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大宰府にでかけてました。九州国立博物館が大迫力だった

さまざまがあり、福岡県の太宰府に5歳児とでかけていました。妻が妻友人と博多座で観劇している裏という謎旅程。

ちょうど、本殿が工事中で、万博の大屋根リングを設計した藤本壮介さんが設計した仮殿が評判で、万博ファンが訪れているらしいし、ちょうど福岡で時間があるしという程度で寄ってみたのですが、だざいふ遊園地も、九州国立博物館もかなりよかった。

ちなみに大宰府には、高校の修学旅行で訪れたはずなんだけど、現地の記憶はまったくありません。

ちょうど梅も咲いていて参道も賑わっています。半分以上外国人旅行者かも。

www.dazaifutenmangu.or.jp

仮殿、寒い時期だったけれどけっこう緑で迫力ありました。不思議なバランス感。これだけ空中で緑を維持するの、いろいろノウハウがありそうで気になります。ポケモンのドダイトスとか連想する。

太宰府 仮殿

そして徒歩数分のだざいふ遊園地、なかなか渋いところというか、90年代で投資が止まった感がいい。

太宰府ゆうえんち

100円券11枚を1000円で買って、5歳の子どもにどの遊具を遊ぶか選ばせましたがまだ計算はおぼつかない。

メリーゴーランド300円と、ビックリハウス400円を2人で入ります。 ビックリハウス、なんか錯視とかをつかった仕掛けがあるのかと思ったら、座るベンチ部分が固定されていなく、部屋全体が回転するという構造、2人とも予期していなかったのでかなり驚きました。落ちるかと思った・・・。

そんなこんなであっさり終わって、九州国立博物館。入り口が小さかったから、コンパクトな展示なのかと思いきやエレベータを進むと巨大な建物。

小さな入り口と大きな建物

カフェでうどんを食べて腹ごなし。 ちょうど、福岡県指定無形民俗文化財の 「山野の楽」 をやっていて見物できました。なかなか迫力あった。

クロークに荷物を無料で預けることができて楽(とはいえ、子は半分くらい疲れていておんぶしてつらかった・・・)。 今回は常設展だけだったけどかなりボリュームがあって楽しい。

驚いたのは7世紀とかにおおきな城砦や土塁をつくっていたこと、中央は海外からの侵略をこれほど真剣に恐れていたのかと感じた。 白村江の戦いも含めて国家意識・領土意識は気になる。

そしてナウマンゾウの牙とか土偶、埴輪は迫力。土偶が西と東で抽象度が違うということもおもしろい。

銅鐸は展示のほか、再現する映像と再現したものがあって叩くことができてよかった。仏像や器群もいい。

子は、床に投影されたアイコンを踏むと壁に投影される街の情景に動きがでるものを気に入ってなんども踏んでいました。

あと、あじっぱという触って体験できるエリアではアジアの楽器や物に触れることができて子もかなり楽しんでいました。韓国の双六、ユンノリや馬頭琴、巨大なドラで遊んだりした。

不満としては、だざいふ遊園地は、九国のチケットがあると入場券割引があるけれど逆はないということ、順番を逆にすれば良かったかも。しかしそうするとゆうえんちに行く体力は残らなさそう・・・。

また西鉄で北上し、洗練されたカフェの激戦地と聞いていた薬院でコーヒーを飲んで、博多駅の地下でラーメンを食べて帰ってきました。 駅地下のラーメン博魂さん、店員さんが大変感じ良かった。 福岡の食は豊かで楽しい(妻も、水炊きを食べてビアキチで飲んでラーメン食べて終電で帰ってきて絶賛していました)。

また九州行きたいな~

西鉄のアイスグリーンの車体がかわいい

米澤穂信「黒牢城」、呉座勇一「陰謀の日本中世史」

正月に弟からすすめられて読んだ米澤穂信の「黒牢城」がおもしろかった。 織田信長の配下であった荒木村重が謀叛し、1年ちょっと籠城した有岡城の戦いの折、説得に訪れていた黒田官兵衛が監禁されていた、という事実からふくらませた小説。

そういう事実があったことや村重がどうなるかも知らなかったからそれも驚いたんだけど、話もよかった。 籠城してピリピリしている城内で、士気を維持するためにもめごとを解決したい村重が土牢のなかにいる黒田官兵衛の知恵を頼るという、つくりでいうと安楽椅子探偵もののミステリーなのだけれど、それにもまして荒木村重というキャラクターと戦国時代の組織マネジメントもよく描かれていておもしろい。気を遣うことはたくさんある。スパイも入っているだろうし、寄せ集めからは裏切り者が出ることを前提に指揮をとらねばならない。さらに城主といえどなんでも直接コントロールできるわけではない(現代の会社で社長がなんでも好きにできるわけでもないのと同じですね)。

信長に虐殺された浄土真宗・一向一揆の宗教観・死生観も強いモチーフになっているのもよい。 名物が外交上も大きな価値をもつというエピソードではマンガ「へうげもの」を読み返したくなった。こちらでもさらっと村重はでてきましたね。

ぜひ、村重についてWikipediaを読まずに読んでほしい。

戦国時代、信長といった読者に共通の前提知識があると読みやすくてよいのかも。 これは、実在ではないけれど舞台設定や概念を共通化することで物語にフォーカスさせる異世界転生ものと近いんだろうか(ハードSFとかハイファンタジーだとそこらへんの設定共有で紙面をつかってしまう・・・)。

と、読んだあと戦国時代に関心がでてきて歴史学者の呉座勇一の「陰謀の日本中世史」も読んだ。

呉座先生は、「応仁の乱」などのヒット作を出しながらもTwitter(現X)の非公開アカウントとはいえ4000人ものフォロワーがいる状況、複数の研究者を侮辱するような投稿を繰り返していて、被害者から告発されて多数の研究者からオープンレターを出され、職を失いかけたりした歴史研究者。

オープンレターの趣旨はともかく、署名者の確認や呉座さんの実名を出したことなど問題があったけれど、 呉座さん集団になってなかなか陰湿ないじめ行為をしていたことは確かで人柄を軽蔑はしているんだけど、この事件のまえから読んでいた「一揆の原理」がおもしろかったり、井沢元彦の「逆説の日本史」の誤りをWebメディアで批判するなど*1は評価しています

※ 呉座界隈問題について複雑でよくわかりにくいけれどこの被害者のひとりのブログが情念こもっていてよかった

呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ(その1)|森 新之介

さて、本書では、源義経が陰謀で失脚したのか、足利尊氏が陰謀家だったか、本能寺の変に黒幕がいたのか、など世にはびこる風聞を資料をひもときながら解説していて、プロの歴史学者の資料読み解きプロセスを垣間見えてかなりおもしろかったし、陰謀論の発生プロセスもよかった。

義経が失脚したのは兄にうとまれたからとか信長が本能寺の変で殺されたのは、明智光秀を動かした誰かがいる、とか、石田三成を決起させたのは家康の陰謀、とかおもしろいけれど、そう単純ではなく、さまざまなトラブルがおきる複雑な世界で必死にやっていた結果ではないかというのを検討していきそれぞれの時代について知ることもできてよい。

さまざまな陰謀論をみていくと、特徴には(1)因果関係の単純明快すぎる説明、(2)結果から逆行して原因を引き出す、というものがあるという。 特に歴史解釈についての陰謀論だと後知恵的なものが多いというのもあるようには思えるけれど、特定のだれかが原因とするというのは昨今のディープステート陰謀論とかにも通ずる。

天才的な戦略家と評されがちな信長であっても、なんども裏切りにあって驚いているというのは「黒牢城」でも描かれていた。そして、真実を知っている優越感があることからインテリ・高学歴者もだまされるというのはSNSで党派を形成する現代の陰謀論とも通ずるところがある。

しかし、煽情的になるアルゴリズムに支配されるSNSのもと、コロナ・トランプ現象と世の中に陰謀論の波が来ているけれど、エプスタイン事件や高度な認知戦のように眉唾ではないものもあって判断が難しすぎる・・・

dai.hateblo.jp

イタイ・ヨナト「認知戦(文春新書)」眉唾な部分もありながら・・・

本書は、イタイ・ヨナト(Itai・Yonat)というイスラエル国防軍で影響力工作の経験を積んだり、医療系スタートアップを創業したりもしていまはIntercept9500という敵対的影響力対策の会社の創業CEOをやっている人間に、奥山真司さんがインタビューして書き起こしたという2025年の本。

奥山真司さんをWikipediaで調べると戦略学者と分類され「日本におけるジョン・ミアシャイマー紹介の第一人者である」とも書いてあってちょっとうさん臭く感じたけれど、エキサイトブログ「地政学を英国で学んだ」の著者らしい。

はてなブックマークでドメインを検索すると見た記憶のある記事もちらほらある。

というわけで、眉に唾をつけながら読みましたが、ロシアがウクライナに侵略し、イスラエルはガザで虐殺し、中国では情報統制がしかれ、アメリカもトランプの"ディール"がとんでもないことになっている昨今ではけっこう迫真だでぞっとするような内容だった。

認知戦とは民間のSNSやメディアを用いることで人々の思考に影響を与えるというもの。一般人をよそおった多数のアカウントによって行われ、空間のムードをつくって世論に影響を与えるというもの。

2010年ごろまでの日本では総理大臣や与党の支持はマスメディアがどう切り取るかで大きく左右されてきたように思えるけれど(バカヤロー解散にしろ神の国発言にしろ、もとの発言がひどいのはあるんだけど、メディアに切り抜かれないままのひどい発言はもっとあっただろう)、昨今のSNSを中心に排外主義が煽られている様子をみると、特定の国への敵愾心・好感度も操作されうるようには思えてしまう。

とはいえ、まだ野党ディスや排外主義煽りなど正義感や怒りを刺激するコンテンツがアクセス数を稼げるからプラットフォームも投稿者もよりそちらに注力するという資本主義駆動な状況ではどのくらい影響力を持つものだろう。

シンガポールや台湾がやっているように国による監視や規制が必要だと提言されており、どこかで必要かもしれないと思わなくもないけれど、表現の自由のど真ん中の政府による検閲と紙一重で民主主義的にはかなり危ういことをせざるを得ない、とも思った

いくつか拾い読み。

ディスインフォメーションは、大きく分けると2種類あります。 ①情報のコンテンツそのものが偽物 ②情報の広げ方が偽物(偽メディア、フェイクユーザー、ボットなど)  このうち、①は、内容をファクト・チェックすれば、正しいか誤っているかが見分けられやすい。しかし、②は人間がおこなっているのか、フェイクユーザーによるものなのかの見分けがつきにくく、しかも簡単に操作できます。そのため、影響力工作キャンペーンにおいてよく使われる手法です。

はい。そしてTwitter(現X)でもYoutubeでもアルゴリズムが隠蔽化されてわかりにくくなっていますね、

相手の感情に訴えかけるとき、最も効果的なのは否定的な感情や屈辱感、フラストレーションや怒りを刺激すること です。そして、 既存のシステム、司法制度などを批判し、現状に不満を抱える人々のために〝正義〟を提示する のです。(中略)もう一つ、注目してほしい側面があります。ディスインフォメーションはより多くのお金を生み出すということです。 ナラティブをもつディスインフォメーションは人の心にダイレクトに訴えかける力をもっています。そのため、 本当の事実よりも記憶に残りやすく、人を動かす力をもちます。スマホやパソコンで広告をクリックさせる力をもつのです。

必ずしもだれかの悪意があるわけではなく、資本パワーに駆動されて怒りを刺激されているというのはかえって怖い。

第二次大戦後、約 60 年かけて民主主義国家は定着しましたが、世界的にみて 10 年前より減っており、現在 60 か国ほどが民主主義制度を採用しています。  しかし今、 民主主義の国家は内部に問題を抱えています。たとえば、イスラエルのネタニヤフ首相とその政権幹部の強権的な振る舞いは、トランプ政権のそれと 酷似 しているという指摘が多くあります。ヨーロッパのハンガリーでも同じような状況が見られます。つい最近まではポーランドもそうでした。

イスラエル人の著者がネタニヤフに否定的である。けれど、後半でパレスチナへの侵略は正しいと思っていそうだった

しかし、SNSでは、日本の若い世代を中心に、戦前や戦中に対する肯定的なイメージが拡散されているのです。「日本は現在より偉大だった」「旧日本軍は強く、他の先進国にも恐れられていた」「日本の国際的地位も高かった」というもので、「古きよき時代」を求めたり、「再び偉大になろう」と語ったりする声がスマホを通じて垂れ流されています。

こうした思考、一部ではそういう風潮があるけれどどれくらいメジャーなんだろう。 格差が拡大し、社会で承認を得にくくなったときにナショナリズムが最後のアイデンティティになる、とは言われるけれどそういう流れ? 自分は、過去の誤った行いを直視して謝罪した方が国としては信頼もされて国益になる、とは思っています。

ところが、中国とロシアは、日本に対して攻撃を仕掛けてきました。ALPS処理水について「汚染水」という誤った名称を定着させようとして大規模なキャンペーンを展開したのです。中国の 王 毅 外交部長(外務大臣に相当) は「核汚染水の放出は海洋環境の安全や人類の命と健康にかかわる」と主張しました(中略)このように、 中国やロシアが展開している影響力工作のなかには、子供だましのようなレベルのものが多くあります。しかし、そんな程度であっても悲しいことに効果がある のです。

日本でも原発に不信をもつあまり、これらにのっかってしまった人々がいたのは残念でした。

しかし、その一方で、日本にはじつに多くの課題があります。「影響力」という観点で見ると、少なくとも周辺にある三つの国が日本に大きなリスクをもたらしている。 中国、 ロシア、 北朝鮮 です。  中国は、その能力と戦略的関係の観点からみて、最大の脅威です。  2番目はロシアです。西側諸国から見ると、ロシアは「核兵器を保有するガソリンスタンド」のようなものです。エネルギー資源を多く抱えており、核兵器の使用をちらつかせているので敵に回しにくい。(中略)中国は人口が急速に減少しており、経済をはじめ、さまざまな問題を抱えています。また、習近平をはじめとする中国共産党幹部らは、中国の国力は今がピークであるということを知っています。つまり「今すぐ強みを活かして問題解決に取り組まなければ、 20 年後には問題解決が不可能になっている」と認識しています。  したがって、中国が何か行動に移すのであれば、いまがまさに最後のチャンスなのです。(中略)先ほど指摘したように、中国は三つの戦域すべてで影響力工作を展開しているので、中国は日本との戦争に備えている、というのが私の結論です。戦争開始の時期を私の調査結果から逆算すると、2026年から2030年の間となります。  では、その戦争は具体的にどのようなものになるのか。台湾侵攻当日、日本に対して大規模なサイバー攻撃が行われる でしょう。その目的は、自衛隊への打撃、指揮統制拠点の制圧などです。影響力工作の観点でいえば、サイバー攻撃によって、メディアやソーシャルメディアをブロックすることで、日本政府による情報発信を妨害し、国民にパニックを起こさせ、SNSで間違った噂を広め、言論を支配しようとします。

ここは眉に唾をして読む。台湾問題、あまりよくわかっていなかったけれどそこまで差し迫っているんだろうか。 これは危機煽りすぎている気がしなくもないけれど、可能性がある以上備えざるを得ないんだろうか。

戦後 80 年経った今でも、 多くの日本人は1946年に公布された憲法を変えることなく、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部) による統治下の1950年当時のままで行けるという観念に 囚われています。  私は、日本が抱える課題は非常に大きいと感じます。私は日本語もできませんが、本書のような著作を出版したり、政策決定者と会談したりすることを通じて、日本に貢献したい。大それた考えかもしれませんが、本書を通じて日本や日本人の考え方を変えることができたら、と思っています。

これは余計なお世話すぎる・・・。

しかし、 世界中からの「認識」の面で、私たちイスラエルは負け続けている のです。ハマス側、イラン側が流す情報のほうが信憑性を持って受け止められ、イスラエル側の情報が真実性をもって受け止められていないのが現状です。  世界中の人々が「イスラエルは自衛しているのではなく、罪のないパレスチナの人々を殺している」とみなしています。「イスラエルは大量虐殺をおこなっている国だ」というイメージを持っている人さえいます。一方で、「先にテロを仕掛けたハマス側が悪い」「ハマス側は民間人を『人間の盾』として、無用な犠牲を増やしている」「イスラエルは命をかけて戦っている勇敢な国だ」という逆の見方をする人は決して多くありません。

ハマスも犯罪組織だけど、これまで過剰な抑圧をしてきて敵愾心を育ててきたイスラエルのユダヤ人の認知こわすぎる・・・。認知戦の最大は教育なのではないか、と思えてきた。

イノベーションは革新的な人々によって生み出されます。しかし、革新的な発想を持つ人々は組織に適応しにくいという特質があります。組織は革新的な人々をうまく使いこなせず、彼ら自身もフラストレーションを感じ、最終的には追い出されてしまうことがよくあります。そのような 革新的な人々を活かすためには、既存の組織との「つなぎ役」が必要 です。 私はそれを「コネクター」と呼んでいます。「コネクター」はシステム内部にいて、システムでの働き方を知っている人で、通常は将軍などの高い地位にいますが、心の中では物事を変えたいと思っています。コネクターは、革新的な人材にイノベーションをさせ、それをより大きなシステムにつなげて実現するのです。

