
** 2026年3月更新 **
こんにちは。ココです。
注意欠如多動症(ADHD)で自閉スペクトラム症な息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ。
今回は脳波検査をしたことがなくて不安な方、どんな検査をするんだろう…と疑問に思っている方のために、実際に息子が脳波検査をしたときのお話をお伝えします。
脳波検査には睡眠導入剤を使用する
さて。いよいよ脳波検査の日がやってきました。

息子が脳波検査を受けることになった経緯はこちら!
脳波検査の所要時間は約1時間半。睡眠導入剤を使用するというのでそのあとは疲れるだろうな、と思い、その日は学校を欠席して病院へ行きました。
病院へ着くと、まず睡眠導入剤を渡されます。
これは、完全に寝入った状態の脳波を調べるためです。
初めての睡眠導入剤。しかしこれを服用しないと正確な記録を取ることはできません。
この時息子は小学2年生になったばかりの頃だったので、「睡眠導入剤」と言われても何だかよく分からずに、言われた通り素直に飲んでいました。

低学年での検査は、こんな時助かりますね。
低学年の子どもは、保護者がそばにいることで情緒が安定しやすく、医療者側から見ても入眠誘導がスムーズに進むことが多い年齢です。
睡眠導入剤の効果も比較的安定して出やすく、検査全体の流れが整えやすい傾向があります。
高校生以降になると、検査の目的や手順を理解しやすく、自分で状況に合わせて協力できるため、医療現場では「検査が進めやすい年齢層」とされています。
説明も本人に直接行えるため、導入剤の使用や検査中の姿勢なども安定しやすいのが特徴です。
一方で、小学校中学年〜中学生の時期は、環境への慣れや不安の強さ、眠りに入りやすさなどに個人差が大きく、医療者側もその子に合わせた調整が必要になることがあります。
そのため、脳波検査を受けるタイミングとしては、安心感が得られやすい低学年、または検査の意義を理解して協力しやすい高校生以降が、よりスムーズに進みやすいという臨床的な傾向があります。
こうした年齢ごとの違いをふまえながら、次は実際にどのように睡眠導入剤を使って検査が進むのかを、もう少し丁寧にお話ししていきますね。
電極を頭部につける
さて、薬を飲んでトイレに行ったあとは、脳波検査室へと移動します。
お部屋が暗くなるからね。ママはすぐ向かいのこの椅子に座っているからね。などという検査技師さんからのお話が終わると、息子はベッドに横になり、電極を頭部にペタペタとつけられました。
電極はクリームみたいなものを塗ってからつけられますが、20本くらいあるので、あまり快くはつけさせてくれません。
何をされているのか分からないという不安もあるのでしょうね。
検査技師さんは鏡を息子に持たせて、「ここについてるよ。このペタペタは後でちゃんと拭くから大丈夫だよ。痛くも何ともないからね」と説明しながらつけてくれました。

子供であっても、ある程度説明があって、きちんと自分の目で確認できると納得するようです。
私はその間ずっと息子の手を握っていました。
脳波検査の様子
電極をつけ終わると、検査技師さんと私は隣の部屋へ移動します。
そうして検査技師さんは、隣の部屋から息子へマイクで深呼吸をするよう指示し始めました。
息子は始めきょろきょろ頭を動かして様子を伺ったり、目をつぶって、と言われてもパチパチまばたきしてみたり、なかなか指示通り動かなかったのですが。
何度も深呼吸を指示されているうちに睡眠導入剤が効いてきたようで、すぐに深い睡眠に入りました。
検査中、技師の方は睡眠の深さや脳波の安定性を確認しながら、光刺激(フラッシュ刺激)や音刺激を段階的に加えて反応を記録していました。
光刺激では一定のリズムで光を点滅させ、音刺激では手を叩くなどして瞬間的な聴覚刺激を与え、そのときの脳波の変化を丁寧に観察していました。
てんかんや脳障害を調べる脳波
私は検査のあいだ、部屋に貼られていた脳波の説明ポスターを読んでいました。
脳は、日々の思考や感情、体の動きに応じてごく微弱な電気信号を発しています。
脳波検査では、その電気活動を頭皮上から電極でとらえ、波形として記録することで、脳の働きや状態を評価します。
ポスターには、こうした仕組みがとても丁寧にまとめられていました。
痛みはなく、電気を流すこともありません。ただ眠っているあいだに、脳が自然に発している信号を静かに拾い上げていく検査。それが「脳波検査」です。
「子どもの脳のつぶやきをそっと聴くようなもの」
そんなふうに捉えてもらえると、イメージしやすいかもしれませんね。

