田村由美「ミステリと言う勿れ」13
最新刊(14巻)が出たので、復習のために再読。
この巻で、全貌が見えにくかった連続殺人事件が決着する。
雑誌「@旅めし」の記者である望月湊と蕪木真夏は、取材先で人を殺し、被害者から盗んだ品を使ったテラリウムを、読者プレゼントにしていた。
ものごとを完璧に揃えることに異様な情熱を抱く望月は、自ら設定した「全都道府県で一人づつ殺す」という目的をコンプリートするために、富山で一人の女性をターゲットとして、事故に見せかけて殺害した。
けれども、女性の死に疑いを持った地元の人々が、望月たちに疑いの目を向ける。
ところが、彼らの犯罪が暴かれる前に、望月が海岸で凍死してしまう。遺体からインスリンが検出されたことから、酔って屋外でうっかり寝込んだための凍死ではなく、意図的に寝込まされたらしいと分かる。
主人公の整(ととのう)くんは、その地元の人々の思惑で事件の渦中に巻き込まれ、持ち前の観察力で、望月を殺害した真犯人を言い当てるのだけど……
毎度のことだけれど、事件の真相がほとんど明らかになったと思われるところで、整の観察と推理が、全てをひっくり返して上書きし、それでも解決のつかない、底知れない人の心の闇という大きな塊を残したまま、次のステージに進んでいく。このマンガの恐ろしさは、そこにあると思う。
田村由美「ミステリと言う勿れ」14
今回の事件では、整くん本人ではなく、巡査の池本の内面に搭載されている整くん的思考回路が、まるでAIのように活躍して、真相を明らかにしていった。
毎度のことながら、印象的なエピソードやフレーズがたくさんあった。
例えば、拳銃の訓練に悩む風呂光巡査が、女性の手に合う小型軽量の拳銃があればいいのにとつぶやく場面。
それを聞いた上司の青砥警部が、「別の物が必要な人間が声を上げるしかないな」と答える。
女性に不利な職業現場について触れたマンガというと、「研修医なな子」(森本梢子 著)を思い出す。外科医を目指すなな子が、手の小さい女性医師では扱いにくい器具に困っている場面があった。
手の小さいのは女性に限ったことではなく、男性にだって標準よりも小柄な人はいるはずで、女性以上に声をあげにくい状況にあったりするかもしれない。
この作品では、声にできない誰かの苦しみが、人知れず堆積し続けるうちに、底なしの淀みとなって、致命的な事件を引き起こすことが多いように思う。
風呂光巡査のつぶやきも、いずれ何かの事件への気づきへと繋がっていくのだろうか。
SHOOWA「イベリコ豚と恋と椿」海王社
Kindleを買ったばかりの頃に読んだBLマンガ。
作者さんを知っていたわけではなく、なんとなく絵柄が気に入って読んでみたのだったと思う。
内容は…
どう説明したらいいんだろう。(´・ω・`)
集団でゴミ拾いなどして街の美化に勤めている、善良な不良少年たちの、出会いと恋(男惚れ?)のお話…だろうか。
双方の親がライバル会社(組)の経営者という、ロミオとジュリエット的な状況を力づくで打破するカップルもあれば、壮絶なトラウマ持ちであるが故に、恋愛に踏み出せないカップルもあったり。
自分たちのボスの恋愛成就を願って、学校の屋上に「繁殖小屋」なんてものを建ててしまう手下たちが、なんというか健気だった。BLで繁殖って…。あ、でも近頃は、オメガバースといって、同性間でも妊娠、出産可能な設定のお話がBL界隈でも一般化しているようなので、繁殖もありなのか。
続編が三冊でていて、読んでみたいと思いつつ、未読。






