
4698号
12月13日(金)第一食
さて。
[桂花ラーメン]、で、ある。
好きなので、もっと頻繁に行ってもよいのだが、
ちょいとしたわけがあって、年に二回は、池袋を通るので
寄ることにしている。
熊本ラーメンの老舗である。
好ききらいがあるかもしれぬが、私は高校生の頃から
もう50年弱通っている。
べら棒に流行っているわけでもなく、増えもしないが
かといって、なくなりもせず、店が続いているのは、
やはり私のようなオールドファンと、ある程度、
若いファンもでき、世代交代もしている、のであろう。
九州のラーメンといってもかなりのバリエーションがある。
最も知られているのが博多長浜のとんこつ、なのであろう。
だが、それ以外にも知られているラーメンは多い。
よく聞いていたのが、久留米。
昨年、現地福岡県久留米へ行って久留米ラーメンを食べたが、
博多長浜とんこつに近いがやはり違う。
博多、久留米、熊本と、そう離れていないが、かなり
違うことがよくわかった。
熊本へは行ったことがなく、まったくわからぬが、
熊本でも[桂花]以外にも違った味がある、のであろう。
[桂花]の味はかなり尖がっている。
考えてみれば、九州以外にも、全国各地にご当地ラーメンが
あって、それぞれ特徴があり、さらにその地域でも
店毎に味は違う。そして、それぞれ、その味を愛する
お客がいる。
あたり前といえば、あたり前の話しである。
そこに好ききらいはあっても、優劣はない。
それだけこの国には、豊かで活性の高いラーメン
食文化があるということである。
歴史をさかのぼると、20世紀初頭、明治中期から終わり
あたり、おそらく中国の影響が強かった九州長崎、
あるいは、横浜、その後、東京から、中国の麺料理が、
長崎はちゃんぽん、東京などが支那そばという名前で始まった。
このあたりが日本のラーメンの源流。
そこから、百数十年の間に、全国各地の数知れない
ラーメン店店主の創意工夫と情熱、そしてそれを熱心に
食べるお客によって、バラエティー豊かで、うまい国民的
麺料理が出来上がり、今も独自に進化し続けている。
もはや、わが国独自の麺料理である。
そして、にぎり鮨同様、世界へも進出し、各国各地でブームと
いってもよい人気を博している。やはり、これは稀有なこと
であり、誇るべきことであろう。
まあ、だが、百数十年の歴史なので、まだまだ、ユネスコ
世界遺産には足らぬのであろうが。
ともあれ。
熊本ラーメン[桂花]。
熊本での創業は1955年(昭和30年)。
東京進出は1968年(昭和43年)、新宿三丁目の新宿末広店。
おそらく東京に進出した九州ラーメン、いや地方のご当地
ラーメンとして、最初であったのではなかろうか。
今、新宿に四店、渋谷、池袋、新橋と全七店舗ある。
既に東京でも56年になるのか。
私の場合、高校時代、新宿の街を通学路にしていたので、
東口店、ふぁんてんで出会い、ずっと行き付けであった。
当時、今と違って、SNSはおろかネットもなく、
グルメ本すらあまりなかった頃、アルタ裏で通りがかりに
偶然入ったラーメン店であった。
私自身も九州の豚骨系ラーメンもまったく食べたことは
なかった頃。
店内に当時から書かれていたが、麺が堅くスープも
個性が強いが、三回食べればクセになる、と。
確かに、瞬く間に私はクセになり、その後、今になるまで
しばらく食べないと食べたくなる、そういう存在に
なっていった。
さて、池袋店。
サンシャイン通りの一本南。ちょっとわかりずらいかもしれぬ。
13時半頃。
列はなく、入って券売機。
若い頃は、太肉(ターロー)を必ず食べていたが、
今は、ノーマルな桂花。
ほぼ満席。以前寂しい時期もあったが、よい傾向で
あろう。
壁側のカウンターに掛けて食券を出す。
ややあって、きた。
桂花。
煮玉子、チャーシュー、メンマ、特徴的な茎わかめ、
青ねぎ。
茎わかめをラーメンに入れるのは今でもかなり珍しかろう。
食感が愉しい。
チャーシューはしっかり火が入ったもの。
そして、なんといっても特徴的なのは、表面に浮いている
濃い色のマー油。
ラードに焦がしたにんにくで香りと色を付けたもの。
これが独特の香りで、うまい。
スープは九州の豚骨だけかと思うと鶏ガラも使っている
というので、これも独特なのであろう。
鶏がらとんこつというと、京都[天下一品]を思い出す。
なるほど、マー油を抜けば近い味、かもしれぬ。
麺。
細めの丸い麺。ゆで加減は堅め。
デフォルトが、堅め。
これも大きな特徴。
福岡も丸麺で堅めを好むのだと思うが、
九州だからであろうか。
濃厚で香りが強い。
なかなか複雑な味。
うまい、うまい。
スープを全部飲み干したいが、さすがにやめる。
ご馳走様でした。
やっぱり、いつまでもあってほしい、
私には絶対定番の味、で、ある。
豊島区東池袋1丁目23番9号 スタック池袋1階
03(3981)1871
※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
匿名でのメール、ダイレクトメッセージはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、バックグラウンドなど簡単な自己紹介を
お願いいたしております。なき場合のコメントはできません。