脳波検査について詳しく説明してあるのはこのサイトだよ!
脳波は、周波数の違いによっていくつかの帯域に分類されます。
よくリラクゼーションで「アルファー波」なんて言葉を聞きますよね。
目を閉じてリラックスしているときには、比較的緩やかな波のα波が優位になります。
一方、周囲に注意を向けているときや、計算などの課題に取り組んでいるときには、より速い周波数のβ波が多く記録されます。
脳波検査では、こうした基本的な脳活動に加えて、深呼吸(過呼吸負荷)や点滅する光による光刺激、拍手などの音刺激を与えた際に、誘発される異常波や突発的な反応がないかも確認します。
これらの刺激は、脳の反応性や潜在的な異常活動を引き出すために行われる、標準的な検査手順となります。

この検査でてんかんや脳障害などを診断するんですね。
脳波記録紙を見て診断
そして検査も無事終わり、睡眠導入剤の影響でぼんやりしている息子の手を引いて、いつものカウンセリング室へと移動しました。
主治医は、幾重にも重なった脳波の記録紙を一枚ずつ丁寧にめくり、光刺激や音刺激を与えたタイミングなど、反応が出やすい箇所に赤ペンで印をつけていきます。
丸が付くたびに胸がざわつき、心臓が早鐘のように打っていました。
すべての記録を確認し終えた主治医は、息子の方を見て笑顔になって言いました。
「うん、てんかん波はないね」
その瞬間、全身から一気に汗が噴き出しました。安堵の汗でした。
「良かったです…」
私はそれしか言葉が出ませんでした。
主治医が赤ペンで印をつけていたのは、「光点滅の部分」「音刺激の部分」など、脳が反応しやすい場面の確認のためでした。
もちろん、脳波には「隠れてんかん」と呼ばれるタイプもあり、1〜2回の検査では波が現れないこともあるため、「完全にてんかんではない」と断言できるわけではありません。
それでも、その時点で確認できる範囲ではてんかん波は認められず、てんかんの可能性は低いという結果になりました。

意識を変えた脳波検査
病院を出たあとに食べた食事が、こんなにも「美味しい」と感じられたのは、このときが初めてでした。
壮絶な毎日では感謝することさえ忘れていたものが、この脳波検査にはあったのです。
この脳波検査は、てんかんの有無を調べるだけのものではありませんでした。
私にとっては、もっと大切なことを、当たり前だと思い込んでいた日常の尊さを、改めて思い出させてくれる出来事になったのです。
息子の健康な身体を、この手に抱けること。それがどれほど恵まれたことだったのか。
まとめ
発達障害は、薄暗いヴェールとなって私たち親の視界を遮ります。
健康な身体を持って、この世に存在している。
そのことだけでもどんなにか恵まれているのに、私たちは灰色のヴェールの中で「光はどこにあるの?!」と叫んでいるだけです。
そのヴェールを上げさえすれば、まぶしい太陽の下で跳び回っている、あの子たちの笑顔が見えるのに。
忘れないでください。この世に誕生した時に握り返してくれた、この子たちの手の感触を。
私もすぐに忘れちゃうけど、こうやって記事にしていて、また思い出すのです。
忘れたら、一緒に思い出しましょう。そしてまた、歩き出しましょう。

ひとりでも多くの人が明日からまた頑張れるように。これからも僕の失敗や経験をお話しながらみんなを応援していくね!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
