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モンスターハンターワイルズレビュー:生態系の話する前に焼却炉と燃料採取とつるはしの経済では…?

HR100。

 

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 ガチャガチャしたシステム面についてはここである程度話したので、体験の話をしよう。特に巷で騒がれた「ボリューム」と「ストーリー」についてだ。

あまりにも長過ぎた「はじめまして」

単に「昼・夜」以外の事をやったのは正直大成功。

 ストーリードリヴン、という概念がある。これはゲームの構造の話をする時に用いられる概念で、プレイヤーが実際に操作し挑むシークエンスの為に世界があり、カットシーンがあり、会話があり、「さあここまで来たからお前は◯◯をしろ!」とやるタイプのゲームのことである。要するに一本道で、指示され、あまり寄り道をする事もなく、ゲームという乗り物に乗りながらリニア(≒途切れる事無く連続的に)に進んでいく構造を指す。

 決して対立する要素では無いのだが対比される概念としてプレイヤードリヴン・ナラティヴというものがある。バズワードとして多用されてしまったが、端的に言うと「語り手による物語」の事だ。「興味を惹かれ、やりたくてやってみた事の中で、こんな事が置きて、これが起きたのは前から使ってた◯◯だからで…」の事。ポケモンの「旅パーティ」の面々への愛着もそうなら、「エリア移動を繰り返し気づけば夕方に始まった戦いは夜通し続き、空は白み始めている。さあクライマックスだ…!」と単に時間がかかっただけの事に語り手たるプレイヤーの中で構築された物語の事を指す。

 

 パブリックイメージとしてのモンスターハンターで期待されるのは後者のプレイヤードリヴンだろう。新しいマップに来た。行ってみたい。探してみたい。見かけたモンスターに手を出したらそこにイャンクックが飛び込んできて、しかも置いといた落とし穴に引っかかってさあ。そこであいつが…と「後から語られるような」楽しみ方を指す。

 そしてマップはその「してみたい」を誘発する為、緩やかな誘導で満ちている。建物があれば入りたくなるのは何かが意図的に納められているからだし、鉱床があれば手に入れたくなる。そしてゲーム側は必ずそれに使い道を用意し、探索や狩猟が次に結びついて楽しいサイクルが回るように作られる。歩き回る、インタラクトするという共通の動作が異なる結果を生む。少なくともこの20年の「オープンワールド」というのはだいたいそうである。

 

前々作ワールドの「古代樹の森」、2010年代最悪のマップデザイン。

 が、これは「お題!◯◯をやっつけろ!やり方は任せる!場所はここ!」と書かれて「どうやって…?」となる人を確実に振り落とす。加えてドラマそのものは何かしらの同行者でも置いて、熱いマイクで盛り上げる他ない。

 というわけでカプコンモンスターハンター最新作で選んだのは下記の通り。

  • 強烈なストーリードリヴン型の採用。
  • マップ上の地点から地点の間も1~2分ずっとフルボイス会話
  • たどり着いたら即カットシー
  • なんならモンスター前までも全てフルボイス会話
  • 初めて新しいマップに来てもルート指定
  • 新しいマップに来てもフルボイス会話
  • どころか移動に関してはエリア単位まで縛る
  • 倒すべきモンスター前に来たらイベントデモからそのままクエスト開始

 プレイヤーのスタイルによって違うとは思うがだいたい10時間から15時間ぐらいのボリュームで繰り広げられる。巷でボリュームボリュームうるさいのはここの部分なのだが

 

いや、長いわ!

 

物語の物の語り方をもうちょっと考えたほうが良い。

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 要するに方式としては過去15年分ぐらいの「それやめたほうがいい」で事実やめてきた方式が再びがっつり取り入れられている。結果としてプレイヤーが画面の前で放置される時間がものすごーく長い。そして動かせるようになっても、オープンワールドのゲームなので「そっち行くな」と言われる。そして全てがリニアな作りとなっている為、非常に離脱し辛い。

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 こちらの記事でも書いたが「マコトが待っとるのにそんな事やっとれるかいな」である。クエスト内小目標として「準備を整える」があり、キャラもそう声をかけてくるが事態としては非常に緊迫して居るため「あの、村一つ滅ぶかも知れないんですけどモンスター狩ってきていいっすか」とはならない。

