:たまたま8月8日の朝日新聞を見ていたら3面には大きく頭に「戦後80年:世界を映す平和連言」と書かれ、横には縦に「広島・長崎 核の脅威高まるほど『平和』急増」との大文字が並んでいる。広島と長崎で原爆の日に開かれた式典での平和宣言はこれまでに154回発せられており、「平和」という単語は864回登場したそうである。
そのページにはさらに「幸せに暮らせる理想社会が平和」「起草当事者は思う」「『長崎を最後に』この言葉だけは」の見出しが見られ、それぞれ色々な人が原爆について書いている。
視点として、これらの平和宣言が軍事主義の制約になっている最後の「歯止め」との論調も載っている。
ところがページをめくると、裏面には全く違った、正反対のような記事が大きく載っているのに驚かされる。現在の日本の危うい現状を象徴しているようである。
「九州・沖縄防衛強化へ急ピッチ」で「オスプレイに続き、F35B配備開始」「中国念頭「南西シフト」強まる米軍の存在と大見出しが並んでいるのである。
ほぼ、半ぺーじを使って、日米共同訓練などで、米軍の存在感が増しており、九州・沖縄周辺の防衛力強化の動きとして、佐賀駐屯地の輸送オスプレイや新田原基地の戦闘機F35B機の写真まで乗っている。更にはそれに付随して、自衛隊の呉の海上輸送群から、佐賀を経て、九州の相浦駐屯地、建軍駐屯地、奄美駐屯地から、与那国、宮古島、石垣島の駐屯地まで乗っているではないか。
更には記事を読むと、ミサイル部隊の増強で、敵基地攻撃能力を持つ長距離ミサイルを建軍基地に配備するし、F35Bは短距離離陸が可能なので、護衛艦「かが」「いずも」の空母化での運用も視野に入れているそうである。
米軍の存在感も増しており、離島防衛を想定して、9月には九州・沖縄を中心に、米海兵隊との実働訓練が21年の3・5倍の規模で、日米合わせて1万4200人規模で、9月に行われることになっていることなど、すぐにでも戦争が始まるような記事である。
原爆記念日に折角多くの人たちの冥福を祈り、平和への強い希望を掲げながら、その裏では着々と戦争の準備が進めれている矛盾をどう解決するのであろうか。
立派な平和憲法を持ち、原爆の被害を通じて、心から平和を愛し、平和宣言までしながら、いくら米国の政策に乗せられたにしても、戦争への道をやめ、平和的に矛盾を解決する方向に変わるべきではなかろうか。仮想敵としている中国ともっと接触して話し合い、戦争でなく、平和的な両国の発展を図ることが必要なのではなかろうか。
戦争と平和が同じ新聞の裏表に載っていることは、日本の最大の矛盾点を示している。どこまでもアメリカの中国抑圧政策に追随するのでなく、どこかでキッパリと戦争への道を離れ、平和の道を進む決断をしなければ、原爆による平和祈願も無駄になり、再び今度はもっと悲惨な未来が待っていることになるであろう。裏表で、全く逆な戦争と平和の記事を見て、日本の現状を突きつけられているのを嫌でも感じさせられた。日本の将来が心配である。