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2010年10月中旬 日本から担当役員(上司)来訪 【微笑みの国の記憶:タイ駐在備忘録】

タイ駐在

 

2010年10月中旬。

日中は暑く、夜の間に雨が降るという日が続いていた。

妻の誕生日が来たので、市内の洋菓子店で小さなケーキを買って食べた。

少しずつ現地での暮らし方がわかってきた頃だった。

 

日本の本社からR&Dの担当役員が出張してきた。

タイでの研究開発拠点での活動を視察するという感じだった。

この役員がいなければ、僕のタイ駐在はなかった。

色々と迷惑な言動もないこともなかったが、面白い経験ができたので、この役員には感謝している。

 

役員がタイの空港に着いた時に、僕宛に電話をかけたようだが、繋がらなかったようだ。

スタッフ経由でそのことが伝えられたが、無事迎えの車に乗れたようだったので安心した。

バンコク市内の中華料理屋さんで、タイ国内の化学系企業のトップと、日本から来た役員と、タイにおける僕の上司(現地法人の社長)と僕、さらにはアメリカから来た化学企業の重役という顔ぶれで会食。

僕が通訳代わりに使われるのが面倒くさかったが、アメリカから来たお偉いさんとの話は面白く、楽しい会になった。

 

話の流れで、僕が「化学企業というのは、無くなっているのではないか」と言ったら、アメリカの化学企業の重役が、とても関心を示してくれた。

その人と、僕が思うことは違ったが、「化学企業は無くなっていく」という部分は同じように考えていたようだった。

 

偉い人たちが集まっていたので、食事の内容は豪華だった。

フカヒレのスープや鮑の蒸し料理などが次々にテーブルに並んだ。

自分では食べることのない料理ばかりだった。

 

タイの大手の化学企業に、PTTという会社がある。

その会社が開催したTech Dayという行事に参加した。

日本から来た役員は、このTech Dayでスピーチをした。

資料の準備などの手伝いをさせられて忙しかったが、スピーチの内容はよかったと思う。

現地の人たちにも、好意的に受け止められていた感じだった。

このPTTのお偉いさんたちとも会食。

夕食はまた、日本から来た役員と会食。

塩分の多い食事が続いていて、身体がむくんだようになってしまった。

 

週末にタイとカンボジアの国境近くの海に行って、船を借りて沖合に出た。

日本から来た役員は、そこでダイビングをした。

僕と現地の社長はそのお供。

他にスタッフ数名が同行していた。

 

お供はみんな、船の上に残り、釣りをしたり昼寝をしたり。

僕は釣れた魚や、釣りの餌として前夜に釣っておいたイカを料理したものを食べていた。

調理するスタッフも乗り込んでいた釣船だったので、僕はただ座って待っているだけで料理を楽しむことができた。

料理と、よく冷えたビール。

ハイネケンやアサヒもあったが、僕はシンハとチャーンを飲み続けた。

夕方には真っ黒に日焼けして、そしてほどよく酔っ払っていた。

 

海岸近くの果物園で休憩し、パタヤの近くまで移動して、ダイビングを楽しんだ役員、現地法人の社長、それに僕の3人で夕食。

海沿いの、砂浜の上に作られたデッキのあるレストランで生のお刺身を食べた。

ひとしきり、タイのR&D拠点の運営について話をしたり、ただの雑談をしたりして過ごした。

 

食後、役員はそのままスワンナプーム空港まで移動。

夜の飛行機で帰国した。

 

役員は飛行機の中で急に腹痛に襲われたらしい。

何度もトイレに行き、空港に到着するまで、かなり辛かったとのこと。

その話を、現地の社長から伝え聞いた。

おそらく、パタヤの近くのレストランで食べたお刺身が原因かと思われた。

 

僕も、当然ながら現地の社長も、まったくお腹の不調はなかった。

現地で暮らしているということは、こういうことかと思った。

 

 

 

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