 そして「作りとしてはリニア」ではあるが、物語側は特に序盤あまりリニアでない。「白の孤影」事件というよりはやってきた禁足地の人々の話だ。モンスターがどうこうでなくNPCの話、マップはこういう設定だという話、そういうものがずっと続く。申し訳ないが私はレダウ登場までは酷く退屈だった。面白くなってきたのはレダウクエスト開始前のカットシーン、ちゃんと座り直したのはアジャラカン2体クエストからだ。

 もう他のゲームでとっくに書いた事をまた書くのもダルい。そういう目立つ失敗をまたやっている。頼むから二度とそういう事をしないでくれ。

 

そしてモンハンは「下位」を全てチュートリアルにした。

竜都編入ってからめちゃくちゃ良かったよね

 その長い長い「物語」をもって、カプコンは意地でも「モンスターハンター」をプレイヤーに叩き込む事に成功した。69ドル/1万円のゲームで、そこまで遊んだらもうOKという気にさせなくてはいけない。長く遊べるゲームではあるが、まずは遊んで満足して貰わねばならない。そういう事の為に全てが編まれている。

 で、その物語だが個人的には結構気に入っている。おいそれと「狩ってはならない」世界で、「狩る」とはどういう事かの話に徐々にシフトしていき、最終的にハンターの意思の元討伐する。ヒーローの物語として良く出来ていた。

 加えて、このチュートリアルからの離脱の必要はほぼない。武器は鉱石系の素材が貰えるし、防具もこのチュートリアル中に狩った相手の防具をスキル関係なく組み合わせて進めばわざわざ死にに行くプレイでもしないかぎりクリアでき、満足して上位に行けるはずだ。ここは本当に評価している。本当にだぞ。

 惜しむらくは「英雄の証」が流れない事だ。…なんで

 

 この「下位」をチュートリアルにした件は、発売時点でのワイルズに結構デカ目の影を落とすことになる。

ボリュームが無いの正体①:会心100にして殴るゲーム。

MHP2Gでレイア装備作るの流したゲームで何でも鉄カンカンするのだけはやめてほしかった

 お待ちかね。ボリュームの話をしよう。

 「上位」だがやることは少ない。これは「用意してある」が「有用」でないの意味だ。何十種類あろうが「作れる」と「作って使い道がある」は違う。カスタマイズのゲームは絶対に「ビルド」の話に行き着く。「体力が減った時だけ強いスキルを活かす」とか「絶対に仲間を助ける」とかそういうのの事を言う。そしてモンスターハンターシリーズはその「ビルド」を実現したいな~と必要素材を求めてモンスターを倒すゲームである。パーティーゲームとしての話はここではしない。今は放課後でもなければ講義の間でも無い。

 というわけで今作のビルドだが、ほとんど幅がない。

 これは「武器」と「防具」でスキルを明確に分けた事に由来している。ワールド以降ガンナー装備の廃止がされ、ライズではガンナーでしか使い道が無いから実質ガンナー用…のような作りがされていたが、今回それが超強烈にかかるようになった。未プレイの人に言えば一発で伝わるように言えば「ガード性能」は今回防具につかない

 そう。困った。ガード性能欲しさにラオシャンロングラビモスを狩ったというのに!今作ウキウキでグラビモスを狩ったのにガード性能がグラビモスに付いていない!これでは亜種が出てきてもガード強化にならない!

 これは単なる懐古で済む話ではない。武器側に相当なスキルが移動した為、防具側でやる事が殆ど無いのだ。装飾品で大概のスキルはカバー出来てしまうため、装飾品側の負担が酷く重いもの(3スロットで1しか上がらない系)の為に防具を作ることになる。強いスキルがついて、装飾品のスロットが多く空いたものであれば良い。新しい武器の使い始めの為に様々な防具を用意する事が無くなった。誇張でなく本当に用意する必要がない。

 で、今作だが発売日から既に回答が出ている。雑に言うと「クリティカル率がアップするスキルを複合させて、クリティカル率100%で殴るのが強い。というかそれが全て」となった。本パートで「作って使い道がある」のはそれが全てだ。挑戦者、弱点特効、渾身、無我に武器の会心を合わせて会心を100にするぐらいしか防具側でやる事が無い。要するにアルシュベルド(2種)、ゴアマガラ、オドガロン亜種、ジン・ダハドのシリーズを作ったら防具は95%クリアと言って良い。冗談抜きに。

