隅田川と荒川に挟まれた「江東デルタ地帯」では大規模氾濫が発生すると、浸水被害が広範囲かつ長期間にわたることから、2024年11月に国土交通省関東地方整備局で住民の命を守るための第1回の対策検討会が開かれた(2025/04/03)。

第1回検討会概要
開催日 2024年11月5日
・ゼロメートル地帯の命を守る防災対策案を2025年度にまとめる
避難の現状と課題(墨田区)


・自宅が浸水しない階にあり、水や食料など十分な備蓄がある人以外は区外の浸水区域想定外へ広域避難を実施
・区全域が浸水想定区域。水害時避難場所は浸水継続時間が短い場所に設置
避難の現状と課題(江東区)


・原則、区内または区外の浸水想定区域外へ広域避難を実施
・区の大部分が浸水想定区域。避難所や水害時の一時避難施設としての使用に関する協定を締結した施設の多くは浸水継続時間が長い場所を含む浸水区域内に設定
・区南部には浸水しない避難先も確保
避難の現状と課題(江戸川区)


・原則、区外の浸水想定区域外へ広域避難を実施
・荒川以西区域のほぼ全域が浸水想定区域。待避施設や一時避難場所協定視閲、福祉避難所は浸水継続時間が長い場所を含む浸水区域内に設定。
・荒川右岸の後期各堤防と合わせて地盤が高い地域防災拠点(大島小松川公園)として浸水しない避難先も確保
大規模浸水の想定

・江東デルタ内の最大浸水深は6メートル弱
・最大浸水深(AP3・5m)では護岸は水面下(東側河川1・7m、西側河川3・1m)。
・破堤後30時間で西側河川の護岸は水面上になる

・想定ケースでは決壊後、約28時間で荒川の推移が高水敷高を下回り、結界部からの氾濫は停止する
排水計画(ポンプ車214台で計画)
・氾濫拡大中に排水する場合、決壊地点からの流入量が増大する可能性がある。また氾濫水を引っ張ることになり、氾濫量が増大するおそれが考えられる
・関東地方整備局の排水ポンプ車44台は決壊地点からの流入がなくなる決壊28時間後に投入
・それ以外の排水ポンプ車170台は48時間後から運用
・排水ポンプ車投入による最大浸水深に差はない
・浸水継続時間は一部エリアで1〜2日の軽減効果。効果には限界がある

・東京都管理の排水機場・ポンプ所など、排水に活用できる施設が存在。運用方法の検討が必要か
・避難、救助・物資提供に有用な情報提供のあり方の検討が必要か
感想・まとめ
広域避難が発令された時点では本格的降雨前、河川水位の上昇前であることが想定される。荒川の破堤は命に関わる話になる。ポンプ車による排水の規模等は初めて見た。江東区を含む3区の防災対策案、果たして具体的なものがどこまで出てくるのか。注目したい。