"Oh, what have you got for dinner, Mrs. Bond?"
"There's beef in the larder, and ducks in the pond;"
"Dilly, dilly, dilly, dilly, come to be killed,
For you must be stuffed, and my customers filled!"
「お夕食は何になさいます、ボンドのおかみさん?」
「食料庫の牛肉に、池のアヒルですよ」
「ディリ・ディリ、ディリ・ディリ、殺されにおいで、
 お前さんたちはつめもので大満腹、お客様は大満足!」
"John Ostler, go fetch me a duckling or two,"
"Ma'am," says John Ostler, "I'll try what I can do,"
"Cry dilly, dilly, dilly, dilly, come and be killed,
For you must be stuffed, and my customers filled!"
「ジョン・オストラー、若いアヒルを何羽か連れてきておくれ」
「へいおかみさん」とジョン・オストラー、「あっしにできることならなんでもいたしますよ」
「こう叫ぶんだよ、ディリ・ディリ、ディリ・ディリ、殺されにおいで、
 お前さんたちはつめもので大満腹、お客様は大満足!ってね」

"I have been to the ducks that are swimming in the pond,
And they won't come to be killed, Mrs. Bond;"
I cried, "Dilly, dilly, dilly, dilly, come and be killed,
For you must be stuffed, and the customers filled!"
「池で泳いでるアヒルのとこへ行ってきましたが、
 やつら殺されに来ようとしませんです、おかみさん」
「こう叫んだんです、ディリ・ディリ、ディリ・ディリ、殺されにおいで、
 お前さんたちはつめもので大満腹、お客様は大満足!って」

Mrs. Bond she went down to the pond in a rage,
With plenty of onions, and plenty of sage;
She cried, "Come, little wag-tails, come, and be killed.
For you shall be stuffed, and my customers filled!"
ボンドのおかみさんはプリプリしながら
タマネギどっさりとセージどっさり持って池まで降りて*1
こう叫んだ、「さあフリフリシッポちゃんたち、殺されにおいで*2
 お前さんたちはつめもので大満腹、お客様は大満足なさるよ!」

"Dilly, dilly, dilly, dilly, come to be killed,
For you must be stuffed, and my customers filled!"
「ディリ・ディリ、ディリ・ディリ、殺されにおいで、
 お前さんたちはつめもので大満腹、お客様は大満足!」

*1 いずれもローストダックに詰めて焼く時の定番。アヒルたちはエサと勘違いして寄ってくるに違いない。

*2 wag-tails(ふりふりシッポ)は、歩く時に長い尾を上下に振る鳥セキレイのことでもあるが、シギなどの水鳥の総称でもある。また、現在ではめったに使われないが「そこのお若いの」という意味の少々小バカにした呼びかけでもあった。

text & tune: 19世紀英国の童謡

「殺されにおいで」という歌詞と不釣り合いに陽気なメロディという、いささかブラックな内容の童謡。オーピー夫妻編集によるThe Oxford Dictionary of Nursery Rhymes(オックスフォード童謡辞典)によれば、文献初出は1831年。
ウォルター・クレインの楽譜付き絵本『幼子のオペラ』では単にMrs. Bond《ボンドのおかみさん》というタイトルになっている。

mrsbond





ウェールズの詩人ディラン・トマスの詩の一編『Over Sir John's Hill(ジョン卿の丘の上空で)』では、この童謡が引用されている部分がある。一度は免れても、いずれ再び死に誘われゆくアヒルたちの運命と、鷹の餌食になる鳥たちの運命に重ね合わせている。


収録アルバム:Old English Nursery Rhymes





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