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エンジニアだらけのスクラムイベントにデザイナー2人が飛び込んだ結果 – Regional Scrum Gathering Tokyo 2026 参戦記 –

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「RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo)」というイベントをご存知でしょうか。スクラムやアジャイルを愛する人々が全国、そして世界から集まる熱気溢れるカンファレンスです。

海外の著名人による基調講演で革新的なアイデアに触れられるほか、OST(Open Space Technology)では実践的なノウハウを、講演だけでなく参加型のセッションを通じて身につけることもできます。

Gathering(集まり)という名前のとおり、参加者同士の交流が活発で、垣根を超えた会話が会場のあちこちで交わされています。

2026年1月、私たちはこの「RSGT2026」に飛び込んできました。

アジャイル・スクラム関連のイベントにデザイナーが少ないことは、正直わかったうえで参加していました。 それでも実際に現地に足を運んでみると、「デザイナーさんなんですか?珍しい!どうしてRSGTに参加しようと思ったのですか?」と質問されるなど、やっぱりデザイナーは少ないなと感じる場面が、想像以上に多かったです。

エンジニアやスクラムマスター(以下、SM)が中心のこのコミュニティでは、デザイナーはいまだに"レアポケモン"的な存在。 でも同時に、「だからこそ、この場にデザイナーがもっと関わったらどうなるんだろう?もっとコラボレーションするにはどうしたらいいんだろう?」とも強く思いました。

このレポートでは、"レアポケモン"がRSGT2026に参加して感じた率直な意見や、どんな知見を持ち帰ったのか、そこからどう未来に生かしていくかをインタビュー形式でお届けします。


登場人物

ふるじゅん
Turtle Design System PO 兼 デザイナー

Turtle Design System の PO 兼 デザイナー。社内のAI推進をも担う好奇心の塊。クリストファー・アレグザンダーやパタンランゲージがマイブーム。

ひらた
Turtle Design System SM 兼 デザイナー

最後の1枚のチケットを掴み取った運命の持ち主。

naiban
SM 兼 アジャイルコーチ

二人をRSGTの沼に誘った。インタビューを担当。


始まりは「ラストワン賞」のチケットから

naiban: そもそも、RSGTってパッと聞き、何をするイベントか分かりにくいじゃないですか。二人はどういうきっかけで参加を決めたんですか?

ふるじゅん: naibanさんが「チケットがまだ数枚ある」と言ったのがきっかけですね。万博とかディズニーとかチケットの行列は苦手なんですけど、すぐ買えるなら興味がありましたし、行ってみようかなと。

ひらた: 私は他のイベントで「SMならRSGTは出たほうがいい」と勧められていたんです 。一度は完売で諦めたんですが、naibanさんから「ラスト1枚残ってるよ」と連絡が来て 。これはもう運命の「ラストワン賞」だと思って飛びつきました 。


衝撃の「案内されない」体験。ここは大学か、ギャザリングか?

ふるじゅん: 会場のベルサール羽田空港に着いて驚いたのは、とにかく人が多いこと! 面積に対しての密度がすごくて、圧倒されました。

ひらた: そう!人数の多さには圧倒されました。社内でSMに会うのは難しいのに、こんなにたくさんのSMがいるんだ!って。それから、受付してトートバッグをもらったら「はい、前へ進んでください」だけで。次にどこへ行けばいいのか、案内パネルもタイムテーブルの掲示も一切ないんですよね。

ふるじゅん: 他のデザインイベントだと、ホスピタリティがすごくて「お客様」として招待されている感覚になることが多いんです 。でもここは「案内が必要なら自分でスケジュールを追ってね」という大学のような主体性を求められる場所でした 。

naiban: まさに「ギャザリング(集まり)」。お節介すぎない体験設計が、参加者同士の助け合いや活気を生んでいるよね。

ふるじゅん: 想像よりアットホーム感がありました。もっとキラキラしたイベントだと思っていたので、ギャップがありました。登壇者とすぐ話せたり、距離感が近かったですし。小芝居のような演出もあり、良い意味で手作り感のある雰囲気でした!