ボリュームが無いの正体②:歴戦アルシュベルドを殴るゲーム。

エストは激レア素材確定の物を保存可能。いいのかそれ。

 武器もスロットの関係でアルシュベルド武器が重宝される。それか3スロット*3のアーティア装備だ。というわけでアーティア装備を作るための歴戦アルシュベルドを狩るための歴戦アルシュベルド武器を作るための「ドシャグマ」ぐらいしか下位に行く理由がない。アクセサリである護石も一通り作れば終わりだ。この「一通り」にも「アーティア装備」にも全て絡む要素がある。ゲーム内モンスターの強化版である「歴戦個体」というやつだ。

 この「歴戦個体」にもレベルがあって、それによって「歴戦モンスター討伐の証」というのが支払いだしされる。で、そのなかで「歴戦Ⅲ」がゲーム中で一番要求される。その数1クエ最大3枚ぐらいの支払い出しの所480枚。その歴戦Ⅲが出るのは各エリアのヌシ3種類とゴアマガラ、超大型のジン・ダハド、それとアルシュベルドだ。が、アルシュベルドが単体で時期問わずいつでも出てくるので最もクエストを保存しやすい。わざわざ休憩してクエストガチャをしない人が見るのはほぼアルシュベルドだろう。

 更に星7以上でないとアーティア装備の素材でレア8(現状の最高レア)が出てこない。武器の厳選をやるにしても、やはりアルシュベルドが楽ということになる。アルシュベルドは単体クエストでも星8になるため、一番ドロップの素材数が多い。クエストの仕様で2頭クエストというのもあるのだが頻繁に目にするのがアルシュベルドなので、アルシュベルド+何かしらのモンスターしか遊ぶものもない。

 アーティア強化用には既存の素材を変換して使える。というかそれが防具を揃えた後のモンスターを狩る理由として用意されている。この素材の変換レート及び売却時のゲーム内通貨「ゼニー」もやはりアルシュベルドが一番高い為、既存素材が要らなくなっても狩りに行くのはアルシュベルドだけだ。

 そして散々倒して強化し終わったとしても、倒しに行く強い敵は居ない。アルシュベルドで打ち止めだ。

 

 

 

は?

焼却炉と燃料採取とピッケル

でも俺はグラビ装備着たかったんだよね。ガンランスだから。

 ここで題にある焼却炉と燃料採取とピッケルの話になってくる。これはハクスラを行う全てのゲームや、ハクスラの上に載っているMMOだのソシャゲだの全てが常に抱えているシステム設計の話だ。問題ではなく、もう「そうである」という話だ。

  • 焼却炉
    ゲーム内で遊んで得たリソース(アイテムとか金とか)を費やすシステムを指す。プレイヤーはこれに物を投入し、何か凄いものを手に入れようとする。投入するとアイテムや金は世界から消える。消えた結果手に入るのは時に家であったり、すごい装備であったり、なんか女の子のスキルや必殺技が強くなったりするやつのこと。遊ぶ理由そのもののひとつ。
  • 燃料採取
    上記の焼却炉につぎ込むためのリソースを排出するゲーム上のシステム。特定の素材がドロップするからバトルするとかそういうのの事。よりよく燃料を採取しより焼却炉に費やすために人はつるはしを求める。
  • つるはし
    焼却炉で得たもののうち、燃料採取がより捗るようになる装備でありユニットでありサーヴァントでありパーティメンバーであり刀剣男士の事。人によっては凄いつるはしを持つ、持っているから◯◯が出来ると言えるようになるのが遊ぶ理由のひとつ。

 今作、ワイルズはつるはしの種類が少なく、燃料採取も退屈で、更に焼却炉も貧弱という作りになっている。つるはしの準備がこれからあるのかなあと遊んでいたら既に上位の半ばのオドガロンが答えの一つで、やることがすぐアーティア関係しか無くなる。燃料採取の為の燃料採取、つまりアルシュベルド以外のモンスターを狩りに行く事も無くなる。他のモンスターは燃料の質が悪いからだ。そして倒す相手もアルシュベルドしか居ない。ついでに書いておくと先の所から抜けていた要素として「防具強化の鎧玉レートが激渋」「アーティア強化の素材交換レートもやはり激渋」であり、これもアルシュベルドに行く以外効率が悪いので行かなくなる。

