*In the pines, in the pines
 where the sun never shines
 Shivers where the cold winds blow
*松林の中は、松林の中は、
 太陽が決して照らさぬところ
 身震いするほど冷たい風が吹きすさぶところ

 In the pines, in the pines,
 in the cold lonesome pines
 Shivers where the cold winds blow
 松林の中は、松林の中は、
 太陽が決して照らさぬところ
 身震いするほど冷たい風が吹きすさぶところ
Little girl, little girl
Where'd you stay last night
Not even your mother knows
かわいこちゃん、かわいこちゃん
夕べはどこへ行っていたのだね、
おっかさんですらわからない

I stayed in the pines
where the sun never shines
Shivers when the cold winds blow
あたし夕べは松林の中にいたの
太陽が決して照らさぬところよ
寒い風が吹きすさぶ頃、ぶるぶる震えていたわ

The prettiest girl
that I ever did see
lived out in the Georgia pines
とびきりかわいい女の子
俺が見た中で一番のあの娘は
ジョージア州の松林で暮らしていた*1

And the only girl
that I ever did love
I knew she'd never be mine
その娘だけだ
俺がかつて愛したことがあるのは
決して俺のものにはならないとわかっていても

Little girl, little girl
What have I done
that made you treat me so
かわいこちゃん、かわいこちゃん
俺が何をしたって言うんだい
お前につれない扱いをされるようなことかい

You caused me to weep
and you cause me to mourn
Like I never done before
お前は俺を泣かせて
お前は俺を悲しませる
これ以上ないというほどに

Little girl, little girl
Don't you lie to me
Tell me where did you get that dress
かわいこちゃん、かわいこちゃん
嘘をつかないでおくれ
そのドレスはどこで手に入れたのか聞かせておくれ

From a man in the pines
where the sun never shines
Shivers where the cold winds blow
松林の中にいたひとりの男からよ
太陽が決して照らさぬところよ
身震いするほど冷たい風が吹きすさぶところよ

*Refrain
*繰り返し

*1 live outで過ごす、暮らす。

text & tune: アメリカ民謡

元来は別々の民謡であったIn The Pines《松林の中》とThe Longest Train《一番長い列車》が合体してできた民謡。いずれも起源は不詳だが、1870年代までさかのぼるとされる。最初の録音記録は1925年。

pine(パイン:松科の木の総称)はpain(ペイン:苦痛。ちなみにオーストラリアなまりだとパイン)に通ずる。英国民謡における「緑の森」と同じく、不気味で怪しげな出来事が起こる場所、悲嘆と孤独にひたる場所、うさんくさくていかがわしげな場所という扱いになっている。


歌詞のバージョンはその時々の時事の影響を受けやすく、非常に多岐にわたる。このコッソイシスターズのバージョンでは「想い人が自分になびかないどころか、松林で他の男と逢引きしているのを隠そうともしない」という艶笑的な歌詞となっているが、レドベリーのバージョンBlack Girl《黒い娘》では「夫を鉄道事故で亡くした黒人女性が、後を追おうと松林で凍死をはかる」という哀切な内容になっている。他のバージョンも「性犯罪者に襲われた少女が松林に身を隠す」「ルンペンの父子の父の方が警察に追われる途中で死に、遺された幼い娘が松林に逃げ込む」など、暗い内容のものが多い。また、「列車事故に遭い頭部を切り離される」というモチーフを含むこともある。




The Kossoy Sisters
収録アルバム: Bowling Green and Other Folk Songs from the Southern Mountains
In the Pines
Tradition Records
1956-08-19


おまけ:マンリー・ウェイド・ウェルマンのアメリカ民謡をテーマにした怪奇ホラー短編小説集「悪魔なんかこわくない」に、この歌をタイトルとした一編がある。さすらいの民謡収集家にして銀弦のギター弾きジョン(John the Balladeer)が旅の途中で立ち寄った知人宅で、結婚を控えた若い男女のためにギターを弾き語りしていると、怪しげな風体の男がやってくる。リード・バーニットと名乗るその男は、ジョンの歌に出てくる「いにしえびと」の金鉱を探し出す秘法を知っているといい、いっしょに探しに行こうと持ち掛けてくる。花嫁をもっと幸福にしてやりたいと考えた花婿、花婿の父、花嫁の父、そして半信半疑のジョンは男の言うまま宝探しの計画に参加することになるが…

この短編の中で歌われている《松林の中》は「いにしえびとが黄金を掘った山」があったという内容になっているが、これが実在するバージョンなのか、それとも作者の創作詩なのかは不明。

悪魔なんかこわくない (アーカム・ハウス叢書)
マンリー・ウェイド・ウェルマン
国書刊行会
1986-05T




おまけのおかわり:ディズニーのオリジナルアニメシリーズ「怪奇ゾーングラビティフォールズ」は、松林が大半を占めるオレゴン州のとある田舎町「グラビティフォールズ」が舞台となっており、主人公の双子の姉弟および二人を預かる因業な大叔父さんの苗字も「パインズ(松林)」。この町では絶えず様々な怪奇現象が起こり、住民もどこか風変わりで奇行が多い。「松林」では色々と奇妙なことが起こる、という含みがあるのかもしれない。



ゲロも虹色にすればキッズ向けで放送可能という風潮。
(ちなみにゲロを別のもので表現して放送可能にするというのを初めてやったのは「明日のジョー2」からだそうな)(ただしこの時は「なんかキラキラ光るもの」という表現で虹色ではない)
(虹色のゲロが初めて登場したのは、日本においては2012年4月の「これはゾンビですか?オブ・ザ・デッド」第一話と言われる)(グラビティフォールズはアメリカでは2012年6月放送開始なので、影響を受けている可能性はある)(どうでもいい)





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