これはそうだろう・・・。イノベーションは小組織で起きる、というのは軍でもそうなのかも。

中華人民共和国は建国当初から国内で影響力工作をおこなってきました。中国共産党は、旧ソ連時代からコミンテルン(共産主義インターナショナル) を通じて影響力工作を学び、それらを独自の様式に改変して取り入れてきましたが、現在の習近平体制の下で、主要な能力のひとつとなりました。  中国では影響力工作のことを「三戦(世論戦、心理戦、法律戦)」と呼んでいます。これに加えて経済戦、外交戦、サイバー戦などを組み合わせています。  中国の特徴は、 隠密 裏 にではなく公然と影響力工作をおこなうことです。まず、指導者や外交官などの政府関係者、あるいは国営メディアがディスインフォメーションを含む見解を公に発信。

空手の三戦(サンチン)ではなかった

日本に対するロシアの工作について、私たちはいくつかの調査を実施し、その証拠を集めました。また、ロシアを支持する日本のインフルエンサーや政治家をスカウトしていると見ています。  たとえば、 Xのフォロワー数が 40 万人以上を誇る野党の国会議員

だれだろ・・・

数年前、私たちはロシアによるアフリカでの政権転覆工作を調べたことがありました。その時点で 20 件の工作が進行中であることを確認しましたが、そのうち5件はすでに成功しています。 政権転覆の成功率が 25% というのは、驚異的なことです。  ロシアはターゲットとなる国を定めると、その政権に対する反対派を見つけ、彼らに武器を与えて訓練し、影響力工作を大規模におこない、5年から8年という歳月をかけて政権転覆を実現しています。  ロシアの情報機関のどこかには、 政権転覆の方法論を熟知した、経験豊富な部隊がいるはず です(個人的にはワグネル・グループではないかと考えています)。問題は、それがアフリカで起きているので、あまり注目されない、という点です。

律儀に文書を残していたソ連自体と違って、経緯が将来公開されることはないだろうなあ・・・。外部での調査記事やノンフィクションあれば知りたい。

影響力工作への対抗策は、以下のような手順でおこなわれます。 1 影響力工作への対抗を可能にする法整備 2 データ収集および分析 3 敵を潰す

台湾は常に中国と戦っているため、非常に良い仕事をしています。この分野で世界一と言っていいでしょう。他の政府の人々と話し合う際、私はまず「台湾に学びなさい」と伝えています。台湾は2020年の総統選挙の直前、中国による選挙介入や内政干渉を防ぐために、敵対する勢力や人物からの指示、資金援助による選挙活動・政治活動を禁じた「反浸透法」を公布しました。(中略)一方、シンガポールは、2021年 10 月に「外国干渉防止法」という先進的な法律を制定しました。シンガポール政府が自国を攻撃するキャンペーンを発見した場合、法律に基づいてSNSの運営元に連絡し、そのようなユーザーのアカウントをブロックするよう要求できます。こういった対抗措置をおこなうためには、インターネットやソーシャルメディアからデータを収集する、つまり 会話を監視する必要があります。

認知戦に限らず日本も外資SNSに罰金課してほしい。

シンガポール政府は、自分たちが国民を対象に監視をする必要性をよく理解しています。民主的な方法で国民を動員するために、政府は教育やコミュニケーションを通じて、国民に説明して選挙をおこない、多くの場合、政府は望む結果を得ているのです。このようなシンガポールのあり方が「不完全な民主主義制度」なのか「完全な民主主義制度」なのかという議論はここではしませんが、権威主義国家からの攻撃を 跳ね返す力があるという点は評価できます。  台湾やシンガポールのように、法整備をして専門機関などを立ち上げて、ようやく影響力工作と戦えるようになります。

これは全体主義国家の第一歩でもあるので賛成しにくい

スクレイピングは、特定の人物について検索をかけるのではなく、大量にデータを集めているだけなので、法律には触れません。ただ、ソーシャルメディアのエンドユーザー規約には違反しています。現在、何らかの分析を可能にする技術的なツールを提供している企業は、プラットフォームの規約に違反してスクレイピングしているか、スクレイピングしている企業からデータを買っているかのどちらかでしょう。「規約違反は不道徳だ」と言われかねないので、この問題は法的に解消されるべきです。影響力工作が存在する場合、十分なデータと分析能力があれば、その構成要素を特定できます。  工作活動(キャンペーン) の構成要素を知ることを、サイバーセキュリティの世界から用語を借用して、「TTP」と私は呼んでいます。これは「テクニック(techniques)、戦術(tactics)、手順(procedures)」 を指します。

かつて私が影響力工作と戦う上で、もっともよく使っていた手法が「テイクダウン(take down)」 でした。 これはフェイクユーザーを見つけたら、運営元に伝えて、そのユーザーのアカウントを削除してもらい、利用できなくするという手法です。フェイクユーザーやそれに連携した動きに対して非常に効果的に機能します。  たとえば、フェイスブックの運営元に「ユーザー規約に違反するグループを発見した。彼らはフェイクユーザーであり、連携した動きをしている」というレポートを提出して訴えると、運営元はチェックして、そのユーザーアカウントを閉鎖します。(中略)これが「シャドウバン(shadow ban、悪質なユーザーのアカウントの投稿をタイムラインなどに表示させないように設定すること)」と呼ばれるもの です。この状態では、そのユーザーは投稿できますし、他の人の投稿を閲覧できますが、ソーシャルメディアがそのユーザーの投稿を拡散しなくなり、フォロワーもその人の投稿を閲覧できなくなる場合があります。  これらの対抗策をおこなうには、グループが必要です。 シャドウバンするには、5000人が苦情を「報告」すれば十分 です。イスラエルでは1万人ほどのグループをつくり、反ユダヤ主義的な活動をしているユーザーなどに対して、グループ内のすべての人に「報告」するように頼んでいます。  この「報告」は、人間がおこなうことが重要 です。

こわすぎるよ・・・。

ユーザーは他人が自分の心を混乱させることを好まないので、インフルエンサーが報酬をもらって 偏った視点をプッシュしていることがわかると、その人物から去っていくのです。また人々の心を免疫化する効果もあり、 心が操作されていることに気付くと、インフルエンサーの効果は低下します。  この手法はAI時代以前に開発されましたが、AI革命によって発展しました。それを私は「 オートメーション・リプライ」と呼んでいます。まず、私たちはソーシャルメディア上のユーザーに、影響力工作への対抗策を行っているAIを紐づけし、この

Twitter(現X)のコミュニティノートをつけたり攻撃されるリスク承知で訂正して回る専門家の方々はこれを公共心からやっていただいているけれどほんと頭が下がる

いくつかの問題を抱えていることがわかります。「真実」は一つではなく、各人それぞれの「真実」があるからこそ分断され、多くの見解が出てくるわけです。分断があると、意思決定ができなくなります。したがって、 民主制度を信奉する社会であればあるほど行き詰まり、社会が機能しなくなり、民主制度は 破綻 する のです。(中略)私が皆さんに望んでいるのは、 誰が自分の心を操ろうとしているのか、自分の望まない解決策を押し付けようとしているのかを知ってもらうことです。  私は本書の中ですべてを解決するための方法や、民主制度が良いのか悪いのか、そしてどうすればそれを正すことができるのかという話をしたかったわけではありません。ただし自信を持って言えるのは、民主主義の制度は世界中で大きな課題に直面しているということです。  その問題の一つは、「感情」に原因 があります。 私たち人間が常に犯している最大の過ちは、感情で判断してしまうこと です。私たちは、事実に基づき、論理的に考えて、合理的な判断をしなければならないのです。

これはほんとそう思う。感情で判断しないためには、どういう訓練がいるんだろうか

豪雪鳥取旅行

衆院選のあった週末に鳥取にでかけていました。大雪の予報で、金曜日夕方に日曜日の特急スーパーはくとの運休が決まっていたため、軽率とのそしりは免れませんが、関西からだとスーパーはくとの他、城崎温泉経由の特急もあるし、 妻は月曜日代休で、自分もまあ休める日であるという予備日があることから、リスクとキャンセル料や怖いものみたさを天秤にかけて決行しました。

しかし、雪にまつわるかなりのトラブルに何度も遭遇し、天気予報のありがたさが身に染みたのでした・・・。

鳥取砂丘

朝一のスーパーはくと鳥取に向かい、まず初めての砂丘。見渡す限り、というのを想像していたので少しは肩透かし感もあったのですが、やっぱり広いし起伏もあってよい。湿っていたので風紋はありませんでしたが5歳児もたくさん歩きました。

鳥取砂丘:上の黒いつぶが人です

特にビジターセンターは触ることのできる展示も多くかなり楽しい。各地の砂を顕微鏡で眺めたり、触ったり、謎の砂ししおどしがあったり、巨大アリジゴクをみたり、さらには万博からヨルダンの砂を触ったりもできました。

ビジターセンター、触れる展示が多くて楽しい

そしてこんとあきの舞台でもあってセットが置かれている。こんの健気さに弱い。

ビジターセンターはほかも盛りだくさん

ほかおもしろかったのは、我々同様、場外スタンプを押しにきたお兄さんが、これでおれの万博は終わった、と呟いていたこと。ほかにもミャクミャクをつけた万博の残党たち*1とはそこかしこで遭遇しました。

浜村

そして今回泊まる浜村温泉まででかけます。 たまたま妻がネットでコスパよいところを見つけたのですが、あとで鳥取の中学校に通っていた妻母と話をしていると、妻の母の父の母がなんどか浜村の煙草屋旅館に行っていた、とも聞きました。

温泉街はなんかスナックがちらほらあってふしぎ。

浜村温泉

近所の公園ヤサホーパークもいい感じ。ヤサホーは貝殻音頭の掛け声らしいです。

高台にあるヤサホーパークからの眺め

おいしいご飯をたべて、部屋でゆっくり飲んで夜中の12時ではまだまだ雨しとしと降っているだけで積もることはないんじゃないかとも思っていました。投機的に特急きのさきを予約していましたが、城崎までの普通電車も動かないことが決まり、諦めて鳥取駅でもう一泊の予約をいれます。

そしてその後の様子がおもしろかったのでgifにしてみました

浜村駅2/8豪雪.gif

じつは浜村駅の近くにはホットエアーという中古車屋がやっているようなラーメン屋だけれどミシュランにも載ったという著名店があって、昼に行けるかと朝1人で下見にいったけれど、ちょうどスタッフの方がいて今日は休みにするとのことでした。また来たい。

浜村温泉街とホットエアー

朝一のバスや9時台のバスは5分遅れで動いていたので、乗る予定の10時半のバスもあるかと思いバス停のある駅まで雪をかきわけて進んだのですが、それ以降は運休となり、同じ旅館の人たちと駅の待合室でいっしょになって不安に包まれる。この方たちも関西からきていて、いろいろお話したり、子の相手をしてくれました。感謝(またのちほど鳥取駅でも会いました)。駅にはJRの作業員さんも5人ほど来ていて話してみたけれど予定より遅れていますね、と不穏。

ケータイからはタクシー会社も電話に出ず、Goはエリア外でUberも手配できずだったけれど、宿のハイエースを出してもらえないかと交渉のため先行して宿に戻った妻が、ホテルのひとにタクシー会社に電話してもらうとつながって、いつとはわからないけど手配しますとのこと。 (宿のハイエースコミューターは14人乗りで運転できるひとが今日いなかった) 部屋も清掃がまだだったので戻ってよいとのことでお言葉に甘え、ジャケットと手袋を少しでも乾かす。

窓の外は雪がふり続いており、本当にタクシーが来るのか心配でしたが、意外と早く30分ほどでタクシーがきます。窓からすぐ見える駅に来ていたのですが、ホテルまでの道が怪しく駅で待っているとのことで、そこまでは歩き。同じ宿にきていた岡山から車で来ていたという方々や赤ちゃん連れの方々は大丈夫だっただろうか?

タクシーの運転手さんは今日総選挙の日に投票時間が終わった後、立会人と投票箱を開票所まで運ぶという重要な仕事も受けているそうで、まだまだ忙しそう。Uber での見積りは8,000円程度となっていたので雪道だし1万円超えを覚悟していたけれど鳥取駅まで7,000 円ほど、チェーンをつけて速度を出せない運転の割には安かった気がしました。

こういう時にライドシェアで稼ぎ時に車を出せる人がいると、タクシーの供給量がスケールできていいのかもしれない。

鳥取

鳥取駅では丸由百貨店という、もと大丸だった百貨店をうろつく。昼なのにお惣菜がすでに3割引き・4割引きでスタッフがこれないのか休んでいるテナントもちらほら。 5階にある遊び場プレイルームでおもちゃで遊ばせながら、おいてあった「たくさんのふしぎ」をいくつか読む。「土のうの道」、「広場に集まる」かなり面白い。購読したい。そうしていると館内放送がかかり、急遽14時で閉館するそうだということで追い出される。すべりこみでドーナツを買って閉鎖された観光案内所をステーションバーとして飲む。

鳥取駅の様子

宿のむかえが来て、駅徒歩10分のこぜにやさん。ここはコロナ禍前に妻が母や祖母と以前来てかなり好評だったというところ、ふつうに予約するとかなり高かったのが直前割で安かったのです。

鳥取温泉・観水庭 こぜにや オフィシャルサイト

お姉さんも大変感じがよく、しつらえもすてき。供は浴衣を選ばせてもらったんだけど、嬉しかったようで後日保育園でもしゃべったそうだ。部屋は古いながらも落ち着く。久々に3人で夜ご飯も大変良かった。2月だけれど今年はもう贅沢納め、と言い聞かせます。

翌日、予約していた8:52の特急スーパーはくとに乗るために急いでチェックアウトし、送ってもらう。1号は運休になったということで8:52が最初の電車。予定通りにきたスーパーはくとで席について、車窓から雪の久松山をみてこれでたいへんだった鳥取から帰れる、と感慨にふけっていたけれど、なかなか出ない。上郡で車両故障があって対応中を放送がある。

2/15現在でも調査中とのこと・・・

https://www.chizukyu.co.jp/user/filer_public/58/52/5852e9aa-cea7-4525-8e73-0f8617a6ebdd/zi-liao-ti-gong-20250209che-liang-gu-zhang-4matomeding-zheng.pdf

まわりの外国人旅行者は不安げに翻訳アプリをスピーカーに向けている。2人掛けの席で子と3人でいるので狭い。 2時間遅れて特急券が返金になるかなと思ったけれど、2時間ほど車内で待ったところ改まった放送がかかり、対応のため午前いっぱいの運休が決まる。

すぐに出発しなかった時点で投機的に14:12発の10号を予約していたのは正解だった。それまでさらに時間をつぶす。 e5489、いろいろ不満はあるサービスだけどオンラインで予約できて変更・返金に窓口に並ばなくてよいというのは便利。

3時間ほど時間ができたのでいただきでおいしい味噌ラーメンを食べて、さらに、このできた時間はお墓参りせよとのことだ、と思いついて妻の祖父の眠るお墓にとタクシーに乗る。裏道は途中まで除雪されていたけれど、もうちょっとというところで除雪が途絶え、ここでよいですよ、と言ったものの2mほど強行しスタック・・・。あとで運転手さんに聞くと思ったより車高が低かったとのこと、、

荷物をのせたまま、遥拝できればいいかと境内に入りお参りする。お堂まではきれいに除雪されていたけれど、お墓の方には腰くらいまで雪が積もったままなので予定通りに遥拝。5分ほどで戻ると運転手さんがスコップでがんばっている。なかなか出せず近所の方にも手伝ってもらい、みんなでタイヤ裏の雪をとったり押したり10分ほど格闘してたんとかバックで抜け出しました。焦りました。タクシー代は往復2,000円ほど。妻の母が幼いときこのへんにいたんですよ、というと1952年の鳥取大火の話などをしてくれた。あとで妻の母に話すと、竹藪越しに空が真っ赤になったのを覚えているし、無事だったその住まいとその近所には、焼け出された人たちが間借りにしにきて、ある地域の名士のおめかけさんも来たということを教えてくれたけど、あとで調べるとその名士の娘さんが自分も読んだことのある高名な作家で驚きました。

スタックしたタクシーと寺

そんなこんなでまた鳥取駅に戻って、vie de franceでパンを食べる。ここのコーヒーをかなりおいしく感じてしまった。改めてお土産にとうふちくわも買って定刻通りのスーパーはくとにのる。車両指定の立席特急券も満席とのこと。

途中、田んぼにはまった車や雪原を眺める。岡山も西粟倉はまだ雪が深かったものの上郡までいくと雪はほぼなく雪が幻だったよう。

新快速のたどり着く地、網干の開放的な駅を眺め、明石海峡大橋をみて三ノ宮で新快速に乗り換えて帰ってきました。

なかなかヒリヒリする旅行でした・・・。5歳児は電車のトラブルをわかったのかわからなかったのか、雪で遊んだりしゃべり続けていてまあ楽しそうだったのでよかった。

1月に小豆島・高松・徳島とまわってこんなおもしろい旅行はしばらくできないだろう、と思っていたけれど1か月たたずにおもしろ旅行ができるとは思っていませんでした。次はどうなるでしょう。 dai.hateblo.jp

*1:我々も含まれています

ちょっと物足りないけれど自治体の闇が垣間見える 「過疎ビジネス(横山勲)」

2025年7月集英社新書の「過疎ビジネス」を読みました。著者は東北ローカル氏の河北新報の横山勲さん。

ぬまがさワタリさんのブログで知りました numagasablog.com

ひとことで書くと福島県の小さい自治体でコンサルと企業が企業版ふるさと納税を悪用して儲けていた・・・、という話をローカル紙が暴いた話。 DMMグループの救急車9台を買って、これを近隣自治体に自治体がリースするという謎の事業だったんだけれど、ひとつわからないのは町長側がこれをすすめたがったモチベーション。これがいまいち謎で事件の全貌についてはまだ釈然としなさがある(キックバックでももらっていないと釣り合わない気もするけれど、これは邪推)。

こうした事業に対して議会も住民の監視もあまり動いていないのは残念だけれど小さい自治体だと仕方ないのかなあ。 また、地方創生するぞ、ということでお金や企業版ふるさと納税を整備したものの、市場が成熟し、隙間の少ない現代社会では難しく、逆に、補助金目当ての事業者がきれいなプロポーザルを書く技術を磨くことが競争力になってしまっている倒錯も感じる。

自治体の動き方が垣間見えるのは面白いけれど予算消化インセンティブが微妙であることが根本にありそうな気がする。あと、間違いを認めにくい無謬主義は、訴訟対策だったり、失敗者を過剰に叩くメディア対策でもあるのかもしれないけれど改善につながりにくく難しい。どうするのがよいんだろう。

ただ、広いタイトルのわりに、ワンテーブルがらみの案件群のみしか取り上げられていないことには物足りなさは感じました。 各自治体の案件をどの企業がいつどれくらいとっているか、分野ごとにわかるデータないのかなあ(ほとんどが建設や福祉関係になるだろうからそこから異常値を発見するのは難しそうだけど、公募型プロポーザルに限るとなにかみえるかも?)

