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【ASD+ADHDの子をそっと助ける「多層サポート」シリーズ】 第0話 努力では守れない子がいる──息子が「医療の力」にたどり着くまで

 

こんにちは。ココです。

注意欠如多動症(ADHD)で自閉スペクトラム症な息子の行動と会話から何かのヒントを綴っていく当ブログへようこそ

 

私は医師ではありませんが、日々、発達特性のある子どもやご家族の相談を受ける立場として、「薬を使うことを責められて苦しい」「子どものために選んだはずなのに、周囲の目がつらい」
そんな声をたくさん聞いてきました。
この記事は、医学的な判断や治療方針を示すものではありませんし、薬の使用を推奨する目的で書かれたものでもありません。
ただ、罪悪感や偏見に押しつぶされそうになっている親御さんが、少しでも呼吸しやすくなるように──。
「責められて泣いている親御さんに寄り添うための視点」をまとめたものです。

 

さて、今日は発達障害のお薬を服用している息子が泣きながら悩み、凹み、時に爆発し、それでも這いつくばりながら歩んできた道を、シリーズでお届けする、第0話。

 

● 僕が「医療のちから」にたどり着くまで。

 

 

はじめに


発達特性のある子どもの支援には、行動療法、運動療法、カウンセリング、環境調整など、さまざまな方法があります。
どれも大切で、どれも必要な支えです。

 

けれど、私は息子の育ちの中で、どうしても伝えたい現実に出会いました。
努力や行動療法、運動療法、カウンセリング、環境調整だけでは「弱すぎる」子がいる。
どれだけ支えても、本人のココロが守れないことがある。

息子はそのひとりでした。

 

息子の苦しみは「努力不足」ではなかった


息子は、ただ落ち着きがない子ではありませんでした。ただ集中が苦手な子でもありませんでした。
彼の中には、こんな切実な苦しみがありました。

 

「勉強したいのに、頭の中がざわざわして集中できない」
「些細な刺激でイライラが一気に爆発してしまう」
「止めたいのに自分では止められない」
「どうして自分はできないんだろう」

 

本人の努力ではどうにもならないほど、気持ちにも頭にも「余裕がない」状態が続いていました。

家庭では紐で自分の首を絞めたりする自傷行為がたびたび見られ、そしてそれは徐々に学校でも見られるようになっていきました。

 

そしてある日、小学校3年生の息子は、校舎から身を乗り出していました。
先生が発見したその視界の先で、息子の命が、指先ひとつ分のところで揺れていた。
私はその連絡を受けた時、その場で崩れ落ちるように泣きました。

 

座る男の子

 

親としての闘い


息子を守るために、私はできることをすべてしました。

 

問題が起きれば、相手の保護者に菓子折りを持って行き、頭を下げて回り。
学校と何度も話し合いの場を設けてもらったり、時には対峙したり。
警察や障害支援センター、教育委員会など、ありとあらゆる場所へ足を運びました。

泣きながら眠れない夜も、震えながら声が出ない日も。それでも息子を守るために立ち続けました。

 

でも、どれだけ動いても、どれだけ環境を整えても、どれだけ様々な療育・療法をほどこしても、息子のココロは守りきれなかった。

その現実を、私は痛いほど思い知らされました。

 

緊急性のあった選択


息子の命と安全を守るために、まず必要だったのは「今すぐ危険を下げること」でした。
そのために、「リスパダール」という薬が使われました。
これは「緊急措置」でした。


息子の心と体を守るために、必要な選択でした。

 

その後に見えてきた「息子の本当の願い」

 

危険が少し落ち着いたあと、息子の中から出てきた言葉があります。
「みんなのように座って勉強したい」「いつもイライラなんかしないで、落ち着きたい」「僕がやればできることを、できるようになりたい」

 

息子は、ただ暴れていたわけではありません。ただ困らせていたわけでもありません。
彼はずっと、「できるようになりたいのに、できない」

という苦しみの中にいました。

 

その切実な願いを支えるために、本人と主治医が一緒に話し合って「インチュニブ」が加わりました。

 

お医者さんと男の子

 

インチュニブは「内側の世界」に小さな余白をつくった

 

「インチュニブ」は、劇的な変化を起こす薬ではありません。
でも、息子の「内側の世界」に、少しずつ時間をかけながら余裕をつくってくれました。

 

「頭の中のざわつきが静まり、勉強に向かいやすくなった」 

 → 頭の中がクリアになってきた。


「癇癪を大きな爆発ではなく、小さな波として出せるようになった」 

 → 癇癪の規模は小さくなったけれども、その分頻度は多くなった。小出しにして「爆発」を分散させているような感じ。それでも本人にとっても周囲にとっても、以前と比べれば格段に「ラク」になった。


「その分、他のことを考える余裕が戻ってきた」 

 → 自分の行動に対しての相手の気持ちを考える余裕・自分の進路を検討する余裕・勉強して培った力を「応用する」能力を発揮できるようになった。


これは、薬だけの話ではありません。成長、環境の安定、経験の積み重ね──それらが重なりながら、息子の心に少しずつ「余白」が戻ってきたという変化でした。

 

「ココロを最優先」に


息子の担当医は、薬を押しつける人ではありませんでした。
毎回、「君はどうしたい?」「今、どんな感じ?」
と丁寧に聞いてくれました。

 

小学生であっても息子の気持ちを尊重し、身体の様子を最優先にしながら、小児科医・児童精神科医・心理士・現場(学校)・家庭と多方面から話し合い、試行錯誤を重ねて、ようやくたどり着いたのが今の形です。

 

まとめ


息子のようなタイプの子は、少数派かもしれません。
専門家の中には、薬を使うことを批判する人もいるかもしれません。
でも、確かに存在するのです。努力では守れない子が。環境調整や数々の療育だけでは救えない子が。
命の危機にさらされるほど追い詰められる子が。

 

そして、息子は言いました。
「ぼくの経験が誰かの助けになるなら、書いてもいいよ」

 

息子は様々な苦悩と支援の限界を超え、普通級から支援級へ移籍。そして支援級からの高専合格、という切符をつかみ。今は化学を専攻しながら、「いつか誰かの役に立つために」仲間と共に学んでいます。


その勇気を、一人で悩んでいる誰かに届けたい。
ただ、それだけなのです。
必要な人にだけ、そっと届けばいい。

 

このシリーズは、その願いから始まります。

 

眼鏡をかけた女性のアイコン





このシリーズは、息子と向き合ってきた時間を大切にしながら、少しずつ更新していきます。
必要な方に、必要なタイミングで届きますように。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

※この記事は、医学的な診断や治療方針を示すものでも、薬の使用を推奨するものでもありません。
薬を使うかどうかは、必ず主治医と相談しながら、あなたとお子さんにとっての最善を一緒に探していってください。

 

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