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大横綱をいびり出した相撲協会

 大の里が横綱になって、久しぶりの日本人の横綱ともてはやされているが、果たして日本の相撲は今後も発展していくであろうか。大の里横綱誕生と同時に、白鵬宮城野親方の退職が伝えられる。平成以来の横綱のうち、現役に豊昇龍、大の里を除けば、その間の横綱十一人のうち六人までが相撲界を去ったことになる。しかも、辞めた六人のうち四人までが外国出身の力士だったことも覚えておきたい。

 64代の曙は相撲界の今後の在り方などについて色々提言したが聞き入れられず、相撲界を去り、格闘家になった。65代の貴乃花は協会の改革を望んだが、反対に追い出されて辞めた。兄弟の66代若乃花も辞めた。

 68代朝青龍は暴力事件を口実に辞めさせられたし、70代日馬富士も弟子の暴力事件とやらで辞めさせられている。共にモンゴル出身力士である。

 そして今度は、大相撲でも歴代最多45回の幕内優勝を果たした元の大横綱白鵬宮城野親方(40)の退職である。

 モンゴル出身の宮城野親方は1968年メキシコ・オリンピックのレスリング銀メダリスト、ムンフバト氏(故人)を父とし、00年に来日、01年3月の春場所初土俵を踏み、04年5月の夏場所で新入幕を果たした。

 その後、大関だった06年夏場所で初優勝し、3回目の優勝を飾った07年夏場所後に、第69代横綱に昇進した。19年9月には日本国籍を取得し、21年7月の名古屋場所で45回目の優勝を、それも歴代最多の16回目の全勝で飾った。同9月の秋場所後に引退を表明し、親方となった。

 人間的にも謙虚で紳士的で、子供たちの相撲会を催したりして、大相撲の発展にも努力していた。ただ、現役時代から「三本締め」だとか「万歳三唱」などで協会から注意されることなどがあった。親方になって間も無く、弟子の暴力事件などで部屋を潰され、前例のない二階級降格されるなどの嫌がらせ、ハラスメントとしか言いようのないいじめを相撲協会から受け、部屋の再開の望みのないまま相撲界から去ることになった。

 どうも相撲協会は古い体質から、実績よりも古くからの伝統に固執する傾向が強く、外国人の習慣や文化への理解に乏しく、包容力が乏しいことが関係しているように思えてならない。

 かっての同僚力士の栃ノ心も「誰よりも活躍して20年間相撲協会の看板だった人間に、相撲協会がこんな冷たくすると思わなかった。同じ問題は、いろいろな部屋で起きてるのに、宮城野親方にだけこんなに厳しいのか。めちゃくちゃ悔しい」と憤りを語っている。

 また、6月3日の朝日夕刊は「素粒子欄」で、「異端に眉を顰め、異質をはじき、いびり出す。平成の大横綱を一掃した相撲協会。せいせいしたと言っている方が、負けている」と書いている。

 力士の希望者が減って、学生相撲上がりに頼らざるを得なくなっているが、その大学などの学生相撲もあまり人気がない。そういう中で掴んだハワイ勢には逃げられ、今度はモンゴルという新弟子の供給源を掴みながら、一方では出来るだけ外国人は排除して、日本人にしたい矛盾から抜け出せない。相撲協会の古い体質がこのまま続けば、モンゴル勢にもそっぽを向かれるであろう。

 ここらで相撲協会自体が体質を変えなければ、力士への成り手は減り、今後の相撲の発展は望めない。大の里が最後の横綱になり、相撲が消え去ってしまうこともあり得ないことではなかろう。

 戦前の双葉山玉錦以来の相撲ファンであるだけに、白鵬の追放とも言えるパワハラに怒りを感じるものである。

 

 

 




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