あと新聞記者話法もすこし鼻につく。たとえば

そんなのは間違っていると思うのは、私だけだろうか。

とか。

SNSやブログは盛んになって、告発とかもたまにあるけれど、やっぱり社会の木鐸であるオールドメディアの役割はすごい。そして、これからのビジネスモデルが心配ではある・・・。

自治体というのは独特で、入札案件になると一円でも負けたら負けなんですよ。そんなやつと友達にはなりたくないし、仕事はやりたくない。だから君たちは民間に見捨てられて、誰も構ってくれない田舎の自治体なんだと、そういうふうに教育していくわけです。一年か二年か。そうすると、二年くらいリードタイムがあって、仕込みが。そして三年かけて予算化させて、予算化の時に『島田先生』は、『ワンテーブルの島田』になる。入札案件というよりは、プロポーザル案件にさせる。ノリノリなところは随意契約でやるんですが、金額が大きくなるといろんな問題が出てくるから、逆に僕のほうから『やばいからプロポーザルにしよう』って言って。仕様書っていろいろありますけど、町の地方創生交付金の申請書は僕が作っているんです。あれが作れないんですよ、自治体職員は。(中略)
無視されるちっちゃい自治体がいいんですよ。誰も気にしない自治体。誰も手をつけないやつ。でももうかるっていう。過疎債ってあるんですよ。いわゆる(補助率が) 七割引きなんですよ。今回国見町は、都市地域から栄えある過疎地域に指定されたんですよ。ナイス! って俺ら言って。過疎債ばんばん発行できる。インフラ取れるから。ランニングでもうかるわけですよ

悪役すぎる・・・

読書メモ「雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら (東畑 開人) 」

評判だった本を読んでみた。考えてみれば当たり前なんだけど、こころのケアを必要とする人であっても、専門家に頼ることができる時間はきわめて限られていて、家庭でも職場でも、自分のような素人がなんとか一緒にやっていかないといけない。その手引きとして、さまざまな理論と実践を紹介してくれている。

こころのケアに関する理論というのがどれくらい科学的なものかはわからないけれど、こういう切り口でみると現象を説明できる、というようなものなんだろう、と受け止めました。 たとえば、これまで、怒っている人と接すると、自然とこちらも引っ張られて嫌味をいったり挑発してしまいがちだったのだけど、これを、「転移」という理路で説明し、そういうものだということと、PSポジション(paranoid-schizoidの略で、日本語にすると「妄想─分裂」)で人の感情が極端になることがある、ということを知って、ちょっと冷静に受け止めることができるような気がしてきています。

「雨の日」が、精神科医にかかるべき状態なのかどうかの判断はできないままでよいのか、とは気になった。ただ、晴らす方法を書いた本ではなく、身近な人が雨の日に入ってしまいうる現代社会で、それに向き合い続けるための心構えとして有意義なようには思えます。

いくつかメモ

ケアとは何か。一言でズバリ答えましょう。   ケアとは傷つけないことである。 (中略) ケアとはニーズを満たすことである。(中略) ニーズを満たすとはそういうことだと思います。相手が必要としていること、相手の負担になっていることを肩代わりする。  肩代わり。これを次のように言い換えることができます。   ケアとは依存を引き受けることである。

はい。

セラピーとは傷つきと向き合うことである。(中略) ケアがニーズを満たすことだとすると、セラピーではニーズを保留にすることで、変化を狙っています。   セラピーとはニーズを変更することである。(中略) ケアなしでのセラピーは暴力になる  仮病を使う時点で、こころの具合が悪いんですよ。  学校が楽しくて、健やかな気分で過ごしていたら、仮病なんか使わないじゃないですか。うつっぽくなっていて、元気が出ないから、仮病を使うわけです。

ここの加減はむずかしい。

ひきこもるって、一見おとなしく見えるし、あまり破壊的じゃないように思われるかもしれないのだけど、実は非常に攻撃的です。というのも、周りとのつながりを遮断しているからです。(中略) ケアが難しくなるのはこういうときです。なんとかつながろうとしているのに、相手はひきこもってしまっている。関係性がどんどん遮断されていき、こちらのケアしようとする気持ちも冷たく死んでいく。  孤独に触れると、こちらも孤独になります。孤独は連鎖する。そういうとき、ケアは危機に 瀕するし、ケアする人をケアすることが必要になる。  だけどね、タナトスとの出会いは不可避だと思うんです。  孤独になっている人とつながりを作っていくのが雨の日のケアだからです。

しかし遮断していくひとをケアしつづけていくのはむずかしい・・・。これについて本書では、聞く技術として触れられている。徒労感が積もってきて難しいんだけど・・・

「気まずい」と感じていること自体がコミュニケーションです。話しにくいことがある、言葉になりにくいことがある、という不安を伝えているわけです。だから、その不安をぐっと我慢する。何がそんなに不安なんだろうって考えておく。その間に、こころが少しずつ消化されて、言葉になっていく。  沈黙は金。でも、そんなに難しくないから、安い金です。ただしゃべらなきゃいいだけ。それだけで相手の話を、今よりもずっと聞けるようになりますよ。  でも、五分くらい沈黙が続いたら、ちゃんとしゃべりましょうね(笑)。  それはそれでケアです。相手としてはしゃべってもらった方が気が楽なときもありますから。「気まずい沈黙だったね」とか言ってみたりしてもいいかもね。ケース・バイ・ケースなんですよ。雰囲気を見て考えましょう。

はい。

転移とは話をきいてもらっているうちに、相手との人間関係にもともとあった困りごとが再現されてしまう現象のことです。  たとえば、誰かに恋愛相談をしているうちに、その人のことを好きになってしまう。  あるいは、「上司からひどいことされている」と相談をしているうちに、目の前の相談相手からもひどいことをされているような気持ちになる。  僕らの人間関係というものが、過去の繰り返しであるということです。(中略) ちなみに、これの逆バージョンが逆転移です。  患者が治療者に対して抱く感情を転移だとすると、逆転移というのは治療者の側に起きてくる感情の変化です。つまり、ケアする側がいろいろな気持ちになってしまうのが逆転移。  たとえば、冷たいお父さんの話を後輩がしている。そういう話をきいてるうちに、「こいつ勝手なことを言うなぁ」とか「子どもっぽいよなぁ」と、友達に対して冷たい気持ちになってくることがある。あなた自身が冷たいお父さんのようになってしまうわけです。

これはかなりある・・・。

聞く技術と聴く技術の高難易度テク、参考になります。

最後に、聞く技術の中では一番難しいやつを紹介しようと思います。  スルーしたい話ほど勇気を出す。これです。  どういうことかというと、会話してて、「ん?」って思うような一言が挟まることってあるじゃないですか? 話の本筋には影響ないから、そのまま流れていっちゃうんだけど、でも違和感のある言葉がぼそっとつぶやかれることがある。

これはある程度できそうかなあ。

最後に、聴く技術の一番難しいやつを紹介しましょう。  自分たちの関係性について話してみよう。これは最高難易度のプロの技です。  たとえばですよ、恋愛相談を受けているうちに徐々に相手が自分に対して恋愛的な好意を向けていることを感じるようになったら尋ねてみる。 「私のことを好きになってて、困っていない?」  破壊力あるでしょ? 関係が一気に緊迫します。(中略) あるいは、母親の介護をしていて、相手がイライラし始めているのがわかったときに、「俺に怒ってるんだと思うけど、どんなこと考えてるの?」と尋ねてみる。これも緊迫しますね。  なんでもいいんです。好きでも嫌いでも、尊敬でも軽蔑でも、目の前の関係性に宿っている気持ちについて話してみる。

これは勇気がいるけれど使えそう。

あと、語りがうますぎる。 笑ったのは、著者が心理学を学んでいることに対して、

「こころ読めるの?」って聞かれたら、「読めるよ、当たり前じゃん」が正解です。  すると、相手は「じゃあ俺が今考えてること読んでみてよ」みたいな感じでニヤニヤしながら言ってくる。  そこで「今俺がこころ読めないと思って、若干馬鹿にしてるよね」って言ってあげると、「ほんまやん! 心理学やばいわ!」となって、飲み会が盛り上がってくるわけ。

と書いていること。さすがすぎるけど、これツッコミ側もいい。

万博サテライト巡り(小豆島→高松→バンドー→徳島→和歌山)

この1月になかなかおもしろい旅行ができました。 万博にドはまりした妻が和歌山と徳島にサテライト会場のスタンプ*1を押しにいくのに5歳児と一緒についていくことになったのがはじまり。和歌山から徳島へはフェリーが出ているけれど、また同じ道を戻るのは味気ないよなあ、と地図を眺めていると、なんか一周できそうだと思いつき、さらに妻がフェリー時刻表を調べて反時計回りでいったほうがおもしろそうと旅程を組んでいきました。

こんなルート(国土地理院地図に加筆)

深夜のフェリーで小豆島へ

まず神戸港を深夜1時に出るフェリーに乗ります。子がいるので夜の10時ぐらいに着いて、待合所で寝かせながら待ちます。 1990年就航のりつりん2、なんか赤めの絨毯とシャンデリア状の照明や金色の手すりなど、バブル的ゴージャスさを感じますが、最大の特徴はうどんを食べられること。立ち食いですが、子も眠い目をこすりながら食べました。早速うまい。 船内いたるところにうどん食禁止マークがあっておもしろかった(子を抱っこしていたので写真を撮り損ねました)。

なんとか眠りについて、高松で乗降があってから引き返して朝7時に小豆島。すぐ出発するので急いで降りる必要があります。

船からの朝焼け

小豆島の坂手港のさかてらすは2025年4月にオープンしたそうでたいそうきれい。朝焼けけもみえるし、ヤノベケンジさんの躍動する「シップス・キャット」もみれます。キッズルームの絵本は海関連のものばかり、ブリッタ・テッケントラップさんの「なみのむこうに」がよかった。

躍動するシップス・キャット

ジャンボフェリー旅行メモ

  • 神戸三宮フェリーターミナルはポートターミナル駅からはまあまあ離れています。三宮からバスか連絡バスを使うのがおすすめ
  • 子がいたのでタクシーを使いました。運転手さんからは高松行き?と聞かれてすぐわかってくれた。1000円程度
  • 待合室はかなりきれい。ポートタワーもみえます
  • フェリー、プレミアムのびのびという+500円のシートを使いましたがほぼ埋まっている。自由席向けには行列もできていています。旅行するなら早めに予約したほうがよさそうです
  • 常に夜に運航しているフェリーとちがって睡眠環境は悪いです。ブランケットもないし、明るいし、広いから音も多い
  • 旅慣れた方々は毛布やファミリー向けの寝袋を用意していました
  • うどんは2:30まで、あと高松についてからまた再開していました
  • 印象では7割ぐらいの人は高松でおりていきます。今回はそこからそのまま引き返して小豆島の坂手港に7時すぎに着きました

小豆島

港の近くには休日のみ、朝7時半からやっているiineカフェがあって、ここで朝食。なんかスパイシーなカレーがけっこう本格的でおいしかったし、子はピザとちゃぼだんごを食べた。 https://www.instagram.com/iine_cafe/

あと、ここで飲んだまめまめビールの黄緑がかなりよかった。今回はレンタカーではなくバス移動なので夫婦で飲酒できます。こんど小豆島にきたら坂手港からほど近い醸造所にも行きたい。

デジタル大臣とゲームセンター
ここでスタッフの方といろいろお話しでき、旅程を話して高松では一鶴だよね、と妻と意気投合し、徳島の金時豆入りのお好み焼きも教えてもらったりしました。知見を感じる。

妖怪バス

世界で一番狭い海峡や迷路の町とあるように路地が多くてたのしい。妖怪美術館なんかもありました。

路地が楽しい街

途中、かなりいい感じのジェラート屋さんがあって休憩。 リコッタチーズのジェラートが美味しかったし、あとできた常連さんがリコッタチーズを大量に持ち帰っていて当たりっぽかった。 東京とかだと値段倍とかでもありそう。サンカンシオン、おすすめです。

Instagram

エンジェルロードはもう干潮から終わるところで渡れなかったけれど、浜辺でいろいろ貝も拾えてたのしい。海最高。

エンジェルロード、突然観光客が増えて驚きました

近くの、ひしおラーメンも美味しい。

テラス席もあって夏は気持ちよさそう

さらにバスで移動し、おおみねのうどん屋へ。 日も高くなってあたたかく、ぶっかけ冷がおいしい。地元の人がお雑煮で食べるという、あんもちをトッピングできて嬉しい。

ぶっかけ冷 あまりうまく撮れなかった・・・

さらに近くの木場製麺所さんでは、そうめんを乾燥させているところも見学させてもらえて感激。 たいへん感じの良いご夫妻がやっていました。そうめんはその場で注文。まだ、ふしめんしか食べていないけれど美味しい。

そうめんを乾燥させているところ

交通手段と時間が限られていたけれど、小豆島はほんとよい。シーズンオフだったからかの気軽さもいい。またレンタカーで島を巡るか、2泊くらいしたい島。

港のお土産売り場で子がドイツあんで、と言ってみつけた。たしかにドイツ館・・・

高松へのフェリーは1時間ほどのんびり。 ヤドンラッピングと、からかい上手の髙木さんラッピング。かなり髙木さんだったのでファンの方は嬉しいかもしれない。

小豆島旅行メモ

  • バスはまあまあ限られています
  • そして1月とオフシーズンだったけれど、土庄港内のレンタカー屋さんは車が出払っていました。旅行される方は早めに確保するかフェリーに車を積むかしたほうがよいかも
  • サイトの時刻表はわかりやすくて便利 https://www.shodoshima-olive-bus.com/dia/ ICカードも使えます(後述するJR四国や徳島のバスは使えない・・・)
  • 特に、坂手港から土庄港行きではエンジェルロードに近い国際ホテルに行かない止まらないバスがあるのでご注意を
  • ただ、その場合のエンジェルロード最寄りの土庄本町は、世界で一番狭い海峡や迷路の町もみることができて楽しかった。元気があるならうろうろしたするとよさそう
  • いろいろいい感じのカフェがある https://www.town.tonosho.kagawa.jp/kanko/gourmet/1752.html

高松

高松港へ向かうフェリーからは高いビルや観覧車もみえて都会感がある。そしておもしろフェリーがいくつかある。

なおしま

んおめ

ついて早速、妻はいつか高松拠点で島めぐりをしたいとのことであった。 官用船のみ便がある大島青松園も行ってみたい。

琴電で一駅の旅館にいく途中、高松築港駅のホームがお堀すぐそばにあること驚いた。

琴電からお堀を見る
そして、片原町商店街も広くていい感じのお店が多くてうれしい。古めかしくも立派な旅館だった。

電車もカラフル

旅館の夕食でおなかいっぱいになり、前夜のフェリーのつかれもあってすぐ寝てしまった。

翌日はアーケードや三越を通りつつ、11時に骨付鳥一鶴へ向かう。

アーケードも立派だし横にのぞく路地も魅力的

プッチーニの小路、とあるが像にはプッチーニの紹介しかなく、この小道がなんでプッチーニなのかは謎

骨付鳥なら一鶴一択とのことで、妻もかつて来たことがあるそう。 11時開店の5分前にはもう20人近く行列ができていたけれど、なんとか一巡目で入ることができた。おいしい。

