MicroATS チームのスクラムマスターをやっています、えーちゃん (id:pokotyamu) です。
約半年前に立ち上がった私たちのチームは、Dev 3人・PO 1人・SM 1人の構成で、全員フルリモート、1 week スプリントを回しています。過去には 1 Day スプリントに挑戦したこともありました。
そんなチームで、先日オフラインに集まってチームビルディングイベントを開催しました。きっかけは Q 末のふりかえりです。「あらためてスクラム・アジャイルに関する知識を整理しよう」という声が上がったことでした。
せっかくならスクラムガイドをみんなで読むだけじゃなく、チームの土台づくりもまとめてやろう。そんな流れで、丸一日のオフラインイベントが企画されました。
当日のプログラムは大きく3つです。
- スクラムガイドを読む会
- チームのありたい姿を話す
- ワーキングアグリーメントをつくる
スクラムガイドを読む会
今回は半日以上かけて全部を読み切るスケジュールだったので、その場で細かく読み進めるのではなく、事前に読んできてもらう方式を採用しました。
ただ漫然と読んでくるだけだと議論しにくいので、各ページについて以下の3つの観点で付箋にまとめてきてもらいました。
- 初めて知ったこと・ここ難しくてわからん
- 今の自分たちとの違和感
- 今の自分たちがやれていること

当日は、スクラムマスターの私が各ページの内容を解説しつつ、今のチームの状況と照らし合わせながら議論していきました。スクラムガイドはそのまま読んでも理解が難しい部分があるので、噛み砕いて伝えることを意識しました。
その中でも特に盛り上がった箇所を紹介します。
「透明性・検査・適応」と「確約・集中・公開・尊敬・勇気」
スクラムの3本柱と5つの価値基準のパートは、かなり時間をかけて議論しました。
それぞれの柱が欠けるとチームがどんな状態になるのか? 5つの価値基準をみんなが体現できるとどんなコミュニケーションが生まれるのか? そんな問いかけをしながら、自分たちの日常に引きつけて考えていきました。
面白かったのは「確約」の話です。日本語の「確約」だとどうしても「絶対やります」というニュアンスが強くなってしまう。でも原文の「Commitment」で捉え直すと、「目標に向かってベストを尽くす姿勢」というニュアンスに変わります。こんなふうに日本語と英語を行き来しながら、チーム全員でしっくりくる理解を探っていきました。
大事なのは言葉を暗記することではなく、チーム全員が同じ共通認識を持つこと。この後進めていく会話のベースとなる認識を一緒に作れたと思います。
スクラムチームはどこまで?
役割のパートでは、スクラムガイド本体だけでなく去年出た Expansion Pack の内容も併せて読み解きました。
Expansion Pack では「開発者」が「プロダクト開発者」という表現に変わっています。ただ開発する以外の部分も求められていたり、人間だけでなく AI が開発者の役割になったとしても最後のマージについては人間が責任を持とう。 AI 時代におけるスクラムチームのあり方や、「ステークホルダー」との関係性についても触れられていて、スクラムガイド本体だけでは掴みにくかった部分がクリアになっていきました。
ステークホルダーというと、ユーザーさんやチーム内の Biz メンバーを思い浮かべがちですが、財務や経営層なども含めた広い視点で捉え直す。そんな議論ができたのはよかったです。
チームのありたい姿
スクラムガイドを読んだ後は、チームのありたい姿について話し合いました。
とはいえ、いきなり「ありたい姿を考えてください」と言っても話はまとまりません。そこで、まず PO から「こんなチームにしていきたい」というざっくりとした方針を出してもらい、それをたたき台にしてみんなで議論する形を取りました。
議論を重ねた結果、チームで合意できたのが 「フィードフォース1機動力がある開発チーム」 というありたい姿でした。
このワークで印象的だったのは、午前中のスクラムガイドを読む会で出てきた言葉が、自然と議論の中に出てきたことです。
機動力を求めるなら「検査を早くしたいよね」とか、「そのためには勇気を持って積極的に公開していかないと」とか。スクラムの3本柱や価値基準の言葉が、借り物ではなく自分たちの言葉として使われていた。午前のインプットが午後のアウトプットにちゃんと繋がっている感覚がありました。
ワーキングアグリーメントをつくる
最後に、「フィードフォース1機動力がある開発チーム」に向けて、チームとしてどんな約束事を持っておくとよいかを考えるワークを行いました。いわゆるワーキングアグリーメントづくりです。
ワーキングアグリーメントは「チームの法律」というよりも「チームの約束事」に近いものです。誰かを厳しくコントロールするためのものではなく、全員が合意できるものだけを採用しました。
進め方も、ただ付箋に書いて共有するだけではなく、みんなで話しながら一つひとつ決めていきました。中にはみんなでポーズを決めてお互いの感覚を揃える場面もあったりして、オフラインで集まっていることを最大限活かしたワークになりました。

最終的にオンライン朝会で毎日見ている Figjam ボードに、ここで挙がったものを全部書き出すことで、毎日見れるようにして終了しました。
やってみて
普段フルリモートで仕事をしている私たちにとって、丸一日対面で過ごすのは貴重な時間でした。
ふりかえってみると、午前にスクラムガイドで共通言語をつくり、午後にその言葉を使いながらチームの方向性と約束事を決めていく、という流れがうまくハマったと思います。1日の中でインプットとアウトプットが繋がった実感がありました。
ありたい姿もワーキングアグリーメントも、一度決めたら終わりではなく、これから日々のスプリントの中で検査・適応していくものだと思っています。早速ワーキングアグリーメントに新しく追加したり変更したくなったら、どのタイミングでやろうか?という話が行われていました。半年目のチームが次のステージに進むための、いいスタートラインになりました。