
学生時代に通っていたラーメン屋が、数年前に閉店した。
その話を、以前ブログに書いたことがある。
京都伏見の思い出の味 - ら〜めん玄屋の和風ラーメン - 43号線を西へ東へ
というのも――その店をほぼ再現したような味のラーメンを、偶然食べる機会があったからだ。
大阪市港区の「ラーメンはなみち」。
あの頃の“思い出のラーメン”を食べられる店として、私の中ではしっかり記憶に残っていた。ところが残念なことに、今年はそのメニューが店から消えていた。
あれほど年1の楽しみにしようと思っていた酒かすラーメンが無いなんて、なんという事だろう。

(2年前に私に希望を感じさせた「酒かすラーメン」の文字はそこには無かった)
仕方がないので普通のラーメンを食べた。もちろん美味しいのだが、それ以上でもそれ以下でもない。思い出の無いラーメンだ。
🍜 🍜 🍜
私が大学時代を過ごした京都・伏見は、酒蔵が立ち並ぶ町だ。
人通りの多い商店街から横道に入ったところにあった「ら〜めん玄屋」は、思い出の場所である。ひとつ隣の中書島駅にあった定食屋「つ村」と並んで、私の細胞たちの原料になっていたのは間違いない。
学生はだいたいラーメンが好きだ。
二郎系はおろか、家系ラーメンすら関西ではまだ珍しかった頃の話である。
伏見には酒かすら〜めん玄屋とラーメン大黒。
京都駅には新福菜館と第一旭。
一乗寺には天天有。
そして、至るところに天下一品があった。
🍜 🍜 🍜
2年前、期せず酒かすラーメンと再開した時のの思い出を遡ってみよう。
ふらっと立ち寄ったラーメン屋のメニューに「酒かすラーメン」の文字を見つけた時の心の甘酸っぱさは、強烈に覚えている
麺と絡まった大根の千切りの歯ざわりが、当時の記憶を連れてくる。
ふとカウンターの向こうに目をやると、木の実ナナ似の奥さんが「七味でどうぞ!」と微笑んでいる気がした。
ほんのりと酒かすが香るたび、あの頃の記憶のスイッチが、静かに、何度も押されていく。
本当はこってりしたラーメンを食べたいのに、彼女に合わせて四条の「京都あかさたな」に通っていた、あの頃。
それでも酒かすラーメンだけは、彼女にも不思議と好評だった――そんな記憶がある。
多くのラーメン屋があった。それから長い時刻を経て今でも「行きたい」と思うのは、天下一品と、玄屋だ。
店は違っても、一度は復活してくれたあの味が、また消えていく。
思い出が、手の届く場所から少しずつ遠ざかっていく感じがする。
思い出の味が天下一品というのは、メジャーすぎてちょっと恥ずかしい。
いつまでも
あると思うな
親とラーメン屋
↑ら〜めん玄屋について語った記事はわれながら、よく書けたと自負している記事。