親鳥。いい味してる
地元の料理、しょうゆ豆も甘すぎずによかった。ここで苦渋の決断としてとりめしを頼まずにおき、高松駅近くのセルフサービスのうどん、めりけんやで食べた。美味しい。昨日の暖かさとは大違いで寒い。

めりけんやの釜玉

今回は夕食付プランが安かったから選んだし、味もよかったけれど(すきうどんもついていたし)、玉置標本さんの記事にあったようにうどん夕食をさがしてもよかったかも

香川県でさぬきうどんを食べ歩く2泊3日14杯の旅 (1/3) :: デイリーポータルZ

高松駅から特急うずしおに乗って池谷駅(いけのたに)に向かう。

なぜ高松から徳島へのうずしおがあんぱんまん号なのかはわからない

高松旅行メモ

  • 都会なのでだいたい大丈夫
  • 特に徳島方面へはICカードが使えないので注意
  • 日曜休みのお店が多いかもしれない
  • 一鶴でランチをやっているのは土日祝のみとのこと

バンドー(鳴門市大麻町)

徳島市への間でぜひ寄りたかったのは協同組合の始祖、賀川豊彦の記念館。救貧活動や平和運動、教育にもかかわったキリスト者でまあ偉人なのですが、ノーベル文学賞・平和賞の候補にもなったり、ワシントン大聖堂に像があったりとエピソードがすごすぎるわりに知名度が低く、実態をみたいという思い。 ついでにそのすぐ近くにある鳴門市ドイツ館へも訪問する。

ただ、徳島はほぼICカード使えないことに気づかずにうっかり高松駅からICカードで載ってしまったことで(特急はe5489で電子チケットを買っていたし、駅のICカード乗り場で警告がなかった気がした・・・)、さっそく焦る。 ただ、車掌さんに現金精算し、乗車記録をだしてもらうことでいったん事なきを得ました。ICカードをリセットするのは和歌山まで待つ必要があったけれど・・・。

さて、高松駅からはうずしおの止まる駅のなかでは最寄りの池谷駅(いけのたにえき)からバスに乗る。 池谷駅は特急も止まるし高徳線鳴門線の乗換駅でまあまあ賑わっているかと思いきや、1日の乗降客数は100人台でまあまあ厳しい*2。子は初めてボットン便所を使ったけど、うまく使えてよかった。

珍しい3股歩道橋

1日に5本程度のバスは細い道を抜けて進んでいく。途中、霊山寺というお寺がみえて、看板でお遍路四国88箇所の第1番であることを知る。意外と近い。 賀川豊彦は肉筆や講義を書いた紙なども見ることができてよかった。撮影禁止なのなかのことが外に伝わらなくてもったいない気もする。 大宅壮一が影響を受けて米騒動に加担して中学を退学していたり、神戸のスラムでの運動にも参加するほど親交があったのは知らなかったし、日本農民組合の立ち上げ中心にいたり(その後、急進的な運動が組織内に入って分裂したり・・・)とか農業学校を作ったりとかもしていたのはすごい。

賀川豊彦記念館

すぐ隣には、立派なドイツ館と道の駅がある。

鳴門市ドイツ館
鳴戸では第一次大戦で数百人のドイツ人の捕虜が生活して楽器をてづくりしてコンサートをしたりといったことがあり、50人ほどが帰国せずにバンドーとして愛着を持たれていたようであった。

収容所での生活の様子をうかがえたのはおもしろかったけれど、明るい面ばかりなのは気になった。でも遠足にいったりもしていたそうだし、自分から残っていた人たちもいるしで牧歌的な時代だったのかもしれない。イギリスが日本軍を収容していたアーロン収容所とは大違いだ。

dai.hateblo.jp

謎の小芝居オブジェとか巨大なビアカップとかがあって良かった。コンサートのパンフレットも気合いが入っているし、帰国する船にも印刷機を持ち込んで新聞を印刷していたとかが国民性を感じて笑えた。 気になったのは、本国に帰ることができるとなったあとも残った50人ほどがどうなったのか。調べると別の収容所からはアウグスト・ローマイヤーやカール・ユーハイムといった起業家がでたようだけど、ふつうの人々は太平洋戦争に入っていく異国で幸せに暮らせただろうか。あとは、建物に『第九が日本で初めて演奏された地』とサブタイトルがついているけれど、いろんなコンサートをやってほかに日本が初演のものもあっただろうになぜ第九がフィーチャーされているんだろか。まあ人気か・・・。このとき、地元の人も参加できていたのかどうか、参加できていたとしたらどんな反応だったのかも気になった。 ここも写真撮影禁止でもったいない気がする。

そんでさらにみんな元気だったので、限られたバスに乗らずに霊山寺まで10分歩く。 夕暮れということも相まってかなり雰囲気のあるお寺でよかった。

急に薄暗くなってきた

いい

そして12分ほど坂東駅まで歩く。

GoogleMapに案内される道がよくて嬉しい(妻には白い目で見られた)

坂東駅はなかなかしぶい。トイレがあるけれど、なんか家庭ごみの持ち込み?が続いたからと大便器は閉鎖されていて厳しい。待合室も扉がなく寒い・・・。

夕暮れの坂東駅

次の電車まで40分ということに音を上げてすぐ近くの坂東タクシーさんのチャイムを鳴らして池谷駅へ。鉄路と違って地元のタクシー会社は元気なので、賀川豊彦記念館や霊山寺に行く時も気軽に呼んだらよいと思った。 感じの良いローカルタクシーでした。

そんなこんなで再び池谷駅

夕暮れの池谷駅

鳴門市(大麻町・坂東)旅行メモ

  • 電車とバスは楽しいけれど、タクシーを使ったほうがよいと思う・・・。坂東駅から池谷駅は1,000円程度でした
  • 鳴門市、大塚国際美術館にも行きたかったけれど遠い・・。ほか行きたいところに行くには車が必要

徳島

池谷駅からは普通列車徳島駅へ。徳島駅でも電車内での現金払い。寒さと暗さであまり記憶がない。 駅では当初の目的のスタンプを押すと、先客が3名いてまだ万博は終わっていなかったのか、と思ってしまった。不適切なたとえだけれど、戦場の熱狂を忘れられない兵士が次の戦場を求めてしまう、みたいなことを連想した(もっとよい例えないだろうか)。

ネットで評判のよいお店はとてもはいれないなかで駅近の「酒と飯のひら井」さんを店構えで選んだのはかなりよい判断であった。 地酒も、ゆず塩ぶりや、釜揚げ半田そうめんもおいしい。1人や夫婦なら高くて美味しいお店はあるかもだけど、子連れで入りやすい居酒屋でした。

ちなみに、徳島のお好み焼きは金時豆が入っているというのを聞いて行きたかったけれど、日曜休みの個人経営っぽいお店が多そうでした(子連れ旅行ではお好み焼きも入りやすくて好き)。

ホテル、安かったのにかなりいい部屋だった。自分と子は疲れもあってお風呂に入って寝てしまったけれど、妻は24時に徳島ラーメン東大の本店に行っていて元気すぎる。お酒にはあまり合わないラーメンだったらしい。

兵庫ローカル放送局のサンテレビで朝から美味しんぼをやっていて子が見入っている。この前はじゃりン子チエだったらしいし、どうなってるんだろう。 美味しんぼはトップクラスに暴力的な回だったが・・・

スパイスの秘密

朝は商店街を歩いていく。徳島、川に囲まれていて水の町。吉野川の三角州で中州はひょうたん島と呼ばれているらしい。 かなり冷えていて、京都でも最近は見ないほど池が凍っていて子は氷を割って遊んでいた。 祝日の朝でお店はしまっていたけれど、アーケードは広々している。

クリスマスからそのまま正月に転用したと思しきイルミネーション

いかりや珈琲店に行きたかったが時間の都合であきらめて徳島フェリーターミナルへ。 謎の萌えキャラがいたり食堂は閉鎖されていて、今回の旅行で一番さみしい港だった(これは和歌山フェリーターミナルで塗り替えられます)。

好きっぷという、ふつうのフェリーチケット2500円のところ、同じ料金で和歌山港駅から南海のどこの駅までも乗れるというチケットを買う。料金設定あってるんだろうか・・・。

徳島旅行メモ

  • 都市なので困ることはあまりない
  • バスの数は多いけれどICカード使えないので要注意
  • QRコードでバス料金を払うアプリがあるっぽい
  • 繁華街もまあまあ広がっていて徳島駅からはバスを使うのが便利かも

和歌山

フェリーかつらぎで和歌山への2時間。まあまあ渋い船内。ビールの自販機もあって便利。淡路島がみえたり楽しいです。

寒いので外にいるのは飲酒している妻だけだった。奥の階段は展望デッキへ行けるとのことだったが閉鎖されていた

ご当地キャラの高野きららさんは2011年にできたらしい*3。なんかゼロ年代かと思ってしまったけれどそんなものか。

高野きららさんとクレーンゲーム

フェリーの本棚が古くて渋い。

好きっぷを活用するために、和歌山港駅からは電車に乗らずに、バスでJR和歌山駅までいきます。

みその商店街はかなりいい。抜けて和歌山ラーメンの井出商店まで歩く。

豚骨美味しい。 さらにここは寿司が有名らしく、早すしという鯖寿司と巻きずしを食べる。持ち帰りで巻きずしを頼んだつもりが帰り道あけると早すしだった。。。

早すしと巻すし
巻きずし素朴でたいへんよかった。古く狭いお店ながら子連れも多く居心地よかった。

そしてタクシーでわかやま歴史館に行く。GOですぐタクシーを呼ぶことができて都会でした。

手裏剣を無料で投げさせてくれます。 和歌山、そんな忍者文化あったっけ、城だから?

子が投げた手裏剣を回収する忍者

スタンプも押せました。 ナショナルの初代製品や、川端龍子のカラフルすごろく、南方熊楠マインドマップ的メモ(複製)をみることができてうれしい。

和歌山市駅の近くは開放感があった
そんで特急サザンに乗って帰る。海が見えて嬉しい。

和歌山旅行メモ

まとめ

そんなこんなで行ったことのない県庁所在地3か所を通って楽しい旅行でした。 うどん、そうめん、ラーメンと麺ばかり食べた気がする。 それぞれじっくり過ごしたい街でした。次は鳥取です。年始からとばしています。

*1:京都、滋賀、奈良、兵庫、和歌山にくわえて、三重、徳島、福井にスタンプが設置されています

*2:https://opendata-web.site/station/36/map/?s=2644&lat=34.152925&lon=134.528685

*3:https://www.kaijipress.com/news/old/2011/06/137187/

「BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?」読んだ

高速鉄道や巨大建築物といった大きなプロジェクトのなかでは、成功するものもあれば失敗するものもある。 それはなぜか、という問いに経済地理学者で、オックスフォード大学とかコペンハーゲンIT大学で教えているプロジェクトマネジメントの研究者が答えた本*1

データから巨大プロジェクトの失敗率を調べて、事例で失敗と成功の差を描いていて読んでいておもしろい。地下鉄や巨大建築物のノウハウが仕事にすぐ参考になるとはあまり期待はしていなかったけれど、意外と役立ちそう。

ノウハウとして、ピクサーの映画撮影では、脚本をつくってから簡単な絵コンテで通してつくってスタッフで声もあてて内部で通してみてからシナリオを修正する、というループをたくさんまわすことで、実制作の手戻りを避けているとか、ビルバオグッゲンハイム美術館をつくったフランク・ゲーリーは設計を3D CADでつくって試行錯誤・検証してから建築を開始することで施工中のトラブルをなくしている(そうしないことで失敗したのはシドニー・オペラハウス)といった、しっかり計画する、そして素早く実行するということの重要さが映画でも建築でも同じような手法をとっていることに感心した。

そして、プロジェクトの失敗率の高さと、失敗時の損失の大きさ(ファット・テールと表現していた)はやっぱり大きい。システム開発プロジェクトを見慣れていると、よくあるよね、と思っていてもやっぱりたいへん。国家プロジェクトでは見積もりを小さく見せたい政府の意向で失敗率もさらに増えてしまうという問題もある。

本書 p271 より引用

中でもITプロジェクトのリスクの高さは、ほかのプロジェクトと比べることで改めて驚かされる。巨大な建築物や航空宇宙プロジェクトにも匹敵しているのは衝撃的だ。

このITプロジェクトについてはあまり深堀りされていないけれど、スタートアップについてはエリック・リースの「リーン・スタートアップ」をひいて計画の重要さにふれている。最終成果物がみえないなかで、実験し学習しながら探索的にプロダクトをつくっていくというのも広義の計画だという。生成AIで開発自体がはやくなっている現在、より重要かもしれない。

エリック・リースは、スタートアップの置かれている環境が「とてつもなく不確実」なため、開発したプロダクトが市場に受け入れられるかどうかを事前に知ることは不可能だと指摘する。 「顧客がほしいと口で言うものや、ほしがると私たちが考えるものではなく、彼らが本当に求めているものが何なのかを学ぶ必要がある」と彼は書いている。そしてそれを知るためには、「実験」をするしかない。

そして、これは、シリコンバレー的プロジェクトだけではなく、アポロ計画のような巨大プロジェクトで、ロケットを周回軌道にのせる、乗組員が月着陸船に移動する、着陸船と母船をドッキングする、といったステップをひとつひとつ検証したことと通じているという。

ほか、おもしろエピソードとして、イギリスで高速鉄道をひくときに、工事中に歴史的遺物がでて計画が遅れることの対策として、事前に専門の考古学者全員と顧問契約を結んだというのがよかった。安くはないけれど、プロジェクトを中断するコストに比べればずっと安くすみ理に適っていたという。そしてイギリス史上最大級の考古学プログラムとして大々的に宣伝し、イメージアップを実現したというのもよい。

読んでいての疑問としては、東海道新幹線や東京タワーといった、高度経済成長期の巨大プロジェクトはなぜうまくいったのか、というものがある。 もめがちな土地確保リスクが少ないとか、環境リスクアセスメントをまったく気にしていなかったとかはあるだろうし、黒部ダムのように今より命が安かったというもあるかもしれない。戦争を経験していた技術者が多かったこととかもあるだろうか?

最近だと、中央リニアや北陸新幹線延伸はかなり厳しそう。これはプロジェクトマネジメントというよりも、土地制約のなかでの地中掘削の限界とも感じるし、この本のノウハウがったとしてもどうあるべきだったかはわからない。 いっぽう、大阪関西万博は、なんとかかろうじて間に合って結果的にある程度は成功したけれど、開催にこぎつけるまでのプロジェクトマネジメントがどうだったのかは知りたい(まあ訴訟リスクなどもあるだろうので公開されることはしばらくはないかもしれないけれど)。

最後、巻末にあった11のコツを引用する

1「マスタービルダー」を雇おう

マスタービルダーとは、中世ヨーロッパの大聖堂を建設した熟練した棟梁に与えられた称号とのこと。これが一番重要とのこと。経験には価値がある。 しかし人はどうマスタービルダーになるのだろう。マスタービルダーのもとで経験を積むのがよいのだろうけれど、そういう観点で職場を選ぶのはよいかもしれない。

2「よいチーム」を用意しよう

マスタービルダーと一緒に仕事をしてきたチームが一番とのこと。それはそうなんだけど・・・

3「なぜ?」を考えよう

プロジェクトの目的を明確にする。新技術の検証なのか、既存資産の利用なのか、そうではなくて顧客の体験なのか。手段にこだわるとつらいプロジェクトになるというのはわかる。

4「レゴ」を使ってつくろう

モジュール化し分割することでリスクを減らせる。ヒースローのターミナル5や、中国のコロナ病棟など。

クルミドコーヒーの影山さんの「ゆっくり、いそげ」を連想した。かなりいい本だと思ったけど内容全く覚えていない・・・、また読み返そう。

5 ゆっくり考え、すばやく動こう

計画時点で試行錯誤し、実行は早く。実行が長いとそれだけリスクにさらされるとのこと。ただ、これはそれはそうだけど、だれもゆっくり実行しようとは思っていないのでは・・と思った。

6「外の情報」を取り入れよう

みな、自身のプロジェクトをユニークだとは思うけれど、近いプロジェクトはあるはずでそれにかかったコストを調べることで見積もりの精度はあがる、ということ。 しかし内製するITプロジェクトで費用や期間を集計するのはたいへんだ・・・。

7「リスク」に目を向けよう

はい

8「ノー」と言って手を引こう

ITプロジェクトマネジメントの重要な方法論。

9「友好な関係」を築こう

問題が起きていないうちから関係者たちとリレーションをつくっておくことで、いざというときに助けてもらう

10「地球」をプロジェクトに組み込もう

はい

11 最大のリスクは「あなた」

楽観主義と自信過剰に注意しなければ・・・

プロジェクトマネジメント本としては大昔にNASAの本を読んだのもおもいだした。 巨大プロジェクトを常勝させる組織力人間力・技術力を身につけたいものです(しかし巨大プロジェクトは心身に悪い・・・)

