小問[1]-1
- 以上の
モデルにおける
の自己共分散行列
の各成分は
で与えられることを示す。
のとき、
である。今モデルは定常なので、自己共分散は時点差のみに依存する。すなわち、
より、
である。よって
である。分散共分散は対称行列なのでのときは、
である。以上より
自己共分散行列の各成分は
で与えられる。
小問[2]-1
次対称行列
を
とする。
一般のおよび小問[1]の行列
に対し、
の逆行列は
で与えられることを示す。
の各成分を以下の5通りに分けて計算する。
①のとき
である。
②のとき
である。
③のとき
である。
④のとき
である。
⑤のとき
小問[2]-2
行列のある行にある値を掛けて他の行に足した行列の行列式は
もとの行列の行列式と等しく、上三角行列の行列式は対角成分の積に等しい。
の
行目に
を掛けて
行目に足す。
そのようにしてできた行列の行目に
を掛けて
行目に足す。
これを行目まで繰り返すと、
と求まる。
を
の単位行列とする。
より、
と求まる。
小問[3]
- 小問[2]の行列
が正定値行列であることを示す。
を
次元縦ベクトルとする。
ここで()は転置を意味し、
とする。
に注意すると
の
に関する2次形式
は
と常により大きい。
従っては正定値行列である。
小問[4]-1
の行列の
要素の値
のみを
に変えた行列を
とする。行列
が非負定値行列であることを示す。
を
次元縦ベクトルとする。
ここで()は転置を意味し、
とする。
の
に関する2次形式
は
と常に以上である。
従っては非負定値行列である。
小問[4]-2
となる
(ただし
)はどのようなベクトルであるか?
となる
(ただし
)は
を満たすベクトルである。
小問[5]
- この問の
モデルにおける自己回帰係数
が既知もしくはきわめて精度よく推定されているが誤差分散
は未知であるとき、
の
信頼区間の構成方法を示す。
よりは
と互いに独立に正規分布に従う確率変数の線形和で表せるので、
である。ここで、
とした。
小問[3]の結果より次対称行列
は正定値なので、その逆行列
も正定値である。*1
よって、
を満たす非特異行列が存在する。*2
ここで
と変換されるの確率ベクトルが従う分布を示す。
ここで
である。
は多変量正規分布に従う
の線形変換なので
も多変量正規分布に従う。
また、
より
であり、
である。よって
である。よって、は互いに独立に
に従うので
は自由度
のカイ二乗分布に従う。
即ち、
である。さらに
なので、
である。
以上の議論より、
この問のモデルの実現値
が得られたとき、
は自由度のカイ二乗分布の実現値である。
ここで、
である。
この事実を用いて以下のようにの
信頼区間を構成できる。
ここで、は自由度
のカイ二乗分布の下側
点である。
誤りなどありましたら、ご指摘いただけるとありがたいです。