naiban: 外国人参加者がその様子を見て「歌舞伎すごい」って言ってたエピソード、あったよね。この「学芸会感」は日本独自のようで、他の国ではもっとそれっぽいらしいよ。


「全くわからん」が危機感を呼び起こす

ひらた: セッションも濃かったですね。2日目の初めの基調講演、Dave Snowdenさんの「フレームワークから土壌へ:アジャイルを野生に戻して大規模で機能させる」の「クネビンフレームワーク」の話なんて、途中から「全くわからん!」となって。

ふるじゅん: Bjarte Bogsnesさんの脱予算経営のセッションも難しかったです。ROIの話はなんとなく分かりますが、財務指標の抽象的な話になると頭がパンクしそうでした。

ひらた: でも、社会人になって「一言も理解できない」という時間を過ごすのって、実はすごく大事な経験だと思うんです。「もっと学ばなきゃ」という健全な危機感を思い出させてくれました。基調講演の内容を全部理解できたわけじゃないですが、「わかりきれないけど、意味のある体験」がRSGTにはあると感じました。

ふるじゅん: 私も脱予算経営のセッションは、理屈は分かる部分もあったんですけど、ソリューションをどう現場に染み込ませるかのプロセスは見えなくて難しかったです。それでも、分からない体験をすること自体が尊くて楽しいな!と、あらためて思いました。


コミュニティの輪は全ての人に繋げる必要はない

naiban: 実務と接続できた話ってあった?

ひらた: 川口さん、天野さん、emiさんの「SMは独りじゃない!コミュニティが創る『回復と成長の場』」というトークセッションが刺さりました。主催者が会場の場づくりをあえて例年から変えない方針を取っているんです。RSGT2026は場所が移った以外、セッションの数も写真ブースも変えていないそうで。認知負荷の上昇やクレームを避けるためだそうで、プロダクト開発の考え方と同じだと感じて感動しました。

naiban: おお、プロダクト開発と一緒だね。

ひらた: そうですね。あと業務との接続感もありまして。担当しているサービスのUI変更に伴うユーザーからのクレームの経験が、イベントの話に繋がる感覚があったんです。ふくおかフィナンシャルグループの松崎さんの「社内の活動を推進する際に個人の熱意に依存してはいけない」という話を聞いて、自分が悩んでいる状況と重なりました。「輪を広げたい」と質問したら「なんで広げる必要があるの?」と問い返されて。コミュニティは全ての人と繋がる必要があるわけじゃないと気づかされて、深く狭く・広く浅くの使い分けでいいんだなと思いました。


失敗しても死なない「アンロックされる」感

ふるじゅん: OSTでは、多くの参加者が似たような悩みを抱えていて、突き詰めると人間関係みたいなシンプルな問題に落ち着く話が多かったです。「そんな気にしなきゃいいじゃん」と背中を押してもらえる場もあって、自分だけ特別じゃないと思えたのが大きかったです。

naiban: 講演者とすぐに会話できる環境や、その後のコミュニティでの再会につながる点がRSGTの良さだと思う。この体験は、参加者に「私もそうです!」や「こう思ったのは自分だけじゃない!」という共感を呼び、さらに発言する勇気に繋がっていると思う。そんな安心感からか、自分の感じたことの自由な会話から自己開示につながっていそう。RSGTという場にアンロックされる感じ。

ふるじゅん: 今回のRSGTで得た最大の学びは、技術的な知識以上に、「同じ悩みを持つ仲間がこんなにいる」という安心感でしたよね。

ひらた: 当初は知り合いも見つからなくて、セッションの熱量に体力を奪われてフラフラしていました。授業感覚で聞きすぎると、懇親会までにHPがゼロになります。でも懇親会で「あのセッション、難しかったよね」と語り合ううちに、点と点が繋がっていく感覚がありました。

naiban: 夜の飲み会が本番なんだよね。昼のセッションで分からなかった話を、わいわい話すうちに理解が深まっていく。それもこのコミュニティの価値のひとつだと思う。


デザイナー×アジャイル?