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*1:著者肩書の 「オックスフォード大学第一BT教授・学科長、コペンハーゲンIT大学ヴィルム・カン・ラスムセン教授・学科長」というのどちらもよくわからなかったけど調べてみるとどちらも寄付講座のことのようだった

イラク水滸伝 (高野秀行)を読んだ。探検エスノグラフィーの傑作

冒険野郎の高野秀行さんのイラク水滸伝を読みました。イラク南部の湿地帯を探検して行く話で、これまでの旅行記に比しても、フセイン政権崩壊以降は、自衛隊も派遣されたりISISが席巻したりと治安が悪い地域という印象があり、実際に高野さん訪問中にも爆弾テロが散発しているようすで読み始めてしばらくはピリピリした空気を感じる旅行記だった。

けれど、古代文明を育んだティグリス川とユーフラテス川のあいだには広大な湿地があって、そこでは足場の悪さから国家や権力にも支配されず、燃料にも建材にもなるカサブ(葦)の生産力で水牛を飼って暮らしているという、イスラム文化ともまた違うユニークな文化があるという。

ある種のアジール的というか、抑圧される側の逃げ込む場所にもなっていて、著者が水滸伝梁山泊のようであると評しているように独自の気風が感じられておもしろい。もちろん危険な地帯地域で文化も違い、探索は難航するのだけど、国内で専門家に話を聞きに行ったり、専門書や論文なども多数引いているのも探索力を感じる。

葦の生産力と書いたけれど、葦だけではなく、湿地で驚くほどたくさんの魚が取れている様子にも驚いた。特に鯉の円板焼きなどが名物料理らしくおいしそう。またここでは水牛も飼われていてその水牛の糞がまた栄養になって葦や魚もいるというアクアポニックス的。パストピシキュリチュールというらしい。

「フランス語でパストピシキュリチュールってやつやな」と山田隊長が感心したように言う。 「なんですか、それ?」 「アグロフォレストリーみたいなやつで、牧畜と漁業の組み合わせや」  一九九〇年代辺りから環境保全が世界で最も大きな課題の一つになると、アグロフォレストリー(農業と林業を組み合わせたもの) やアグロパストラル(農業と牧畜を組み合わせたもの) などが注目を集めるようになった。隊長は「循環共生型生活圏」という言い方もする。 (中略) 「(西アフリカの) ニジェール川中流域には広い氾濫原(川の中洲で湿地みたいなところ) があるやろ? あそこには牛を飼っている牧畜民と漁師がおる。別々の民族で言葉もちがうんだけど、一緒に暮らす季節がある。牛がたくさん糞をして、川が増水するとそれが水に溶けて魚のエサになる。すると漁師が獲る。牧畜民も分け前として魚をもらえる。これがパストピシキュリチュールや」  補足すれば、牛や水牛の糞は魚にとって大好物の餌だという。もし漁民だけが暮らしていたら魚はそれほどたくさん獲れないだろう

日本ではシャコもハマグリもいろいろ水産資源が減ってきていて、この水産資源の減少は川から流れる栄養が少なくなっていることだったり護岸が固められていて上流域の生物多様性が失われていることだったりとか色々言われているけれどるけれど、もしかしたら何かヒントがあるのかもしれない。ただ現在はこの湿地も上流のトルコでダムが建築され灌漑で水を利用されるなどしてこの地帯に流入する水量が減って、またかなり文化が変わっていくだろうとのことではあった。

終盤、現地の船大工に伝統の舟タラーデをつくってもらってそれで旅をせんとするのだけれど、それは挫折していた。ひとつは、フセイン政権崩壊後の混乱のなかでは各地の警戒も高まってよそ者への警戒心が増していたということもあるし、古来の舟文化が廃れて地域間の物流には車が使われるようになり、舟で地域をまたぐ移動が途絶えて交流もなくなっていたということもある。

ほか、水牛のチーズの作り方を教えてもらったり、カサブで家をつくってみたりといろいろ体験していくこともすごい。百聞は一見に如かずを越えている。

全体を読み終わってから、2つの意味でイリイチが「コンヴィヴィアリティのための道具」を連想した。コンヴィヴィアルとは、自立共生、というような意味で、官僚主義的になる産業社会の道具ではないということ。さまざまなものに使うことのできるカサブ(葦)がまさに、コンヴィヴィアルのための道具、食にも住にもつながっているし仕事にもなっている。そして逆に、車が発達することで、舟を中心とした湿地帯間のコミュニティは変わってしまっているというのはイリイチのいう「破壊的な道具」なようにも思える。イリイチはコンヴィヴィアルな社会をユートピアであるかのように描いていたし、湿地帯は、エデンの園のモデルの候補でもあるように、ユートピア的ではあるものの、なんというか、氏族社会的なものにならざるを得ないのもしれない、とも思ってしまった。

ほかおもしろかったところ

日本では、濃尾平野を流れる木曽川長良川揖斐川のデルタ地帯に、かつては権力から独立した人々が住んでいた。織田信長を最も苦しめたという長島の一向宗徒がそれ

日本にも湿地の民がいた

メソポタミア文明が三千年以上も続いた理由を目の当たりにした気分だった。  多くの文明は自然破壊によって滅びてきた。具体的には森の消失だ。都市や国家が栄え、人が集まれば集まるほど、多くの燃料が必要になる。木をどんどん切っていくと、森の再生が間に合わず、森がなくなっていく。森がなくなると雨が降ったときに洪水が起きやすくなり、土地がやせる。同時に、直射日光を浴びて地表の温度が上がり、水分の蒸発量が増えたり砂塵が巻き上がったりするなど複合的な作用から雨量が減る。やがて砂漠や荒れ地が増え、最終的には作物は育たず、家畜も飼えず、燃料は全くなくなる。

これでよんだ。日本の世界でもまれな降水量による森の生産力や、この湿地のカサブは例外なのかもしれない。

dai.hateblo.jp

革命詩人のムザッファル・ナワーブだ。一九三四年にバグダードで生まれた彼は、新聞のインタビューに答え、こう語っている。 「大学生のとき、とても声のいい友だちに出会った。言葉もいいし、声も美しい。その友だちは私をアマーラのカハラー川(高野註:岸辺にマンダ教徒の舟大工が住んでいる、東部湿地帯に流れ込む川) にある実家へ連れて行った。  今までバグダードの言葉と音楽しか知らなかったからアフワールでショックを受けたよ。土、水、カサブ(葦)、水牛の声、コーヒーを挽く音といった景色や生活の様子があまりに鮮烈だった。  誰かが詩に書くのを待っていたかのよう。書いても書いても書ききれない。  当局はアフワールを恐れる。それは叛乱があるからではなく、美しいから。醜いものは美しいものに恐れを抱く。だから当局はアフワールを破壊しようとするのだ」(「アル=ハヤー」紙 一九九五年五月二十七日 ハイダル君と高野の訳による)

傑物をたくさん輩出しているところも梁山泊的。

読書メモ「体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか(畑中三応子)」

1712年の貝原益軒「養生訓」から現代までのさまざまな健康法を紹介しているおもしろ新書。これを食べると健康になるとかダイエットになるとかアンチエイジングとか、さまざまある。白米食が健康だとか身体に悪いとか議論があったり、紅茶きのこや酢大根、ケフィアとかがブームになったりとかほんとひどい。

特におもしろいのは、非専門家だけではなく、医学博士とかどこどこの教授とか、アカデミックな背景のある人が検証されていないものにしばしばおすみつきを与えていたり、メディアが後押しをしたりでいともたやすく流行をつくれてしまうこと。

1973年に「にんにく健康法」を著し、111万部のヒットになった大阪市立大の渡辺正助教授の「健康法考現学」で説明されていた健康法のつくりかたはがおもしろかった。簡単に要約すると

  1. ある種の健康食品が有効である学問上の説明(ないときは以下に、その効力が神秘性を持つか伝説などから引用してありがたがらせる)
  2. ついでこれを応用し、いかに病気が治るか詳細に述べる
  3. 終わりにこの食品を有効に利用するための調理法もしくは両方を述べる
  4. 表また裏の表紙に執筆者の紹介ないしほめことばを書かせ売るべき本ができる

とのこと。はがきを送ると、紅茶きのこの種を無料で送ったりとか、営業手法もおもしろいけれど、フードファディズムによっていともたやすくムーブメントがつくれてしまう怖さがある。

アメリカでのインフルエンサーによるスーパーフードブームも同じでどこの国でもやっていそうで人間は同じだとも感じる。

yuhka-uno.hatenablog.com

有機農業/オーガニックも、こうした、フードファディズム的にもてはやされることがあって(「農薬は危険で無農薬は安全だ!」、とか)、それによって売れる側面もあるけれど、もともとの環境の循環を大事にしていくオーガニックにとってはよくないよなあ、と感じています。

年表や参考文献もしっかりしていて嬉しい本でした。

関西万博最終日のふりかえり

半年間にわたって開催された大阪・関西万博が終わって2週間ちょっとたった。妻は何度も、万博が終わってしまった・・・と寂しそうにつぶやきつつ、関連施設への遠征予定をガシガシ入れていて、不適切なたとえだけれど、戦争が終わったけれど戦場を忘れられない元兵士を連想してしまう。

そこまで妻をとりこにした万博全体についても振り返りたいけれど、自分もまだ整理がつかず、ひとまず最終日のことを時系列順に記録しておく。

最終日、自分と5歳児は東ゲートで10時、妻は西ゲート10時を予約。9時だったらもっと早起きしていかなきゃ、となっていたかもしれませんが10時だったのでゆとりをもって移動できたのはよかったかも。

JR西のポスターも別れを告げている

夢洲に着く直前にはいよいよ夢洲ですというアナウンスが流れ、このアナウンスを聞くのも最後かと思うと切ない。妻に頼まれて録画もしたけど見返すことはあるだろうか・・・。車内もいつもよりもそわそわしている気がしました。

最終日だしウォータープラザの写真を撮ってもらうことにし、妻を待っていると突如アナウンスがあってミャクミャクが登場。

突如現れて人に囲まれるミャクミャク
噴水を操ったり、来場者とコミュニケーションを撮っていました。子を肩車して何とか見えた。最終日ですが生ミャクミャクは初めてだった。

そんなこんなで西ゲートからきたと妻と合流し写真を撮ってもらう。撮ってすぐ、妻はプティーン買ってくる!とカナダへ移動し自分と子だけ写真購入列に並ぶ。 台紙付きの写真とデータで2000円、行列をさばくために買うかどうかにかかわらず投機的に写真を印刷していて面白い。日付は台紙で隠されてしまったけれど右上には2025/10/13とのっている。

そしてアメリカ館に並ぶ。ここ、妻は初期の英語回に並んで入ってまあまあおもしろかったという、まあ派手だし評判はよいらしいし・・・と、なんだかんだ3時間近く並んで、妻はカナダ館で買ってきた缶ビールを3本あけておしゃべり。子もなんだかんだ不平を言わず偉かった。

まだ空いている大屋根リング

途中、スタッフからステッカーをもらったりもする。もうちょっと早い時間ではピンバッジも配っていたそう。 行列中にフジTVから取材を受けて夕方のニュースで使われるかもとのことだったけど、使われず。

いつの間にか人が増えてきている

映像や展示のいくつかはトランプ化されているようで、トルクメニスタン館と並び立つほど。なんか展示は宇宙を思わせるものが多く面白かったけれどなんといってもスパークの歌 together が印象的もう宝塚のレビューの歌のように頭に残るのがすごいし子も歌っている。

おなかが減ってリングサイドマーケットプレイストルコ料理屋に移動。フラッグパレードのために場所取りをしている人も多数いた。トルコ料理を待っていると、キッチン内でスタッフが並んで偉い感じの年配のスーツの男性が今日で最終日皆様ありがとうございましたと挨拶してレストラン内でみんな拍手したところに立ち会うことができた。宝塚の千秋楽挨拶を連想(妻の影響で何でも宝塚になる・・・)。

トルコレストランSOFRAの挨拶

ようやくひと心地つく。子はチーズピデをぱくぱく食べていてよい。トルコアイスどんどるまんを子が翻弄されつつ受け取って食べさせて、いよいよフラッグパレード。人がたくさんいたので様子は見えなかったけどちょっと遠くから脈々いやはたは見ることができたみんな立って手を伸ばして拍手していて祝祭の終わりにふさわしいイベントだと思う。

大屋根リングとフラッグパレードを撮ろうと待ち構える人々

そこから大屋根リングに上がろうかと思ったけれどエスカレーターも長蛇の列でさらに途中で打ち切られてしまったので仕方なく移動。

エスカレーター打ち切りの瞬間

コモンズのガラスにはみんなメッセージが書かれていてこれもこれも何かこみ上げるものがある。

コモンズA
ええの見せてもろたな、という気持ちになった。

フランスパビリオンのわかれ
467万人も入ったのか。関西万博には2500万人ほど来場していたそうなので、単純計算で20%近くが見たというのはすごい。

最終日もキッズたちは遊ぶ
ころころ広場は後半ずっとメンテナンス中だったし、キッズたちが競って登っていたコミャクの像は警備員がついて登れなくなっていたけれど、ここはずっと人気。

最後妻がまだ行ったことのないレストランとしてUAEのレストランに並ぶことになり別れる、コモンズDのパレスチナへ。ちょうどお越しになっていた大使とツーショットを取ることができた。あとコモンズCではウクライナも2回目の見物できた。万博期間中は好転せず、国際社会の無力さを感じる。

最後にこれを見れて良かった

ここではイスラエルも出ていて、警備員2人が張っていることに気づく。複雑な思いがある。

さよなら

これも見納め

UAEレストランでは、ラムウージが大変おいしかった。そしてラクダのミルクのピスタチオ感がいいし、デーツとのコーヒーもいい。5歳児がデーツをうまそうに食べていた。ちょうどこの中にいる時に花火が鳴って見ることができなかった。

そこからウォーターフロントに移動しドローンショーを見ようかとしていたら、妻がマルタにはまだ並べると言って最後に並びだす。マルタに並んでいる間にドローンショーが始まって見上げる。途中蝶の数が違うことに妻が気づいたりする。最後に、ミャクミャクが現れたときの周りでのどよめき、これは忘れがたいシーンだった。

www.youtube.com

ブレているけれど、撮った動画をYoutubeに上げました。マルタパビリオンでもちょうどスタッフが小さいくす玉を開いたり、姫路城に展示されるという鎧や工芸品を見ることができた。スタッフとハイタッチして退場。

最後、大屋根リングに上って反時計回りに歩こうとしたけれどなかなか渋滞で降りるか迷うものの、北側のエスカレーターからはすきはじめて歩き続ける。

巡礼という言葉がよぎった

人・人・人
スペインだったりイタリアだったりがパーティー状態でもりあがっている。静けさの海の上の方へはもう進めなくなっておりエスカレーターで降りて一周はならずちょうどセブンイレブンでは店員さんたちが出てきて挨拶をしているところにも遭遇した。

水面は静か
チェコ館の前もすごい人。いつのまにか桃がなくなっていたポルトガルは静か。なにがあったんだろうか。ちょうど10時に東ゲートを抜ける。

さようなら

まわりのひとたちも満足げな表情で一緒に満ち足りた気持ちになりつつ、帰路についた。

できてないことはたくさんあったけれど、半年にもわたる、巨大祝祭空間の閉幕に家族3人で立ち会うことができたのは幸運だった(だいぶ前から最終日の予約を撮っていました)。万博自体に批判もいろいろあるけれど、まあ大事故がなくてよかった。スタッフの皆様、ありがとうございました。

5歳の子にとっては人生の10%が関西万博だった。親に連れまわされて、えー、また万博?と言っていたけれどなんだかんだ楽しんでいた気がする。

その他

JR西日本グループpresents ありがとうと旅立ちの祭典~Thank you for all…~」はYoutubeで公開してほしいよ。

第3部のピアニスト、ハラミちゃんさん分は本人があげていた。

www.youtube.com

バンギャルディ(という名前はここで初めて知った)とのダンスもちょっとおもしろかった

youtu.be

dai.hateblo.jp

dai.hateblo.jp

さよならGooブログ。はてなブックマークから振り返ってみる

老舗ブログサービス「Gooブログ」が2025年11月18日に終了する。

goo blogサービス終了のお知らせ

はてなブログが移行支援しているのでぜひGooブロガーのみなさまには移行してほしいけれど、長らく更新されていないブログは移行されず、消えていくんだろう。

そこで、はてなブックマークというソーシャルブックマークサービス*1で、ブックマークされている、つまり人々が注目していた記事や、自分がブックマークしていた記事を探して、Web魚拓にとりつつ、なつかしんでみます。 (よかったらみなさまも自分のブックマークを「 blog.goo.ne.jp 」で検索して記事を書いてください!)