 というわけで人によっては発売3日で「は?」となったのが今作のボリューム問題の真相である。下位の時間でどうこう抜かしてるまとめブログだの反応集だのの視聴者はさっさと遊んでくるように。

そしてモンハンは儀式をやめた。

著者はゴールドゆうたとしてやくめを果たすプレイをしている

 さてそこまでして簡単にしてきたのは全14種の武器の「作成」だけでなく扱いもである。ハッキリ言ってここは大成功と言って良い。私はモンスターハンターライズサンブレイクが最もスピーディで良く出来たモンスターハンターだと心から思っているが、だがしかしあの作品はあの作品で良くない方向にも極まっていた。

 どういう事かというと、「特定の技を使うと以後の行動が強化される」を一定時間おきに挟むデザインがなされていた。逆に言えば「特定の技を使い続けないと以後の行動が激弱になる」ということでもある。ことガンランスについてはジャンプしないと竜撃砲の冷却が遅いし地面に武器擦り付けないと威力弱いし杭に熱がどうのこうのと、まあ散々だった。楽しかったが、散々だった。

 それをワイルズでは一気に無くした。多分遡れば3DSPSP時代の名残でさえも全部なくした。その上で「相手の攻撃に合わせてこれをやると超強化!!」と昨今のジャスト◯◯ゲーの部分だけに絞ってきた。それをやるのもゲージ制ではなく通常のアクション内に組み込まれている。

 まあ結果としてガンランスは攻撃用2ボタンを敵の目の前でガチャガチャ連打するだけでハチャメチャなダメージが出る武器になり、どこでも見かける武器になった。でもそれで良いと思う。

 「システムにさせられる煩雑なセットアップ」の事を、私は悪口混じりに儀式と呼んでいる。ワイルズではその儀式が無くなった。結果、ちょっとトレーニングモードをやればその武器の強みが一発でわかるように成っている。

 これに防具の移行のしやすさも相まって、色んな武器種を触りに行くのは過去作で一番カンタンだ。皆でワイワイ遊ぶためのツールとして、非常に正しい進化を遂げたと断言できる。でもフルバレットファイアとブラストダッシュだけは返して。

アーティアのヘビィがマジでかっこいい

 

 ワイルズの発売当時レビューは以上だ。防具周りがこう、素材周りがこう、クエスト関係がこうな時点で「後からアップデートでどうこう」の域でないのが分かっただろうか。新モンスターが出た所で会心100を上回るか、現在の装備では死ぬので会心100を捨てざるを得ないような状況にしないと防具の更新機会も訪れ得ない。ミツネ1匹ではどうにもならないし、今の状況にマムタロトを追加した所でアルシュ狩りがマム狩りに変わるだけなのが分かっただろうか。

 が、ここまでの状況だが私は半分否定しておきながら半分肯定的に見ている。下位で終わってもいいし、上位でHR40まで遊んだ人は遊んだ人で相当満足して終わるだろう。そもそもソシャゲでないのだから次のアプデまで別のゲームをしていればよい。なんなら次のアイスボーン的な、サンブレイク的なものが出るまで寝かせて置いていいとすら思う。下位をチュートリアルにした件で書いたが、やる事が無いと分かってしまう前に「面白かったー!」で終えるのが大半なんじゃないだろうかと思う。

 そうなる為に、防具は速攻で出来て武器もそんな頑張らずに生産できるように作られた。いろんな武器を使って遊べるように防具は使いまわし出来るようになった。モンハンの見直しとして一歩前進出来たというのは間違いなくあると思う。

 とは言え、「既にある武器や防具を傀異錬成でカスタムする」という最適解が一度提示された後だと「エンドコンテンツ」とカッコ書きの言葉でなく、コンテンツの用意そのものが過去一ド下手なんじゃないかなあと感じる所だ。何せ狩りに行く理由が無いってことは、もう遊ぶ理由が無いって事だからね。

 

 

 

 私は歴戦アルシュベルド狩るの飽きたので、エオルゼアに戻ります。




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