最近読んだ本のメモ。
読んだことを忘れないために。✍️
いま四巻まで出ていて(Kindle版)、三巻まで一気に読んだ。
ゴリゴリのファンタジーだけど、描かれているのは現代の医療現場にも深く根ざしている問題ばかり。
ゴジラよりもサイズがデカそうな竜を、人間の医師団が治療する。
この世界の人々の暮らしは、竜の生命活動によってもたらされる様々な恵みによって維持されている。竜の訪れのない国は滅びるしかなくなる。そして竜たちも、人間たちの献身的な医療活動がなければ、さまざまな身体の不具合を解消できずに、長く苦しみ、死に至ることすらある。
サイズ差だけを見れば、途方もなくかけ離れた異種族であるのに、竜と人間は、意思を伝え合い、持ちつ持たれつの関係を維持してるのだけれども…
主人公たちが担当する老竜は、注射が嫌だからと検査を嫌がったり、食事のために飛び立つのを億劫がって栄養失調になり、厄介な余病を引き起こしたりと、大いに問題のある患者なのだけど、彼らの国には、その老竜一頭しかいないため、医師団は全員命懸けで診察し、介護し、治療を行う。
治癒の見込みのない脳の異常のために暴れ狂う竜の、安楽死問題。
老いのために衰えていく竜の介護問題。
致命的な身体障害を持って生まれてしまった幼竜の、療育問題。
竜の治療の成否が、国家の興亡ばかりか、人類全体の文明の存続に直結するという、ものすごくシビアな状況であるだけに、竜の医師を志す主人公の少年たちの冒険や挑戦も、半端ないスリルに満ちていて、一気読みせずにはいられなかった。
だけど現実世界の医療問題も、膨大にかかる医療行為や医療費などを考えるなら、巨大な竜と対峙するようなものかもしれない。
せめて自分の病気だけでも、あまり巨大化しないように気をつけよう。
(_ _).。o○
コミック版「魔導具師ダリヤはうつむかない」8巻 住川惠、甘岸久弥、他 著
大好きなシリーズの最新刊。
書籍化されている原作小説よりも、だいぶ遅いペースなので、前の方のエピソードを読み返す感じになるのだけど、コミック版ならではの面白さがあるので、十分に楽しめる。
この巻では、強固な身分格差が存在する異世界の平民に転生したダリヤが、誤解のせいで一方的に疎まれたり、高位貴族の差し金で強烈な試練を受けたりするところなのだけど、全部跳ね返して丸く収めるどころか、なんだか分からないうちに、関わった全員が前より幸せになっていたりする。
このお話には、完全な悪役という立ち位置の人物がほとんど出てこないのだけど、物語世界自体には悪はしっかり存在しているし、主人公のダリヤを含む主要人物の多くは、過去に、何者かの悪意、もしくは強者の思わくなどによって、大切なものを奪われている。
そんな生きづらさのある世界のなかにあって、主人公のダリヤは、本人の極めて小市民的な意識とは裏腹に、ある種のワイルドカード的な存在として、地位も立場と全く異なる人々をかき回して結びつけ、いつのまにか関係者全員を味方につけてしまうだけでなく、まとめてハッピーな方向へと連れていってしまう。それが毎度痛快で、面白い。

