
2月14日(土)夜
さて、土曜日。
今日は、三筋の天ぷらや[みやこし]の予約をした。
ちょっと久しぶりか。
旧暦の正月をすぎて春、ということになっている。
今日の最高気温15.1℃(12時59分)。
今週末は暖かくなるとの予報。
春永、はるなが、という言葉がある。
俳句の季語でもあるよう。
本来は春になって日が長くなることをいうが、
「春永になってゆっくり(掛けを)取りに行けばいい」。
これは人情噺「芝浜」に出てくる台詞だが、
こんな使い方もあった。
ともあれ。
季節がかわると、天ぷら、である。
三筋は、元浅草の隣町で、[みやこし]までは
春日通りを渡って、10分もかからない。
三筋というのはちょっとへんな名前だが、江戸の頃
からのもの。(江戸の地図)
今よりも通りの数は少ないが、このように三本の
南北の筋があったから、三筋。
ただ、毎度のことだが、ここは町人の住む町家ではなく、
幕臣の住む組屋敷、まあ、武家屋敷なので“町”では
なく、三筋は通称の町名ということになる。
着いて、格子を開けて入る。
ご主人にご挨拶。
先客は奥に一組、カウンター手前に掛ける。
瓶ビール、サッポロラガーをもらう。
頼むのはいつも変わらない、特の定食9,000円也。
お通し。
もずく。細いもの。
これもここでは比較的多いか。
さて、天ぷら。
型通り、海老から。
小型の車海老、東京では鮨やのゆでた海老もこれで、
さいまき海老などという。
最初は塩。
衣は堅く、しっかり揚がっている。
海老に限らぬが、とても真似できぬプロの技。
二匹めは天つゆで。
次は、いか。
これもいつも通り、すみいか。
海老同様、江戸前の鮨やでもいかはこれを使う。
やはり、一切れ目は塩。
プチっとした歯応え。
切れると、柔らかく、あまみのある身。
そして、これ。
きす。
気持ち反ったよい姿、で、ある。
これもしっかりした衣。さくさくで、中はほっこり。
天ぷらは蒸し料理、などというが、白身はまさに
それを実感する。
次は、これ。
最近、比較的ここで、多いかもしれぬ。
ほたて。
北のものなので、本来の江戸前天ぷらでは揚げない。
切り口のアップ。
おわかりになろうか。
中心部が半生。流石。むろん、格別。
穴子。
天つゆ。
塩でもよいが、やはり穴子はつゆが合うか。
外がカリカリ、中がほかほか。
野菜天。
まあ、野菜天も本来の江戸前天ぷらでは揚げなかったもの。
手前二つは、たらの芽。ほろ苦い春の味覚。
右が小玉ねぎ。これがあまく、よい歯応え、うまい。
野菜天では私のNo.1である。アスパラ、椎茸、蓮根。
そろそろ、腹も一杯。
最後は、天丼に。
かき揚げは、白魚と小柱。
奥の壁に掲げられている木札の品書きに白魚が
あったので期待していたのだが、なくて、ここに
入っていた。
江戸前の白魚といえば、以前はこの時期の
風物詩であった。
隅田川河口、各所で夜、篝火を焚いて白魚用の
四手網で獲っていた。
河竹黙阿弥作『三人吉三巴白浪(さんにんきちさ
ともえのしらなみ)』の「大川端庚申塚の場」に
お嬢吉三の「月も朧に白魚の篝もかすむ春の宵、、」
と七五調の名台詞、これが節分の夜。
隅田川の白魚というのは、意外や、戦後すぐまで
獲れたらしい。
ともあれ、うまかった。
かなりの腹一杯。
勘定は20,640円也。
ご馳走様でした。
台東区三筋2-5-10 宮腰ビル1F
03-3864-7374
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