(お願い)執筆時点で公開されているブログが、消え去る前にとWeb魚拓をとってリンクを貼っていますが、ブログ執筆者さまで削除ご希望でしたら、お手数をおかけし恐縮ですがコメント欄などでお知らせください。

勝ち組になりたいと思いながら過労死した、ある男の人生(2006-06-28, 華氏451度)

megalodon.jp

子の教育や家族のために猛烈に働いただろう父の話。悲しいけれど愛を感じる。

マスコミの片隅に棲息。非力な庶民の一人に過ぎないけれども、奪われたくないもの、奪い返したいものはある。メ-ルはbebe2001pe@goo.jp

2005年から2008年まで書かれていたブログ。お父さんが旧制中学をでているならもう70代だろうか。

何か大きなことを成し遂げるときに、最初にやること(2010-02-14, My Life After MIT Sloan)

【魚拓】何か大きなことを成し遂げるときに、最初にやること - My Life After MIT Sloan

Gooブログでまず思いつくのがlilacさんこと倉本由香利さんのブログ。 たくさんブコメもついている。東大の理学部物理学科・修士課程をでていてMBAにいく前後や出産・育児のことも率直に書かれていておもしろい。 昨今は仕事と育児にお忙しいのかブログはあまりかかれていないけれど、調べるとマッキンゼーでパートナーというまじでドエリート。

いまみると、グローバルなキャリア志向で珍しくはないかもしれないけれど、2010年ごろはかなりまぶしく感じたものでした。当時の日本の経済や製造業・イノベーションについても書かれていて危機感が伝わるけれど、いまはそれをさらに追い越してしまっている。昨今のAIの発展やアメリカ製造業の状況についてもまた書いてほしい。

ほかにもよかった記事。女性のキャリアについてもいい記事を書いています。 連絡取れる方はブログ移行をすすめてみてほしい。

【魚拓】どんだけマッチョじゃないと起業できないんだ、日本は。 - My Life After MIT Sloan

【魚拓】人が組織のために倫理を犯してしまう時-クリステンセン教授のメッセージ - My Life After MIT Sloan

カラヤンが指揮した上智大学管弦楽団(1973年)(2017-04-27, チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ)

【魚拓】カラヤンが指揮した上智大学管弦楽団(1973年) - チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

20歳の女学生が帝王カラヤンを動かしたという話。語彙がないのだけれどよすぎる。

2025-09-25にはてなブログに引っ越している!!

チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

国連はウルトラ警備隊じゃない(2011頃,水川青話)

・国連はウルトラ警備隊じゃない (対リビア安保理決議などについて追記あり) - 水川青話 Old & New

はてなブログに移転していた!!国際社会は無力・・・ (GooブログのURLからはてなブログトップにリダイレクトする仕掛けはあるけれど、記事自体はGoogleのクローラにも引っかかっていなさそうだ)

当時のブクマ

日本よ、雪白の翼を再び (2010-11-16, 経済を良くするって、どうすれば)

【魚拓】日本よ、雪白の翼を再び - 経済を良くするって、どうすれば

わりと専門的な内容をしっかり書いているなかで、経済について力をいれていていくつかブックマークもしている。そのなかでも、この記事、乳幼児給付で少子化対策をすることで経済をたてなおす、と。。いまからでもやったらいいと思うのだけど・・・

2009年から書かれていてもう2,400本は書かれている長寿ブログ。 10/1、はてなブログに移行している!みんな読者登録しましょう

経済を良くするって、どうすれば

これから面接に臨む学生のために (2010-05-18, 山崎元

【魚拓】これから面接に臨む学生のために - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。

ブログ名は設定されていない。2024年にお亡くなりになった経済評論家の山崎元さんのブログ。

ほかにもベーシックインカムの紹介や著述業とは別の、やや気軽な文章がおもしろい

ベーシックインカムについては多数書いていてブコメも集めているけれど、最初はこれ。

【魚拓】「ベーシック・インカム」を支持します - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

【魚拓】超々シンプルな個人のマネー運用術 - 評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」

ニシンの酢〆握り寿司(2015-01-30, 鏡面界 - 魚食系女子の気まぐれ雑記帖)

【魚拓】ニシンの酢〆握り寿司 - 鏡面界 - 魚食系女子の気まぐれ雑記帖

2012年7月から2016年6月30日までに600以上の魚関連の記事を書いていて写真も料理もたいへんうつくしくすごい。コメントもにぎわっている。タイトルの「鏡面界」もかっこいい。

自己紹介

鶲 ( Hitaki ) です。 呑気で、まったり、魚食系女子。 お魚料理を中心に、あれこれ、気まぐれに。

ウロコが飛び散り、少しナマ臭いブログですけど、御贔屓に~ !

知らなきゃソンする?ドライトマトの作り方 (2010-08-19, ぽぽぐち日記)

【魚拓】知らなきゃソンする?ドライトマトの作り方 - ぽぽぐち日記

食べることとお花(野菜)を育てることが大好き!家族は夫のヤギー(山羊座)と小3の長男。長女は就職して一人暮らしです。 リンクフリーですが写真のみの転載はご遠慮下さい。

おいしそう。

初心者でも作れるきらきらアイスティーのレシピ3つ(2012-04-11, ぎんぐの紅茶)

【魚拓】初心者でも作れるきらきらアイスティーのレシピ3つ - ぎんぐの紅茶

2004年から書かれていて2021年で途絶えている。サイドバーのつくりこみは随一かも。最後の記事はWordPressへの移行方法についてだが、移行先がないということはうまくいっていないのだろうか。。。

紅茶初心者の試行錯誤と奮闘記。 紅茶初心者が、まともに紅茶が入れられるようになるまでを楽しんで頂けると嬉しいです。

【魚拓】ミルクティーの作り方まとめ~レシピ17種 - ぎんぐの紅茶

【魚拓】現在のミルクティーの作り方 - ぎんぐの紅茶

こちらもよい

Apache OpenOffice、プロジェクトの終焉を協議(2016-09-03, いくやの斬鉄日記)

【魚拓】Apache OpenOffice、プロジェクトの終焉を協議 - いくやの斬鉄日記

UbuntuOSS全般について書いているあわしろいくやさんのブログ、移転はしない宣言をしている。 OSSプロジェクトの終了やWebサービスの終了など、少しつらい話がある。

僕が一番超広角を上手に使えるんだ! (2011-05-04, R日記)

僕が一番超広角を上手に使えるんだ! - R日記

コミケでコスプレ写真を撮っている方。広角の使い方を学べました(持ってないけど・・・)

2005年から2015年まで多数の記事を書いていたけれどその後ぱたりと途絶えてしまっている。 人の写真を撮ってあげることにまだ牧歌的な時代があったことがわかる。

ニセ科学」の授業をやろう!(2010-02-05, 杜の里から)

【魚拓】「ニセ科学」の授業をやろう! - 杜の里から

HN:OSATO まあ、親父です。

長崎大の長島雅裕さんの講義資料をひいている。その長崎大のサイトはリンク切れているんだけど、コメント欄でいろいろ議論されているのがおもしろい。ブログのコメント欄、コミュニケーションの場としておもしろいとおもっていてAIでモデレートされたりすることでもっと楽しくできないかなあ、とは思う。 そしてこの方ははてなブログに移転している!

杜の里から

派遣村」叩きに日本の国民性を思う (2009-01-07日、玄倉川の岸辺)

【魚拓】「派遣村」叩きに日本の国民性を思う - 玄倉川の岸辺

ハンドルネーム・玄倉川    「おもひ川渡れば叉も花の雨 」 高浜虚子

2005年から2011年まで、最後から2つめの記事は「生存報告」で心配。

日本の医学研究の本丸・AMED、末松理事長が審議会で衝撃発言、「我々の自律性は完全に消失している」(2020-02-09, 瀧澤美奈子の言の葉・パレット)

【魚拓】日本の医学研究の本丸・AMED、末松理事長が審議会で衝撃発言、「我々の自律性は完全に消失している」 - 瀧澤美奈子の言の葉・パレット

科学ジャーナリストの瀧澤美奈子さんのブログ。AMED、国立研究開発法人日本医療研究開発機構がどう壟断されていくか、官僚機構の横暴のようすがみてとれて暗い気持ちになる。しかしこういう複雑な組織が絡んでわかりにくい問題はメディアにも取り上げられにくく、権力ゲームに振り回されていくのだろうか・・・

最新の記事は2023年02月14日。

ホームページはいろいろ更新されていそう。 Home | Minako Takizawa

いまだにツイッターをやっている無名の皆様方、そろそろ、プチ有名人の皆様方に搾取されてる事実気付けボケ(2014-02-02, 僕と花子のルンルン生活だヨ!)

【魚拓】いまだにツイッターをやっている無名の皆様方、そろそろ、プチ有名人の皆様方に搾取されてる事実気付けボケ - 僕と花子のルンルン生活だヨ!

中川淳一郎のブログ、しかし下品だな・・・。
2014年時点でTwitterは有名人の養分だからやめろといっている。その後、怒りを増幅させてアテンションを集めるアルゴリズムが実装されて影響力に取りつかれたインフルエンサーポストトゥルースバトルをする戦場になっており、中川さんもコロナ禍ごろから目も当てられないようになってしまった。

梁文道:チベット問題の最大公約数を探る(2008-04-09, 思いつくまま)

【魚拓】梁文道:チベット問題の最大公約数を探る - 思いつくまま

このときのチベット問題から現在はどうなっているだろう・・・。 チベットや中国のことについて書いているBABA Hiroyukiさんのブログ、Twitter(現X)は活動されている。

https://x.com/sinpenzakki

ジョージ秋山死去で草創期のNTTデータ(デ本)を回想(2020-06-01, まさおレポート)

【魚拓】ジョージ秋山死去で草創期のNTTデータ(デ本)を回想 | 団塊亭日常のブログ

いま78歳、前職のスーパー大先輩である。 4000以上記事を書いていてまだアクティブなのできっと移行してくれるだろう・・・。

長く住んでいたバリ島のこと、NTT法などのこと亡くなられた奥様のことなど書かれていて人生を感じる。

いち原作ファンとして映画版『この世界の片隅に』の見過ごせない改変について その5(2017-03-20, はしだてあゆみのぼやき)

【魚拓】いち原作ファンとして映画版『この世界の片隅に』の見過ごせない改変について その5 - はしだてあゆみのぼやき

シナリオライター橋立鮎美さんのブログ。この解釈の難しさの視点を丁寧にほぐしているのが勉強になった。

あとはおまかせ

【魚拓】あとはおまかせ

2006年08月からかなりの頻度で投稿している。ちょっと排外的ナショナリズムがきつい陰謀論なんだけれど、独特の色合いとあわせて人間味を感じてしまう・・・

プロフィールはこう。

友達は みな えらーくなっている・・・なにをやっても少数派 また楽しからずや・・

滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

【魚拓】滋賀市民運動ニュース&ダイジェスト

2006/2から14163件も投稿しているけれど、2012-06-05の投稿で突然終わっている。 市民運動の継続はむずかしい。

祇園祭イスラエル王国のジオン祭(2005-06-22, 倭国大和国ヘブライ王国

【魚拓】祇園祭はイスラエル王国のジオン祭 - 倭国、大和国とヘブライ王国

いまみると、ユダヤ陰謀論過激派なんだけれど、あまり陰謀論を知らなかったころなのでおもしろブログとしてみてしまってブックマークしていた。 しかし、最近ではイスラエルの横暴とそれを見ぬふりするアメリカをみているとユダヤ陰謀論を軽んじにくくなっている・・・。

2005年からはじまって2013/07/14に終了

次のような自己紹介でハンドルネームは特になさそうで謎・・・

古事記の中に隠された、‘失われたイスラエルの十支族’の影を追っています

その他:移転したブログたち

ある医療系大学長のつぼやき - ムラゴンブログ

科学行政についていろいろ書かれている、鈴鹿医療科学大学学長、元国立大学財務・経営センター理事長、元三重大学学長の豊田 長康さん、ムラゴンという謎ブログサービスに移転している・・・。そして過去の記事のいくつかが検索にひっかかっていない。

イデオロギーポジションマップのZFさんははてなブログに引っ越していた

イデオロギーポジションマップ - ZF

2004年から書いていた柳美里さんはブログを移転はしないそう。はてなブックマーク上位は雑誌「創」の原稿料未払い系が多い・・・

柳美里の今日のできごと

消えたブログや記事

しかし、元の記事自体が消えているものもちらほらある

人類は分裂病のおかげで賢くなったんですよ,お父さん - Nothing Upstairs

チベット問題に厳しい視線を - かなろぐ

中国の大規模掲示板の書き込みを訳してみた - 大陸浪人のススメ 〜迷宮旅社別館〜

教養がニコニコ動画の代わりだった時代があったんですよ。 - モノーキー

最後に

ブックマークをさがしていくことで、2009年ごろのリーマンショック、2011年の311、2020年からのコロナ禍といった時相がうかがえる。 いつのまにか更新されなくなったブログもあるし、今は活動されていないはてなブックマークユーザもちらほらみてなつかしさを感じる。 生成AIがますます存在感を増している時代にブログはどうなっていくでしょう。 インフルエンスバトルになっているSNSにうんざりしているのでみんなブログ書いてほしい。

そして、はてなーみんな池田信夫さん好きすぎる・・・。

blog.hatenablog.com

愛・地球博記念公園にでかけてきた

9月中頃、関西万博に執心している妻に、万博の予約をとれなかったから行こう、と誘われて愛知県の愛・地球博記念公園にでかけてきました。 ジブリパークや、ちょうどやっていた鈴木敏夫展はもう予約がいっぱいで入れませんでしたが20周年ということで「愛・地球博記念館特別展示」をやっていてかなり見ごたえがあってたいへんよかった(しかも入場無料!)。

愛・地球博記念公園自体は駐車場も週末は1日1,000円固定と良心的で、森もたくさんあって楽しく、当日の万博の名残を感じることができました。

愛・地球博 グローバル・コモン3跡地

通常の駐車場が満になっていて一車線の道を誘導されてグラウンドに停めたのだけど、そこはヨーロッパのパビリオンがあったところだったり。

そこから公園の施設があるところとは逆の、山にむかってスロープがあるところに子はいきたいといってついていく。

多目的広場からどんどこ森へ

朽ちつつある橋から20年の重みを感じる。一部を残すことになったという大屋根リングはどうなるだろう。 駐車場には車がたくさんあったけれど人の気はない・・・

森の中にたたずむサツキとメイの家

モリゾーキッコロバス

公園はかなり広いのでバスがたくさん走っている。モリゾー、誰かに似ているような。バスはタイミングが合わず頑張って歩きました。

温水プールで万博ではグローバルハウスとして利用され今はジブリの大倉庫になった建物

なんとなく平成前半感のあるデザイン。 この池近くの休憩所では、いちごおりという、凍らせた愛知県産イチゴをたくさんつかったかき氷が600円でよかった。万博価格に毒されていて一瞬安いと感じてしまった・・・(写真はない)

玉田多紀さんの段ボール製「ナガクテマンモス」

段ボールでつくったマンモスがどう朽ちてゆくかを展示していてめちゃおもしろい。7/20時点ではこうだった様子。

関西万博でかなり好きだったMikiko Kamadaさんによる「無限メタモルフォーゼ」も連想した。

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン全部まわってきたので感想を書いた - 大津宿日記

さらにけっこう歩いて遊具ゾーンで足止めされてスガキヤを眺めつつ愛・地球博記念館へ

愛・地球博記念館。もともと迎賓館だったらしい

当時の万博の様子などいろいろある。なかでも最初の20年の変化が面白い。グローバル・ループという全長2.3kmの通路があったのはいまの大屋根リングにも通ずるかも。地形を活かした形になっているのがわかる。

2005年の愛・地球博会場

2025年の愛・地球博記念公園

会場そばにひろい森があって、モリゾー感がある。今回の関西万博が海の万博だとしたら山の万博という感じ。

当時のコスチュームやロボット、展示など

当時のお土産、デザインに平成感がある、気がする・・・

ほか、サツキとメイの家をつくるまでの過程の展示もあったけどこちらは撮影禁止。

貴賓室に鎮座するモリゾーとキッコロ

なんとなく懐かしさを感じるグローバル・ループ

という感じで万博後を感じさせる体験でした。 愛・地球博当時は10代でまったく行けるとは思っていなかったけれど、行っていた人がみたらどう感じるんだろう。夢洲はどうなるんだろう。単なるカジノであってほしくはないけれど・・・

その他

愛・地球博記念公園あたりの道路はIKEAやイオンや大型ロードサイド店舗が多そうでけっこう混んでいた。リニモは気になるけれど地下鉄と比べると輸送力は小さそうでどう車と人をさばいていたのかは気になる。

みんな大好き岐阜タンメンも混んでいた(でも各務ヶ原で食べたののほうが美味しかった気がする)。

岐阜タンメン 辛1 ウズラトッピング

岐阜タンメンは子どもラーメン100円で嬉しい。

あと、妻の希望で豊田市美術館で「モネ-睡蓮のとき」もいったんだけど、睡蓮の池まわりの絵が多く、なんかあいまいでほの暗い沼地ばかりという印象・・・。ポピー畑や積みわらなどの田園風景を楽しみにしていたのでちょっと残念だった。

