
何日か前に読んでいたネット小説に、印象に残る表現があった。
ヒロインは、どちゃくそ性格が悪かった。
どちゃくそ。
一応、理解語彙ではあるけれど、使用したことはなく、昭和を引きずる還暦世代の女性としては、今後も日常で使う機会は多分ない。
と思っていたのだけど。
他の言い方ではまかなえない、〈どちゃくそ性格が悪い〉と表現するしかないような、度し難い性格というものは、確実に存在するような気がしてきた。
ちなみに、その小説のヒロインなる人物は、持って生まれた愛らしい見た目と、マインドコントロールじみた姑息な対人スキルを駆使して、幼い頃から異性を籠絡しては取り巻きにして貢がせ、気に入らない同性は手を汚さずに虐げるなどして、被害者を量産していたという。
ただ、悪質ではあるものの、本人の頭があまりよくなかったからか、為政者を巻き込み国を傾けるというほど凶悪さを発揮する前に、地域社会から駆逐されていた。
「どちゃくそ性格が悪かった」というのは、そんな性格の悪いヒロインからの被害をそこそこ受けつつ、それほど大きな貰い事故を食らわずに済んだ、同世代のモブキャラによる述懐だった。
うん。分かる。
私も遠い過去に、そんな系列の同性の行状のターゲットにはならずとも、そこそこ不快な汚泥の飛沫を食らいつつ、それなりに近いところで眺めていたことがある。あれらはまさに、「どちゃくそ性格の悪い」人々だった。
「猛烈に」や「とんでもなく」や「すこぶる」などでは表現しきれない、リアルに傍観する立ち位置ならではの臨場感と、周囲に巻き起こるトラブルへ感じるうんざりな気持ち、さらには適度な小物感などを、包括的に表現することが可能な程度副詞は、「どちゃくそ」以外には考えられないように思う。
程度副詞「どちゃくそ」。
小説で見かけるだけならいいけど、日記で使う日が来ないことを(そんな対人トラブルは間に合っている)、切に祈りたい。
(_ _).。o○
それにしても、「どちゃくそ」って、いつごろから使われ出したんだろう。平成以降だとは思うけど、目にしはじめた時期を思い出せない。
冒頭のイラストは、AIのcopilot さんに依頼したのだけど、イラストと一緒にオリジナルの短歌も詠んでくれた。
ほほえみに隠す企み春の風青き瞳は夢を貢がす
copilot
返歌したいけど、脳が不調なのでまたの機会に。