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ふりかえりのアクティビティを毎回変える

ふりかえり(レトロスペクティブ)とは、定期的に自分たちのチームの状態や仕事の様子を点検し、具体的な改善のアクションを立案することだ。

昨今は多くの現場で取り入れられている。

スクラムでは、スプリントレトロスペクティブとして5つのイベントの1つになっている。

書籍『アジャイルレトロスペクティブ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き』(2007年 オーム社)によると、レトロスペクティブは次の5つの構成に従うとある。

  • 場を設定する
  • データを収集する
  • イデアを出す
  • 何をすべきかを決定する
  • レトロスペクティブを終了する

同書では、これら5つのフェーズごとに、それぞれのアクティビティを紹介している。つまり、フェーズごとに、チームの状態に適したアクティビティを選択し、レトロスペクティブを「設計」するのである。

アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット』(2021年 翔泳社)の著者でもある森一樹さんが作成したふりかえりカタログでは、このエントリを執筆している時点で71のアクティビティを紹介している。

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ふりかえりカタログでは、ふりかえりの5つのステップに対して、紹介されているアクティビティがどのステップに該当するかが示されている。それを見るとわかるように、1つのアクティビティで複数のステップを扱えるものも多い。

ふりかえりカタログで示されてるステップは以下の5つだ。

  • ふりかえりの場を作る
  • 出来事を思い出す
  • イデアを出し合う
  • アクションを決める
  • ふりかえりを改善する

ふりかえりで良く知られたアクティビティにKPTがある。Keep, Problem, Tryの頭文字をとっている。 Keep(続けたいこと) -> Problem(問題) の順にアイデアを出し、話し合い、Try(次に試すこと)を改善のアクションとして決定する。

この流れを見るとわかるように、KPTは、単体で5つのステップの大部分を自然となぞることができる。ふりかえりカタログでも、KPTは「出来事を思い出す」「アイデアを出し合う」「アクションを決める」の3つのステップに該当すると紹介されていて、このアクティビティだけでほぼふりかえりが成立する扱いやすいアクティビティであることがわかる。

扱いやすいので、ふりかえりは毎回KPTをやる、ということがよく起きる。グループウェアのカレンダーに「KPT会」という会が設定されているのを見たことがあるが、ふりかえり = KPT として扱っている現場も多くあるだろう。

ぼくも、KPTだけを毎回やっていた時期がある。

毎回同じアクティビティを使っていると、だんだん「慣れ」や「飽き」といった状態になる。あまり効果的ではないふわっとしたアクションしか出ない時期が続いたり、せっかく出たアクションが実行されずにスプリントが終わったりする。

スクラムマスターは、チームを観察するのが仕事である。そして観察した結果、今のチームは何に対してフォーカスすればいいのか、ということを考え、それに集中できるようなふりかえりの場を設計したい。

少し前に、あるチームのスクラムマスターをしていたときに、ふりかえりのアクティビティを毎回変える、というチャレンジをしたことがある。

チームの観察結果から、ふりかえりをどのような場にしたいかを考え、ふりかえりカタログを眺めてそれに適していそうなアクティビティを選択し、やってみる。たとえば、大きな成果が出てチームがお祝いムードであるときは、お互いを褒め合うような楽しいアクティビティを選び、逆に課題の多いスプリントを過ごしたときは、その課題に集中して向き合えるアクティビティを選ぶ。

やったことが無いアクティビティをやることも多いため、うまくいかずに失敗することも何度かあったが、その失敗そのものも学習となる。なぜふりかえりがうまくいかなかったのかをチームとして考えれば良いのだ。それに仮に失敗したとしても、当時のチームはスプリント期間が1週間だったので、次の週にはまたすぐに次のふりかえりの機会がやってくる。

いろいろなアクティビティにチャレンジすることで、チームのファシリテーションのトレーニングにもなる。

ぼくがこのチャレンジをしていたチームは、フルリモートワークのチームだったのでMiroを使ってふりかえりをしていたが、オフィスで集まって仕事をしているチームであれば、ふりかえりで使う道具や、会場のレイアウトを工夫するのもおもしろい。

Miroを使ったリモートチームのふりかえりでも、他のチームのふりかえりを見学すると、デザイナが凝った華やかな会場をMiroに用意していて、そのテンプレートを使わせてもらったこともある。

ふりかえりの場に変化をつけることで、チームも刺激を受けて、いつもと異なる視点で議論が捗ることもあり、いいことずくめなのである。




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