修羅に入りつつある関西万博についてはこんな感想を書いています。

dai.hateblo.jp

大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン全部まわってきたので感想を書いた

4月に軽い気持ちで一度は万博にいっておくか、と覗いてみたあと、万博をちゃんと批判/批評するには、万博の8つのテーマを代表するシグネチャーパビリオンをみておかねば、と通い始め6回目の訪問で全館いちどは訪問することができたので感想を書いてみます。とはいえ、インタラクティブで一期一会なパビリオンも多いので、いち側面でしかないのでご注意ください(あと後半に、シグネチャーパビリオンの予約をとるコツを書いてみました)。

訪問順です。

Dialogue Theater –いのちのあかし–

テーマ:いのちを守る
プロデューサー:河瀨直美(映画作家

expo2025-inochinoakashi.com

4月に開幕券ではじめて訪問した際、7日前予約で当選。たしか3番目か4番目の希望だった気がする。奈良県十津川村の廃校からもってきた古い校舎や、福知山からもってきたイチョウや庭のつくりが印象的で散策しながら楽しみに待っていた。入館時に回ごとに異なるという対話のテーマがカード配られる。そのカードには「あなたの中には、何人の天使と悪魔が住んでいますか?」という問いかけがあった。この問いは、同じ人がやさしさと残酷さが同居していることを自問させようという意図があるようには思うのだけど、分割して数えらるものではなく、天使的側面も悪魔的側面もある1人でしかないのでは、とあまりよい問いかけではないと感じてしまった。その後、ホワイエとして校舎内を散策する時間があり、木漏れ日の差し込む、鏡で遠くまで続くような学校の廊下や黒板などをみる。時間の蓄積となつかしさを感じる。

ただ、4月だったからか司会の若いスタッフも慣れていなく説明もかなりたどたどしかった。校舎にて、選ばれた素人である参加者1名と、運営側の方とのオンラインの対話をみる形式で、相手の顔は大写しになっているのを参加者の方の背中とともにみる。参加者からは若い男性で、相手はダンディーなおじいさま。最初の説明不足もあって、すでに関係性があるのか?とも感じられたのと、配られたカードのテーマの話ではなかったのでちょっと混乱もしてしまった。

当日に選ばれるという偶発性が緊張感のある対話をうみだし、それを参加者に見守らせて疑似的に体験させることで、他者を理解することにつなげさせることが「いのちを守る」ことにつながるのだろうか・・・と好意的に解釈もできるかもしれない。哲学者のリチャード・ローティが、会話し続けることが、自身を拡張していき、連帯をつくることで残酷さの小さい世界をことをつくっていく、といった話を連想した。ただ、昨今のイスラエルのガザでの虐殺におけるイスラエルの主張や、ロシアのウクライナ侵略でのプーチンSNSでの対話不可能なもめごとなどでみられる理不尽で堅固な被害者意識をみているとちょっと楽観的にすぎるかもはしれないけれど。

テーマや対話者によってはかなりおもしろくなりそうだし、機会があればまた行ってみたいしあわよくば対話に参加したい。 妻が8月に参加したときには、自分のときよりはおもしろそうなテーマで、神経の病気(ALS?)のおじいちゃんを相手に、32回万博ソロ参加の青年が対峙していたそう。 おじいちゃんがため口で偉そうだったり、難病という、「同情せざるをえない」立場にいて対等な対話にならない構図にずるさを感じておかんむりだったけれど、ここまで感情を揺さぶっていることはこのパビリオンのすごさなのかも。

いのちのあかし会場からの景色

null²

テーマ:いのちを磨く
プロデューサー:落合陽一(研究者/メディアアーティスト)1987年生

expo2025.digitalnatureandarts.or.jp

今回の万博でもっとも異彩を放つ外見のパビリオンで写真をみたことがあるひとも多いとは思う。8月平日、6時半に並び始めてに当日予約でダイアログモードをとることができた(9:03)。大人気なようでなかなかとれず、15回くらい万博に通っている妻からもうらやましがられた。事前に絵本ヌルヌルのたびを読んでおくことをすすめられたりミラードボディーアプリや、3Dスキャンアプリの準備が必要で、当日予約でいきなりとれても慌てないように予習しておくとよいだろう。

絵本は、意識を個体から全体に移すような暗喩がありこれはエヴァンゲリオン人類補完計画を、さらに記号による認識を手放し永遠の今を生きよ、というねこ(とらひこ)へのメッセージはマトリックスの人間グリッドコンピュータといった全体主義ユートピアを思わせて、あまり肯定的にとらえにくい。あとスマホでは読みにくい。

特設サイト | 大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「null²」│ Expo 2025 Osaka, Kansai Signature Pavilion null²

内容について、いろんなひとが中の様子をSNSに投稿しているから、6面ともジェネラティブアートでうにょうにょ動くんだろう、とはわかっていたけれど、実際に体験すると圧があって神秘的ではある。ただし、事前知識なく体験できていたらもっと衝撃だっただろうとも思ってしまう。万博関係者らで、最初期に事前知識なく体験した人々の感想があれば読みたい。

null2内部

そして、その場で、参加者から3名選ばれてミラードボディの情報でつくられたAIと対話する。この対話という点は、いのちのあかしと共通しているけれど、複製された自己という奇妙さ・居心地の悪さを体験するというのがみそなのだと思う。自己との対話は、内省につながりうるだろうか。ちょっとAIかインプットのできがわるくてか会話は成り立っていなかったけれど、けっこう恐ろしさを感じた。終わった後に、次の会の参加者の様子をマジックミラーの裏から楽しめ解説を聞けるというのは良い。限られたリソースで回転をよくするための工夫を感じた。

靴をぬぐので脱ぎ履きしやすい靴でいくことをおすすめします。靴をいれるための不織布の袋をもらえます(3名分、インスタレーションモードへの当選券があるとのことだった)。

null2は夕暮れがきれい

Better Co-Being

テーマ:いのちを響き合わせる
プロデューサー:宮田裕章(慶応義塾大学教授)1978年生

co-being.jp

8月平日、2か月前予約でとれました。妻に言わせると迷いの森である静けさの森の近くにある展示。屋外の、木立のなかに白い立体的なグリッドのような構造物が目立って気になっていて、その異物感についてはnull2と対象的。村田製作所製のデバイス「石ころ」を持ち、それが前にひっぱられるように揺れたりして誘導されていく。この万博では、なにかデバイスをもつ展示がいくつかあったけれどその使い方としては今のところ一番おもしろい(解説ロボットとしてはドイツのサーキュラーちゃんはよかったし、デバイス自体のきらきら感はノモの国もよかったけど)。文字や音、光をつかったアート作品をみてまわっていく。真夏だったけれど風が通って気持ちよかった。晴れた日で体験できたけれど気候や時間によっても大きく体験が変わりそう。位置情報+写真アプリでほかの人々との体験を共有できる、という狙いがあったようでいくつか投稿したけれど、ちょっと他のひとの投稿がわかりにくくユーザ体験としてはすこし物足りなさがある。

散歩しながらアートを体験するという構成でけっこう好きだけれど、1回9人で一番回転の悪そうなパビリオンでもある。せっかく人数少ないし、参加者同士のインタラクションのしかけがあってもよかったかも。

Better Co-being外観

いのちの未来

テーマ:いのちを拡げる
プロデューサー:石黒 浩(大阪大学教授、ATR 石黒浩特別研究所客員所長)1963年生

expo2025future-of-life.com

(disclaimer)石黒先生が一時期教員をしていた研究室には、時期はずれているけれど自分も所属していたことがあって研究室の周年イベントにビデオレターを寄せていただいたのを拝見したりといった関係がある(そのビデオレターは最初当人かと思ったらアンドロイドで驚きました)

アンドロイドで有名な先生。人間そっくりのアンドロイドをつくることで人間がどう他者を認知するかという路線で人間とロボットを研究している、というアプローチをされている。けれど、近年は同じようなアンドロイドの展示を続けているように感じてやや優先度を下げていた。

8月平日の当日予約(10:05ごろ)。黒い立派な建物のまわりを水が垂れていて、なぜか全然形の違うカーバ神殿を連想した。解説音声は各自すべてデバイスから骨伝導イヤホンで聞くという形式で、最初のセットアップは苦労されていそうだったけれど、多言語対応もしていそう。映像で提示する、未来の世界(未来の万博会場など)はまあ平凡なんだけれど、子どもの成長・人の老いと死の気配はちょっとあざとくてつい涙ぐんでしまった。健気さに弱い。連続する映像の問いの、老衰で死ぬ前にアンドロイドに移り変わるべきかどうか、という問いは技術がまったくともなっていないけれども、死生観への問いかけという思考実験としては一番テーマに忠実だったかもしれない。エスカレータに貼られていた家族写真がいい。

ただ、最後のアンドロイドのダンス?は光の使い方で神秘的にはなっているけれどよくわからなかった。もうちょっと、あ、アンドロイド意外と自然だね、とか思えたり、逆に、恐怖を感じさせるほどの展示にはできないものだろうか。とはいえ、なんだかんだいって石黒先生はサービス精神が豊富だからか、見どころも多くて楽しいと思う。一度の参加人数も多く、たぶん抽選もあたりやすいのでいちどしか万博に行かないけれど、抽選なにか迷うという方にはおすすめかも。

1000年後のいのち "まほろば"
1000年後のいのち "まほろば"

いのちの遊び場 クラゲ館

テーマ:いのちを高める
プロデューサー:中島さち子(音楽家、数学研究者、STEAM 教育家)1979年生

expo2025-kuragepj.com

8月日曜日に当日予約(9:10)で子どもと参加してきた。無料体験ゾーンも広く、伝統楽器からおもしろ電子楽器までいろんな楽器があって5歳児が楽しんでいてよかった。最初の撮影禁止ゾーンでは暗闇で音を聞いて、360度投影されている空間でくらげをみたり、ライブ音楽を聴きながらみんなでおまつり体験をした(ちょっと説明しずらい・・・)。国立民族学博物館協力でさまざまなお面を用いていて、よかったけれど、お面の画像だけではなく、お面を用いてどうしていたのか、までわかるとより嬉しかった気がする。とはいえ、360度のディスプレイを背景に、生演奏のもと参加者やスタッフみんなでぐるぐるとまわっていくにぎやかな高揚感は、おまつりの瞬間を体験できる仕掛けでかなりいい。スタッフの方々の感じがよかったし、ほかのキッズたちがわちゃわちゃに楽しんでいたのが印象的。子連れでシグネチャーパビリオンに行くならここが一番よいかもしれない(中高生だと EARTH MART かも)。

最初のスロープはたいへんだけれど、スタッフに車いすの方もいたり対応も感じよく、アクセシビリティにはいちばん気を遣っていそうなのも好感(最初の真っ暗闇ゾーンで来館者の電動車いすのLEDが目立ってしまっていたのはあったが・・・)

建物のコンセプトは世界樹?あまり統一感はないにぎやかな感じなんだけれど夜にはきらきら光っていてきれい。

いのち動的平衡

テーマ:いのちを知る
プロデューサー:福岡伸一生物学者青山学院大学教授)1959年生

www.expo2025-fukuoka-shin-ichi.jp

一番残念。御著書「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」は生命のむずかしさを解説しつつバイオ研究者列伝としてもおもしろかったものの、最近の先生は進化論を誤解させるような記述が多く、本気で理解していないのかと疑ってしまうほど(そんなわけはないですよね)。ドーキンスの利己的遺伝子が成長主義的だ、という批判はわからなくはないけれど、広義の利己のなかに利他の側面もあるので間違いではないと思うのです。利他とは、進化という生命を残し続け環境に適応し続ける現象*1の結果として個体や生態系にしばしばみられる性質でしかない、と思う。ご著書の「動的平衡」では、ミクロな生命現象について触れていつつも、進化についてはミトコンドリアとの共生程度しか触れていないと思うのだけどその後、なにがあったのだろう。

サイト ( いのち動的平衡館を知る|福岡伸一がプロデュースする「いのち動的平衡館」 )には

利⼰的に振る舞っているのは⼈間だけ

と書いているけれど、人間嫌いすぎない?熊が獲物(ときとして人間)に執着したりイルカが魚やイカを投げ飛ばして遊んだりとかは利己的なのでは。そして、この書き方は利己的であることをネガティブだと言いたげだけれど、利己性はまったくネガティブなことではないようにも思う。

最後に館長あいさつで、死は終わりではなく、利他であるというのはよかったし、くずれながら再構成していくことが生命だという視点はおもしろいのだけど、物足りない。 ご著書に書いてあるこれを展開して高尚な秘宝館的なにかをつくりだすとかできなかっただろうか。

食とセックスが共通の構造を持っていることの好例だが、これについて語りだすと機微な話になっていくので、また別の機会に書きたい

(新版 動的平衡, p139)

あと、建物が柱がないことを誇っていたし、それが技術的にはすごいことなのだと思うけれど、柱がないことで空間を効果的に利用できていたとも思えないし、ユーザに影響・関心あるところではないようにも思う。エンブリオという名前の建物と、その膜としての建物デザインはかっこいいのに。

さらに細かい揚げ足取りを続けると、シグネチャーパビリオンのプロデューサーで最年長ながら、サイトや展示で一番プロデューサーの名前を出していたのはちょっと自己主張が強すぎるように感じた。特にURL*2

いのち動的平衡館 エンブリオ
いのち動的平衡エンブリオ

EARTH MART

テーマ:いのちをつむぐ
プロデューサー:小山薫堂放送作家、京都芸術大学副学長)1964年生

expo2025earthmart.jp

8月平日、2か月前予約でとれた。妻や同僚がよかったといっていて気になっていた。最初の映像は録画不可で、映像後にある演出があってメインの会場にはいるんだけど、その最初の出迎えは固定種で有名な長崎県雲仙の岩﨑さんの朽ちゆく野菜。これを先頭にもってきている判断はすごい。ちなみに、このある演出とは今万博で屈指の人気のイタリア館と同じもので、その中でも目玉のアトラス像にあたるものがこの野菜たちと考えるとこの思い切りのすごさがわかると思う。

カラカラになった大根の実(いつも食べているダイコンではなくて、花が咲いた後の実)とか、オクラの残骸や手書きの種を保存している容器を間近でみることができて嬉しい。

「野菜のいのち」岩﨑政利さん earth mart

また、伝説でもあるすきやばし次郎小野二郎の握りを3Dにみることができた。丁寧すぎる(翔太の寿司の一手返しとかとは全然別の世界だ)。 若い女性がめっちゃおじいちゃんじゃん、と心配していたけれど、この方は超有名な方なんだよ、とフォローしたくなった。小野二郎伝説を簡単にでも説明していてほしい(でもミシュラン三ツ星とかヘラルド・トリビューンで世界のレストラン十傑に選ばれたとか権威主義になりすぎるかなあ)。 ただ、漁獲資源の減少を、気候変動にフォーカスしていたのはちょっとものたりない。日本人の資源管理できなさに触れてもいいんじゃないか、と。

すきやばし二郎のほか、名料理人の調理プロセスを多様なセンサーで記録する録食はおもしろいんだけれど、食材の目利きとか旬とかは気にしていないのは要素還元主義にすぎないだろうか。いろんな商品のパッケージ案とかはおもしろかった。ただ、写真をたくさんつかっていたピーター・メンツェルの「地球の食卓」は邦訳ですら2006年だし、日本はないし、ちょっと残念。せっかくだったし同じ家族で2006年版と2025年版とかでどう変化があったかとかわかるとめちゃおもしろかった気がする。とはいえ、既存のものをいろいろつないでコンテンツとしておもしろくするのはテレビ的で楽しい。

最後、25年後に、ここで漬けた梅干しを一粒もらえる券をくれました。ここで未来を考えさせる仕掛けはおもしろい。子も30歳、小山さんは86歳。 2050年、また田辺市でみなさま会って思い出話をしましょう。

あと、茅葺き屋根の建物、たくさん茅をつかってくれていて嬉しいけれど、当初のデザイン案の異様/威容はなくなっていてちょっと残念。

www.asahi.com ↑これです

ちなみに、退館後の、ここはどこだ感は万博トップクラスだと思う(妻も強く同意してくれた)。

Tシャツやグッズがいろいろ売っていたけれどシルバーの米粒ピンブローチが好き(使う場面はなく買わなかったけれど・・・)

米粒のピンブローチ – Whole Love Kyoto

いのちめぐる冒険

テーマ:いのちを育む
プロデューサー:河森正治(アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエーター) 1960年生

shojikawamori.jp

8月平日、10時ごろの当日予約で19:45の会を予約。ANIMAと超時空シアターの2種類あるうちの前者ANIMA。結構残念、メッセージ性があいまい?3面に映りますとのことだったけれど正面がよくわからなかった。最初の目と牙は自分たちが食われることを意味しているんだろうけれど、ちょっと控えめすぎたかも。空間ごと口や胃のなかに引きずり込まれる感があってもよい気がする・・・。みんなでジャンプはおもしろいけれど、キャラクターがそんなにかわいくないし印象に残らないし・・・。

