2026/2/5のニンテンドーダイレクトで、まさかのカルドセプト完全新作が発表された。
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発売予定日は2026年7月16日。前作「リボルト」(ニンテンドー3DS)が2016年7月の発売だったから、きっかり10年ぶりである。
カルドセプトとは何か
知らない方のために少し説明しておくと、カルドセプトは初代が1997年セガサターン用に発売された、ボードゲーム+トレーディングカードゲーム(TCG)である。開発元は社員わずか5人の小規模ゲームハウス「大宮ソフト」。
昨今人気のデジタルカードゲームの走りとも言える作品で、世界初のTCG「マジック・ザ・ギャザリング」の発売が1993年、その日本語版の登場が1996年、最初の国産TCG「ポケモンカードゲーム」が同じく1996年であることを考えると、翌1997年にもうデジタルカードゲームが登場しているというのは驚くべき早さだ。
基本的なルールは「モノポリー」をベースとしており、すごろくのようにサイコロを振ってボード上を周回し、止まったマスを「買って」自分のものにし、「投資して」価値を高め、自分のマスに止まった他のプレイヤーから通行量を奪い、資産総額を目標値以上にしてスタート地点へ戻る早さを競う。
モノポリーと違うのは、他人のマスに止まったときに「戦って勝てば」そのマスの所有権を奪えるということ。これによって高額の通行量をなかったことにでき、他人が投資してきた資産をごっそり自分のものにできるため、一発逆転のチャンスが生じる。
バトルには、自分が集めたカードを組んだ「ブック」を用いる。より強いカードを集め、戦いを有利に導くことができる。
400種以上ものカード群から選び抜いたブックは組み合わせ次第で様々な戦略を持ち、それによってゲームスタイルが変わる。高火力のカードで相手領地を侵略するか、高防御で拠点を守り育てるか。あるいはサイコロの目を操って相手に自分の領地を踏ませ通行量を奪い取ったり、呪文で領地を焼き尽くしたりもできる。
なぜファンが騒然としているのか
もちろん、一番の理由は「10年ぶりの完全新作」という点だ。
カルドセプトは初代の発売から30年近い古参シリーズながら、そのタイトル数は決して多くない。
初代SS版→PS版→DS版は細部のブラッシュアップこそあれ基本的に同一、DC版「セカンド」→PS2版→3DS版も同様で、他に完全新作としてリリースされたのはXbox360版「サーガ」(シリーズタイトルで唯一大宮ソフトが直接制作に関わっておらず、バグだらけのため闇に葬られた)と3DS版の最終作「リボルト」のみで、つまり実質的には「たった3作しかない」ようなものだ。
だからファンの間でさえ、過去作の移植に望みを託しはしても、まさか完全新作が来るとは予想もしていなかったのだ。
また今回のプラットフォームがNintendo Switch2だというのも非常に大きい。
対戦ゲームであるカルドセプトは、バトルの様子を見せてこそ魅力が伝わる。しかし、これまで対戦画面の配信に適した環境を得ることができなかった。
初期タイトル時代にはまだ通信対戦環境がなく、対面でしか対戦できなかった。逆に、通信対戦環境が整ったDS版以降はハードウェアに映像の外部出力機能がない。両方を備えていたのはドリームキャスト版とXbox360版のみだが、ドリームキャストは20年以上も前に通信サービスを終了しているし、Xbox360版は前述の通りまともに評価できる代物ではなかったため、実質的に通信対戦と画面共有を両立できる環境は存在しないも同然だったのだ。
そのためファンとしてはブラッシュアップが進みバランスが良く、初心者向けガイド機能も充実していた「カルドセプト3DS」あたりがSwitchに移植されることをずっと待っていたのだが、そこに期待を大きく上回る「完全新作」「配信対応」「おすそわけ通信対応」がやってきたわけだ。
Swict2の「おすそわけ通信」とは、自分が持っているソフトを持っていない人に「おすそわけ」して一緒に遊べる、限定的な通信プレイ機能である。Switch2同士であれば「ゲームチャット」を通じてオンラインで、相手がSwitchならば対面距離でのローカル通信限定とはなるが、カルドセプトを買っていない人とも通信対戦が可能になる。
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なにしろ、これまでは勧誘しようにも「最新作ですら10年前」「手元に対応プラットフォームがない」「通信対戦サービス終了済み」という大きな障壁に阻まれてきたのだ。それが買いやすくなるばかりか、体験してもらいやすくなるということがどれだけ嬉しいか。
なお、Swich2新作と同時に、Steam上で初代カルドセプトの配信も発表されている。
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こちらはWindowsだけのようだが、PC上でもカルドセプトを遊ぶことができるようになるのは嬉しい。
今から手を出して大丈夫なのか
ゲームとしては「大丈夫」と断言したい。
世のTCGは大抵、カードの追加を重ねて膨大な分量の資産がストックされることで初心者と古参の間に著しい資産量・知識量の差が生まれがちだが、買い切り型であるカルドセプトでは新作ごとに過去のカード資産が一度リセットされる。
むろんゲームシステムや基本的なカードの性能など共通する部分の知識は活かされるから、初期の知識量には差が出るものの、覚えるべき範囲が無限に拡大するわけではない分、追い付くのはさほど難しくないはずだ。
また、長く続いたシリーズでは回を重ねるごとに新要素が増え複雑さを増す傾向があり、特に対戦ゲームの場合では前作に慣れたユーザを飽きさせないための調整によって間口を狭めがちではあるが、カルドセプトの場合はそもそも新作の増加ペースそのものが極めて緩やかであったため新要素の蓄積も少ない。
特に今回はタイトルに「ビギンズ」とあることからも、従来ファンに向けた「狭い」ゲームではなく多くの新規ユーザ取り込みを意識しているものと予想され、複雑さを抑える調整が期待できそうだ。
気がかりな点があるとすれば、新作ゆえに初代〜2ndに登場したお馴染みのキャラたちがほとんど登場しなさそうということ(主人公のガイド役である魔法の杖「ゴリガン」の姿は確認できる)。
せっかくカルドセプト世界を魅力的に描いた漫画版があるのに、それとの関連性が薄くなってしまうだろうことは少し寂しい。
追記
初期情報のみで突っ走ったのでちょっと情報が錯綜してしまったため整理しておく:てっきり「Switch2で新作が、Steamで旧作が」出るのかと思ったら、
- 新作「カルドセプト ビギンズ」
- 2026年7月16日発売
- プラットフォーム:
- Nintendo Switch2
- Steam(Windows11)
- 初代ベース「カルドセプト ザ・ファースト」
- 2026年7月30日発売
- プラットフォーム:
- Nintendo Switch
- Steam(Windows11)
ということらしい。