東京都が2024年1月に臨海部の地域公共交通計画についての分析結果を公表している。東京BRTプレ運行二次の現状と、選手村ルートの運行開始などを踏まえ、地域公共交通計画の分析をまとめたもの。臨海部の交通利便性の向上を定量化した指標が想定より伸び悩んでいること、それが東京BRT沿線以外の人口増によるものと思われることなど、興味深い指摘があった(2024/05/14)。

- 東京都臨海部地域公共交通計画
- 東京BRTプレ運行(二次)概要
- 選手村ルート運行概要
- 5つの計画目標と7つの数値目標について
- 目標達成状況まとめ
- 計画目標① BRT等と連携した新たな公共交通ネットワークの構築ほか
- 計画目標② 地域間ネットワーク改善
- 計画目標③ 多様な端末交通の充実
- 計画目標④ 乗り継ぎ抵抗の減少
- 計画目標⑤ 新たなまちづくりと連携した公共交通網の形成
- 感想・まとめ
- 参考リンク等
東京都臨海部地域公共交通計画
目的 臨海部(青点線)の都市造りと整合した公共交通網構築のため策定する
計画期間 2016年度〜2025年度(10年間)
※現計画は2021年3月改定
計画区域

東京BRTプレ運行(二次)概要
運行開始 2023年5月1日
使用車両 15両(2023年10月、予備車両含む)
連節 ハイブリッド 1両
単車 FC 10両/ハイブリッド1両/ディーゼル3両
運行回数
平日上り 97便 下り 97便
土休日上り 95便 下り 95便
輸送力
平日 上り 7948人/日 下り 7948人/日
土休日上り 7796人/日 下り 7796人/日
経路変更による所要時間短縮(環状2号線地上→トンネル)
勝どきBRT→新橋(上り) 7〜8分→4分
新橋→勝どきBRT(下り) 7〜8分→5〜6分
選手村ルート運行概要
運行開始 2024年2月1日
運行回数
平日上下計 104便/日(ピーク時 10分間隔)
土休日上下計 91便/日
※概ね15〜20分間隔

5つの計画目標と7つの数値目標について

目標達成状況まとめ

計画目標① BRT等と連携した新たな公共交通ネットワークの構築ほか

数値目標1
新たな輸送需要に対応した路線バス拡充 1路線以上
→東京BRT含め2路線(達成)
数値目標2
計画区域の居住地から目的地までの加重平均時間の短縮
新橋駅 27分以下(実態 29・1分)=未達
晴海五丁目までの時間 評価前
分析
BRTプレ運行二次により豊洲地区を中心に5〜10分の短縮効果
区域全体では2・5分程度の短縮にとどまる
BRT沿線以外の人口増加により、BRT運行による時間短縮効果が小さくなった
計画目標② 地域間ネットワーク改善

数値目標
アクセス世が低い地域の居住割合の減少 20%以上
→38・1%減少(達成)
分析
BRT運行などにより、2015年と比較して交通不便地域の人口は0・8ポイント減少、目標に到達。
計画目標③ 多様な端末交通の充実


数値目標1
駅端末公共交通機関分担率の向上 増加
→大都市交通センサスの証左項目から外れ、評価困難
数値目標2
自転車シェアリングポート数の増加 20以上
→30箇所増(達成)
分析
コロナ禍で外出減少、テレワーク増加。公共交通全般の利用者減少
回復傾向にあるがコロナ前に戻っていない
自転車シェアリングは今後もポート数増加の見込み
計画目標④ 乗り継ぎ抵抗の減少
数値目標
乗り継ぎにおいて物理的繋がりが取れた施設、ユニバーサルデザイン、バリアフリー、情報提供等の充実した交通結節点の新設 1箇所
→豊洲MiCHiの駅(達成)
分析
計画目標⑤ 新たなまちづくりと連携した公共交通網の形成
数値目標
新たなまちづくりにおける新しいモビリティサービス導入
まちづくりと連携した試行導入 1件以上
→2件導入(豊洲MiCHiの駅、バス、シェアサイクル)=達成
分析
2022年4月に豊洲MiCHiの駅開業。さまざまな交通手段が結節
感想・まとめ
BRTによる区域内時間短縮効果は想定されていたよりも小さくなった。これはBRT沿線以外の人口の増加が影響しているとのことだった。とても興味深い。
・・・
このほか、交通結節点としてはあまり役に立っているようには見えない「豊洲MiCHiの駅」の過大評価?が目立つ。
特に計画目標④⑤。
「交通結節点ができました。はい目標達成!」とされ、臨海部の地域公共交通計画、もう達成したね、となることを危惧する。道の駅の使用頻度向上や、整備効果向上に向けた東京都の支援を求めたい。
臨海部の公共交通、いろいろと課題が多い。