
安倍元首相の暗殺事件の日に、元首相の暗殺事件を取り上げフィクションを読みました。
柴田哲孝の小説「暗殺」は、フィクションでありながら、現実と錯覚させるほどのリアリティを持ち、フィクションの枠を超え物語の展開に引き込まれていきます。しかし、そのリアリズムゆえに、信じちゃいそうになるのも怖いので、フィクションと現実の境界を慎重に見極める必要があります。
文体は平易で、読みやすいです。Amazonの紹介ページでは352ページとありますが、数時間で読み終えることができる内容です。
話の時系列が、過去からほぼ一直線に現在に向かって進んでいきます。
犯人が小説の最初から登場し、「オズワルド役」を手配し、真の実行犯が呼び寄せられて準備を行う様子が描かれます。
その後、暗殺が実行されてから週刊誌記者が事件の謎解きに乗り出していく展開となります。

本作はこのように最初から犯人が分かっている状態で進むストーリー。日本全体を震撼させた大事件の裏側を描くフィクションです。みんなが感じた疑問に対して、報道に出てこない裏側を描き、著者の結論を提示していきます。
大事件から2年が経過しました。一般的な理解は次の通りだと思います。
「家庭崩壊の原因になった海外に本部がある宗教法人への復讐のために、宗教法人に強い関わりがあった元首相を殺害した」事件だと。
でも本当にそうなのでしょうか?
応援演説会場が、なぜ整備された大和西大寺駅の南口ではなく、後方が無防備になりやすい大和西大寺駅北口で行われたのか?
犯人の位置から打った弾道だと、首から入った弾丸が心臓に到達するのは無理じゃないか?
様々な謎が残ったまま、容疑者の単独犯とされた本事件でした。
本小説「暗殺」は、フィクションとして描かれているものの、その設定や展開は現実の事件と多くの共通点を持っています。特に、事件の発生場所や手口に関する描写は、非常に具体的でリアリティを感じさせます。著者の柴田哲孝氏はは、まるで事実をなぞるかのように、登場人物の心理描写や犯行の背景を緻密に描き出しています。

本作品はあくまでフィクションですが、日本政界を動かすフィクサーが元号「令和」にぶち切れていたり、周りの人に全く被害が出なかった不思議な散弾銃のからくりについて解説されたりと、裏側の話しが描かれて、真犯人は別にいる流れでどんどん進んでいきます。
この話はフィクションなので、登場人物や団体の名前は仮名です。ただ、地名やトランプ大統領等の離れた部分は実名を用い、時系列や事実そのまま進んでいきます。
読んでいくと「然もありなん」と思わせるほど細部が緻密で、ストーリー展開がスリリングでかなり引き込まれました。
陰謀論ファンとしては、かなり楽しめる作品でした。
故人のご冥福をお祈り申し上げます。
執筆後記
気がつけば2日間ブログ更新が滞っていました。