的で、基本について論じた前作と本書を手元に置いておいて損はないのではないかと思う。
…というようなある種の理屈、というか、どちらかというと屁理屈の類も、それはそれで思いつくものの*3、個人的には、前作も含め、こういう「探し物」の本は、その内容自体が読み物として、単純に面白く感じる*4。「探し物」としての面白さという意味では、アイドルについて調べる方法の説明が、起点として示されたものが個人的にはやや意外だったこともあって、面白く感じた。