東京都港区芝浦の「BLUE FRONT SHIBAURA」の2棟のタワー棟のうち、先行して2025年2月に竣工した「TOWER S」の全体開業が2025年9月1日となった一方、残る「TOWER N」について、新築工事の着工が正式には決まっておらず、竣工の遅れが懸念される状況になっている。末尾に示した野村ホールディングスの資料から判明(2025/08/19)。

- TOWER Nの新築着工時期は未決定(現状)。竣工は2031年度以降か
- 参考 BLUE FRONT SHIBAURA(2025年8月時点)
- 参考 TOWER Sの商業エリアは9月1日全体開業
- 感想・まとめ
- 参考リンク等
TOWER Nの新築着工時期は未決定(現状)。竣工は2031年度以降か

○2025年7月30日 野村HD(ホールディングス)の決算説明会資料を要約
・既存の浜松町ビルディング(40階建て)の解体を社内決定した。今年度、解体に着手する
・解体には相当な期間(3年近い期間を想定)が見込まれている。(TOWER N)の新築着工自体を正式に決定している状況ではない
・2025年秋に解体工事を始めると完了は2028年に入る。その後着工するため、竣工時期は2031年3月からは若干遅れる可能性
・解体期間中にゼネコンとの間で価格協議をしながら、TOWER Nの新築工事着工の時期を判断していきたいと考えている
工事発注後の物価上昇、一部デベ側が負担も
・ゼネコンから資材・設備の物価上昇に合わせた価格という要望が増えている認識
・従来、工事発注後の物価上昇リスクはゼネコン側負担が一般的だったが、最近はデベロッパー側に負担を求める動き。野村HDでも一部応じる場合が出ている
コスト上昇の影響が大きいのは工期が長い高層建築物
・建築コストの上昇の程度で、価格上昇の影響が大きいのは工期が長い高層建築物。
・高層建築物では設備機器も多く、価格上昇の影響は大きくなりがち。
・この先も建設費の上昇は続く見通しでいるが、収益性を確保しながら事業量確保を継続していく。
参考 BLUE FRONT SHIBAURA(2025年8月時点)
事業主体 野村不動産、東日本旅客鉄道
施工者 TOWER S 清水建設/TOWER N 未定
所在地 港区芝浦一丁目
区域面積 約47000㎡
延床面積 約550000㎡
主用途 オフィス、ホテル、商業施設、共同住宅、駐車場ほか
建物の最高高さ 約230m
階数 TOWER S 地上43階・地下3階
TOWER N 地上45階・地下3階
着工 TOWER S 2021年10月
TOWER N 新築着工未定
竣工 TOWER S 2025年 2月
TOWER N ??????
参考 TOWER Sの商業エリアは9月1日全体開業

商業エリアのグランドオープン 2025年9月1日1100
・高層部(35階〜42階) フェアモント東京(ラグジュアリーホテル)
ホテルサービスと一体になったクルージングを提供
2025年の年明け以降に宿泊、婚礼等の予約開始予定
・7階〜33階 オフィス
・1階〜3階 商業施設 約1000坪、29店舗(うち7割は飲食店)
屋内540、屋外230の合計約770席の「グリーンダイニングホール」(1階)、「カナルダイニングホール」(2階)

・東京ワーケーションを提供するオフィス
・地域のHUBとなる商業施設を低層部に展開
感想・まとめ
TOWER Nは、もともと2030年度(2031年3月末)までに竣工する想定となっていたが、「若干遅れる可能性」を示唆した。野村HDの資料を見ると「着工しない」ということではないが、現状、着工時期について正式決定に至っていない。
建築コストの高騰リスクは長い工期の高層建築物で高くなる傾向にあることも併せてマイナス要素として示した。
まあ、TOWER Nの場合「施工者は未定」といっても「ゼネコンと解体工事の間に価格協議をする」というようなことも書いてあるので、目処はたっているのだろう。
・・・
最近は大型プロジェクトの中止や遅延が相次いでいる印象があり、再開発事業の8割に遅延などの影響が出ているという記事(都市再開発、8割で遅れや費用増 後楽園やさいたま - 日本経済新聞 =2025年3月25日)も出ているようだ。
記事は「全国で進行中の市街地再開発事業のうち、8割近くで完了時期の延期、費用の増加が起きているというもの。見直し後の計画は平均で2・7年延び、費用は2割増加しているそうだ。資材価格の高騰や人手不足が響いている」という内容。
・・・
このプロジェクトへの大きな影響がないことを願いたい。
参考リンク等
野村HD2026年3月期第一四半期決算説明会(2025年7月30日) 主な質疑応答より