でも屋外の自由展示のMikiko Kamadaさんによる「無限メタモルフォーゼ」は九相図的でかなり好き。時間をあけて花を瓶詰めし、カビが生えて朽ちてゆくさまを提示しているのすごくないですか。シグネチャーパビリオンとして、限られた当選者だけではなく、通りがかった人にもすごいのをみせてやろうというサービス精神を感じました。

無限メタモルフォーゼ
無限メタモルフォーゼ

shojikawamori.jp

ただ、その分の期待があったから残念だったのかも。しかし13歳以上の超時空シアターはまた別らしいのでまた行きたい。残りわずかな回数しかいけないけれどもし行けたら加筆します。建物もおもしろげではあるんだけれど、派手な建物や屋台に囲まれているうえに、手前の展示にフォーカスされてしまうからか少し印象に残りにくい。

ふりかえり

「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマに対しそれぞれなんとか回答を提示していて見ごたえはあった。しかし、未来社会のデザインについては、いのちの未来がすこし触れた程度にとどまっていて物足りなさは感じる。明るい未来をみたいというわけではないけれど、もうちょっと、大国の残酷な侵略行為をとめられない国際社会や、排外主義吹き荒れる現状、超少子高齢化と首都一極集中に進み続ける日本とかなんか切り込めなかっただろうか。

あるいは、思考実験として、だれがシグネチャーパビリオンのプロデューサーになるとおもしろかっただろう、と考えてみると楽しいかもしれない。 ただ、派手なものや話題をつくることができるというある程度の実績とヤマ師性(誉め言葉)も必要だし難しい。特撮界隈とかだと企業色がつきすぎそうだし、インスタレーション現代アート界隈でだれかいないだろうか。 もしSF作家から出るなら誰だろうと考えてみると、小川一水さん、藤井大洋さんを思い浮かべるものの、1970年万博の小松左京と比べられることになってプレッシャーはありそう。SFプロトタイピング界隈とか相性よさそうな気もするけれど。

多忙すぎて絶対無理だけれど、もし漫画家でひとり選ばれるなら山田芳裕さん。日本の伝統の詫びと数寄に知見と鋭い感覚を持ち、また未来志向も兼ね備えているように思う。

・・・と、妄想から現実を振り返ってみると、芸能界関連がせいぜい放送作家小山薫堂さんだけだったのはかなり良識があったようにも思える。

そもそものプロデューサー8人の選定も、2020/7/13にプロデューサー決定のプレスリリースがあった程度で具体的な評価基準や選考方法に関する詳細な公開情報はなく、博覧会協会の内部選考により決定されたように思えて謎ではあるけれど、公募したりしたらややこしそうだし仕方ないのか・・・。また後年にでも選考過程を公開してほしい*3

www.expo2025.or.jp

以上、無責任に好き勝手なことを書いたけれど、プロデューサーの方々や多くの人々がエネルギーを割いてつくったことは伝わりました。ありがとうございます、そしておつかれさまでした。

「いのち輝く 未来社会のデザイン」というテーマは難問だし、トップダウンにデザインできるものではないものだけれど、プロデューサーの方々や多くの人々がエネルギーを割いて応えようとしたんだろう、とは感じました。消費主義的イベントだし、IRの地ならしという維新の意図は気にいらないけど、こういうお祭りのために派手にお金と人をかけて実験的ななにかをやるというのは、昨今の後ろ向き日本ではまれな前向きな取り組みでよかったし、いろんな国の人々が集まって広い世代の人が集まるおまつりとしては楽しかった(これに成功体験をもってハコモノやイベントをやろうとすることにはよほどのものではないかぎり反対するけど)。

(おまけ)シグネチャーパビリオンに入りやすい方法

と、自分はラッキーで全8パビリオンに入ることができました。残り会期短いですが、どうしてもみたいという方のために正攻法でなるべく入りやすい方法を(だいたいは万博に執心している妻から教えてもらった)。

  • 9時に予約しなるべく早く入場する
    • もう9時枠が空いている日はないですが・・・。1週間前予約の結果が出る7日前深夜もしくは朝とか、前日になるとキャンセルにより9時も空く、ことがある(望み薄)。
    • 東ゲート始発がおすすめです。8月平日では6時半夢洲駅着でちょうど9時入場できました(朝は比較的涼しいし、列移動も少なくゆっくり本を読めます)
      • 西ゲート始発、1人ならありですが行列がきゅうきゅうで怖いのであまりおすすめしない。
    • 9時に入場したら当日予約でなるべく早く抑える、理想は9時台にひとつとって終わってすぐにもうひとつとること。それ以降で当日予約はめったに成功しないし、スマホをいじりつづけることになりがちで悩ましい
  • 7日前抽選で当選するまで抽選し続ける
    • 22-23時ごろに 結果がでるので外れたら次の行ける日に日程を変更するとたくさん試行できる(通常入場券だと3回まで変更できます)。
    • 9時か10時を確保できているなら、それを捨てるかどうかは悩ましい
    • 7日前抽選での予約時間は比較的人の少ない午前か夕方以降にする(とよい気がする)
  • 空き枠先着予約
    • 3日前0時、23時ごろからアクセスしてログイン状態を保っておくとよい
    • アクセス過多で3回に2回くらいはログイン失敗するけれど、うまくログイン成功するとシグネチャーパビリオンもまあまあとれる(とはいえ、自分は寝落ちしがちで成功したの2回だけですが・・・)。
    • ほんとうにいきたいパビリオンを即検索できるようコピーしておいて検索するのがおすすめ
  • null2 はフォトコンテストで1日3名入れるようだしその他の道もあるかもしれない

枠の数、公式情報では1日1500枠未満とまでしかないのですが、あきらかに回転のよいパビリオンとそうではないところがあります。 (参考: パビリオン・イベント予約の最新状況について~お早めに来場予約して事前の観覧予約をご活用ください~ | EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト ) Better Co-beingはかなり難しそう。参加人数的や体験的にもしはじめて万博にいく方が第一希望で応募するならは、いのちの未来、Earth Martがおすすめ。

万博全体の感想(中間)についてはこちら

dai.hateblo.jp

*1:生命を残し続けることも本質ではなく、生命を残し続けてきた現象が現在残っているというだけでしかない

*2:河森正治さんのは既存のドメインのサブディレクトリなので問題ない。というかnull2がサブドメインなのと河森さん以外はすべて今回のためだけのドメインだな・・・

*3:名SF三体第2部での面壁者(ウォールフェイサー)を連想しました

大阪万博2025の中間振り返り

万博が思っていたよりもずっと楽しかった。
4月平日に開幕券で少し安く入場し、もらった割引クーポンで通期パスを購入。その後、5月と6月の週末に妻と4歳児と、8月平日に一人でと、計4回足を運んだので振り返ってみたい。

正直、期待はしていなかった。IRの地ならしとして誘致したという維新の狙いは癪に障るし、空飛ぶ車、待ち時間ゼロといったトップダウンっぽい大言壮語、メタンガス対応の広報不足、ダモクレスの剣を思わせる石の日よけなど、不安要素ばかり目についていた。

それでも、今の日本の巨大プロジェクトがどの程度杜撰になるか直接見ておきたいのと、なにかインスピレーションを得ることができれば、というミーハーでよこしまな思いがあったけれど、いい意味で裏切られた。

最初に驚いたのは、あまり事前に写真をちゃんと見ていなかったこともあって木製の大屋根リングが想像よりはるかに大きく、思っていたより倍ほど高かったこと。下には日陰の歩道やベンチがあって、上からは淡路島や和歌山まで見える景色が広がり、みな楽しそうに歩いている。みたことはないけれど、カーバ神殿の巡回を連想した。

圧倒された大屋根リング

運営

チケットサイトや行列など、ケチをつけようと思えばいろいろ言えるが、ハコも運営もかなりよくできている。特に以下の点は素直にすごいと思う。

  1. デジタル化の徹底。現金ゼロを押し通し、紙パンフや地図の配布をしなかった判断
  2. 予約システムによる行列管理。(満足のいくものではないけれど)予約サービスで行列をある程度コントロールできている。人気パビリオンに行列が集中してもっと悲惨になると思っていた
  3. 大規模な来場者対応。東京ディズニーランドの倍以上の入場者をさばく仕組みを立ち上げたロジスティクス
  4. そこかしこにある子ども向けの遊具、多数のベンチ、トイレ、休憩施設は充実していた
  5. スタッフの質。感じの良いスタッフたち(一部海外パビリオン除く)。
  6. 建設。多数の複雑な建物やコンテンツを完成に間に合わせた(インドやネパール館を除く)。

これらは率直にすごい。デスマーチに近い状況だった現場も多数あっただろうけれど、これをつくりあげた現場力・プロジェクトマネジメント力は尊敬に値する。本当におつかれさまでした(じっさいに某企業パビリオンの準備で友人がくたびれていて心配)

(追記:あと工事費未払い問題は大問題なので運営ががんばって調整して泣き寝入りする業者をなくしてほしい)

体験と展示

そうたくさん見ることはできていないけれど各国のパビリオンも、建物・展示・コンテンツそれぞれに工夫が凝らされていた。国威発揚的な宣伝は目立ったものの、それも含めて各国の意図や、リソースのかけ方がすけてみえてそれぞれ個性的だった。見世物的側面はあるものの、日本にいながらこの体験ができるのは貴重だと思う。お金と人をかけた文化祭にも感じる。

初回訪問時、修学旅行で来ている未就学児から高校生まで、たくさんの子どもたちがはしゃぎまくっている姿が印象深かった。労働人口減少と資源高騰が進む日本で、これ以上のお祭りは生きている間にはないかもしれない。

そう安価ではないチケットで、食事も(比較的安価なところはあるとはいえ)安くはなく、グッズがすごい勢いで売れていて消費社会的なお祭りではあって踊らされ感はあるけれど・・・

  • インドネシア館:熱帯雨林の湿り気、伝統武器や通路に掲示されたポートレート写真
  • 静けさの森:喧騒を抜けて中央部に入ると一気に静かになった。最短経路にならないような道路設計で移動利用が少ないようにしていそう。とんぼや生い茂る野草は残ってほしい
  • null2(落合陽一):外観の異様さ・衒学的・幻惑的な問いかけ
  • イタリアパビリオン:映像、アトラス、カラヴァッジョ、特許、そして屋上からの夕暮れ
  • better co-being:屋外での鑑賞体験と、村田製作所バイスの感触(それによって1度の参加人数は9人で回転は少なそうだけれど)

いのちめぐる冒険(河森正治)の、予約なしゾーンにあった様々なカビや、モンゴル(commons)での兜の展示、パレスチナオパールの宮殿、ウクライナの展示の無言の圧、ペルー館でのシパン王の遺物(全く知らなかったが迫力があった)などもよかった。

null2

アトラス像の足。全体像を撮るのはむずかしい・・・

イタリア館にあったトカマク型

モンゴル(commons)の皮の兜

輪島塗の夜の地球は、出展予定だったイランが撤退後、これを展示した判断や交渉はすごいと思う。

テーマについて

ただ「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマへの回答はあまり感じられなかった。倫理の限界に挑戦するようなテクノロジー、もう少し踏み込んだ内容を期待していた。石黒浩先生の「いのちの未来」の最後の問い*1、落合陽一「null2」は衒学的だけれど対話は思考実験としてはよかった。

食事

  • 北欧館:和食要素を用いた料理(ディルと柚子胡椒を味付けに使ったスカーゲンが良かった。高かったけど・・・)
  • アフリカンレストラン:生演奏とマフェ(高かったけど・・・)
  • インド館:香り、雑貨屋のお兄さんとの金額交渉。馬の壁掛けを見ていたら「not brass, bronze!」と言われた
  • エスニックフュージョンレストランでの壺ビリヤニ:素焼きの器をもらえるのよかった

いろいろ高いと書いたけれど、安いところもたくさんあるし持ち込み自由なのはおおらかでよい。

アフリカンレストランでのマフェとマダカスガルバニラエール

北欧館のスカーゲン
柚子胡椒をつかった未知の味でおいしかった

妻はフランス館でコース料理を食してかなり良かったそう(価格は聞いていない)

その他よかったこと

  • 年長組の幼稚園児たちがアスレチック遊具で全力で遊ぶ姿
  • 小学生たちが静けさ森北東部の起伏で遊びまくる様子
  • 中学生男子がインドネシア館の行列で外国人スタッフとたどたどしい英語で笑顔でコミュニケーションしていたこと
  • 高校生女子がみゃくみゃく眼鏡でテンションが上がっている場面
  • 入場ゲートの行列で近くの人と世間話や情報交換
  • 友人の会社の取引先が万博でどこどこ館の音響を受注して盛り返したという話とか
  • 付き合いだした友人カップルが万博で急速に仲を深めていること
  • 農林水産省が「未来につなぐ食と風土」という展示をやっていたり、突然こじまよしおさんが出てきていたり、いろんなイベントが開催されていてよい
  • 77歳で、70年万博ではパンフレットを売るバイト(パビリオンスタッフと比べて最下級だったとのこと)をしていたという妻の母が万博にいく準備をサポートした。パビリオンはアゼルバイジャンくらいしか行かなかったけれど歩くだけでかなり楽しく気が晴れたそう。一番おもしろかったのは、同級生LINEグループで万博に行くと書くと、「ぼく、その日前立腺の手術や」と友人が返信していたこと(手術は無事成功したそうです)

子連れ

子連れは難しいけれど、5歳児だと遊び場やCommonsを巡るだけでも楽しい。 遊び場はシグネチャーパビリオン中心の霧、フランス館前のアスレチック、屋内だと遊んでい館、WASSEの南のトランポリンドームとかが好き。日陰で待ちやすいし、体験も楽しい台湾(Tech World)・ドイツあたりがおすすめかもだけどパビリオン自体あまり回れていないのでおすすめは知りたい。

キッズを吸い寄せる霧

これから行く人へのアドバイス

自分はまだ4回訪問だけど、ドはまりした妻が10回以上通って友人たちやインターネットで高速に情報交換・試行錯誤しており知見を共有してくれているのでそれらの知識をもとに、主観ではありますが未体験者を念頭に書いてみます。

  • できたら平日、早い時間に予約をいれる
  • 入場時間について並び始めるとかなり待つので、予約時間からある程度たってから入るほうがゲートでの待ちは少ないかも
  • 7日前予約を入れる。人気の高いところ(null2、イタリア館、住友など)はなかなか当たらないので、トップ人気を外して第1希望に入れた方がいいかもしれない
  • 3日前の0時に空き枠予約する
  • 当日予約:こまめにチェックするといいが、振り回されすぎないよう注意
  • 予約がとれなくとも、Commonsや静けさの森、各パビリオンを歩くだけでも楽しい。
  • 食事:各国パビリオンは趣向があっておいしいけれど、行列があったり高かったりする。西の果てのエスニックフュージョンレストランやリングサイドマーケットプレイスなどの多国籍料理は回転が良くて入りやすいかも
  • 複数人だと当日予約はかなり難しい。
  • 遅い時間の東ゲートはめちゃ混むかも。イベントのある日は要注意。19時あたりの西ゲートのバスはわりといつも快適。
  • 帽子と軽い日傘、歩きやすい靴、モバイルバッテリーがあればなんとかなりそう。あと携帯できるイス(入場ゲートで並ぶとき用)とか

遠方からなんとか1回来るなかでたくさんまわりたいという方は、行きたいパビリオンのあるほうに近いゲートの9時予約をとって、なるべく早く行くことをおすすめします。休憩できる日陰はたくさんあるし風は通るけれど、熱中症にはご注意ください。

最後に

妻は開幕から最初の1か月は万博にまったく興味を示していなかったけれど、自分や友人から話を聞いて行ってからドハマりし、10回以上通って楽しんでいます。妻とその友人たちは万博を広いビアガーデンだと思っている様子で、最初教えてくれてありがとう、と言っております。おまつり的であることのほか、(期間の)限定性、攻略性と競争性のほか、チケットの抽選が射幸心を煽っていることがハマらせているような気がする。コミュニティで攻略している感は、MMORPGを連想するしいろんな人と万博体験を語りたい気がする。未来社会のデザインについて語りたいのでお気軽にお声掛けください

おむかえするミャクミャクさま

リングからの眺め

気になったタペストリー(場所と国はメモをとりそびれていた・・・)

当初は工事中だったインド(バーラト)パビリオン

パレスチナ螺鈿(?)の宮殿

中国館の威容
ちょうど、世界的SF作家、劉慈欣の短編集「円」の「詩雲」を読んでいたのでテンションがあがりました。

シパン王の杓
遊戯王の千年パズルを思わせるデザイン

シパン王の遺物2
これもかわいい

野草がたくさん
(どこからどうやってもってきたんだろう、採取地は無事なんだろうか・・・。せっかくとってきたので大事にしてほしい)

関西館、恐竜のうんこ

better-cobeing

この非現実感もよい

トンボがたくさん

レアンドロ・エルリッヒの庭
これは見ないとよさがわからないので現地に行ってください

commonsのどこかでみた派手衣装

静けさの森に横たわる像

インドの一品一村運動

突然はじまったジャマイカLive

なんか楽しげだった

夜のフランス館

入れてはいない

西の夜景

*1:手段は伴っていないけれど




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