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September 23, 2010

契約業務の実用知識 / 堀江 泰夫 (著)


司法書士資格取得後、複数の業界の数社で法務実務を経験された、経験豊富な著者が、自分の経験に基づき、契約書の体裁の話から、中身に至る、一通りの契約実務について解説している本。コンパクトで読みやすいので、買ったその日に一気に読み終えられた。契約法務の実務をする際には手元においておいて損はしないのではないかと思う。

個人的に特に良いと思ったのは次の3点。
  1. 実際に経験された話が失敗談も含めて紹介されていること。実際に使用した契約文言も紹介されていて、細かいところを含めての生っぽさが説明の説得力を増やしているように感じました。実例もスキームが分かる程度に詳細に書いてあって、「ここまで書いても大丈夫なのかな」と気になったほどです(直近の勤務先での実例ではないので、おそらく大丈夫なのでしょうが)。
  2. 理論的なところに深入りしすぎない割り切りの良さ。一例を挙げると、契約書の中で「合意解約」「合意解除」のどちらを使うかについて、一応違いを説明したうえで、最後にこう結論づけている。
  3. 私自信はどちらの用語を使おうが、あまり気にかけていない。用語よりも、合意解除(解約)の具体的内容を明確に記載することに労力を費やすべきである。

  4. 目次の細かさ。本文が228pに対して、目次が11pとあって、索引は細かくないものの、目次が詳細。内容が探しやすいばかりでなく、これだけで簡易的なチェックリストにも使えそうなくらい。



一応法務をやっている年数だけは長くなったのですが、やはりまだまだ勉強不足で、あちこちで勉強させていただきました。例えば、次のような内容の記載(自分なりに咀嚼して書いてみたのですが、こういうのを書くと、自分のレベルの低さが露呈しますが、まあ、その辺は無視していただけると幸甚です)。そんな次第で勉強になった一冊ですが、細かいところで1点気になったので最後にメモっておきます。

秘密保持契約における、秘密情報およびその例外に関する定義に関する話の中で、「法令の定めに基づき又は権限のある官公署から開示を要求された情報」を秘密情報に該当しない、としているのですが、一度要求がしかるべきところからあれば、その情報は、その後はずっと秘密情報から外れて、自由に流して良くなるのでしょうか?おそらく違うのではないかと思います。寧ろ、この手の話は秘密情報の定義から外して、秘密保持義務の中で、しかるべきところから開示要求が来たら、その開示要求に応じることは秘密保持義務には反しない(しかしながら、その他の状況下では、当該情報については、なお、秘密保持義務の対象であり続ける)という形で処理するのが自然ではないのでしょうか?少なくとも、一旦開示要求が来たら、その要求に応じなくても、その時点で秘密情報の定義から外れる、という主張をされかねないような規定の仕方は、避けるべきではないのかな、と思うのでした。





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