ふるじゅん: デザイナーは少なかったですが、エンジニアリングやアジャイルの専門的な話だけじゃなくて、最後は人間関係の構築の重要さに気づかされましたよね。

ひらた: わかります。結局、泥臭くやるしかないんだなーと!ただ、デザイナーのロールだけの参加者は、事実として少なかったですよね。

ふるじゅん: そうですね。私たちはデザイナーPO、デザイナーSMですから。デザイナーだけのロールだったら、きっと参加しなかったかもしれません。

ひらた: 会場で「デザイナーです」と言うと驚かれるし、ブースで「SMと兼務してます」と言ったら「初めて見た!レアポケモンだ!」と。

naiban: 元気があるうちに、「デザイナーとアジャイルをやっている人」っていう小規模なコミュニティ、立ち上げてみたらどう? 二人ならできそう。


「便利屋(ママ)」と「コーチ」の使い分け

ひらた: 持ち帰った学びを整理してみると、「ママになる/ならない」の使い分けですかね。デザイナーって、ユーザーや現場の声を拾おうとすると、つい何でも自分で抱え込んじゃう「便利屋(ママ)」になりがちじゃないですか。頼ってくれるのはありがたいですが、それだとチームとして自律しなくなってしまいます。

ふるじゅん: なるほど!SMとしては「何でもお世話しすぎのママ」にはならず、自律を促すコーチに徹する、という意味ですね。一方でデザイナーとしては「ママのように何でも拾いに行く」——ユーザーや現場の声を拾って、チームの解像度を上げる、みたいな!

naiban: 役割によって「ママになったりならなかったり」するの、大変そうだね。

ひらた: そうなんです。でも、アジャイルチームではデザイナーも「便利屋」じゃなくて「自律を促すコーチ」の側面が大事だなと思いました。


チェンジエージェントの武器に

ひらた: POとしてはいかがですか?

ふるじゅん: これまで培ったデザイナーの視点を組織変革の推進力に活かすことですかね。私は、デザインシステムの開発オーナーであると同時に、推進者なんです。それを踏まえるとデザイナーとPOって、「場をチェンジさせていく」という点では似ているなと思いました!

naiban: それ、川口さんが翻訳した「Fearless Change」っていう本に書いてある「チェンジエージェント」の話に似てるね。アプローチは違っても根本は近い。

ふるじゅん: あ、それ! 持ってます!!(本を掲げる)

ひらた: 私も持ってます!!(本を掲げる) 二人とも持ってるんですよね、この本。

naiban: おお、いいね!


外の世界では全員意識が高いわけじゃない

naiban: そういえば、クロージングの川口さんの言葉も印象的だったよね。

ひらた: 「外の世界ではみんな意識が高いわけではないから、勘違いして爆発するなよ」っていう。心に残りました。

ふるじゅん: アジャイル界隈が盛り上がりすぎて現場のリアルから乖離していく危険性があるって、私も感じていたんです。この言葉で現実に戻された感覚がありました。


ネクストアクション

naiban: じゃあ、最後にネクストアクションをどうぞ。

  • ひらた:SMとして「ママにならない」を実践し、チームの自律を促す。
  • ふるじゅん:デザイナーの視点を組織変革(チェンジエージェント)に活かす。

まとめ

RSGTは、プロダクトづくりに携わる人たちが、共通の学びを得たり、同じ悩みを共有したりする場です。エンジニアだけでなくデザイナーも参加することで、より良いプロダクトづくりに繋がっていくはずです。

「良いプロダクトを作りたい」と願うデザイナーの皆さん。来年はぜひ、会場で一緒に「レアポケモン」として握手しましょう!


編集後記

セッションを授業のように真剣に聞きすぎると、夜の飲み会までにHPがゼロになります。来年は「休み時間(ギャザリング)」を戦略的に取ること、そして体力をつけて挑むことをここに誓います!




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