1984年に初代モデルが発売されて以来、1997年にはオートフォーカス機能を備えたN、そして2001年にミラーアップを搭載したNIIとマイナー・メジャーアップデートを繰り返してきたハイエンドモデル。
2009年9月に発売が終了するまでファッションフォトグラファーなどプロを初めとしてハイアマチュアにも愛され続けたロングセラーモデルで、今でも需要が高く、中古市場でも安定した高値で取引されている。今回NIIを触る機会があったので簡易レビューをしたい。

ボディと標準レンズであるFA75mm F2.8を合わせた重さは2kg弱と決して軽くはないカメラなのだが、ボディ剛性が高く、さらに堅牢なグリップによって撮影中に疲労は感じない。外装の質感もとても良くPENTAX最後の中判フィルムカメラに恥じない作りで、まさにハイエンドフラグシップモデルと呼ぶにふさわしいだろう。

動作については各種AEモードが優秀。AEとAFに設定しておけば構図を捉えてボタンを押すだけで中判クオリティの写真が簡単に撮れる。またペンタックスはファインダーが美しく、クリスタルの輝きだとか、真空のベールのようだとか言われているが、実際に覗くと大変クリアな世界がそこに広がっていた。大袈裟に言えば実眼で見る世界よりも輝いて見える。そのため写欲が一気にかき立てられ、AE・AFも相まって、あっという間に1ロールの撮影を終えてしまった。
ほとんど問題点らしいものも見つからないのだが、強いて言えばシャッターショックがある。ライカに慣れていたためか1/60で撮影したファーストショットが手振れしていた。もちろんこれは数枚撮っているとだんだんコツがつかめるようになり、最終的には1/15程度でも手持ちで撮影できるようになっていた。
シャッター音も激しい。"ガチャンコッ"というような明らかなサウンドが空気を虐待する。静寂さが必要な場ではあらかじめシュミレートしておいた方がいいだろう。
FA75mm F2.8
35mm換算で45mmに相当するFA75mm F2.8は標準のキットレンズだが、大変良い写りをする。サイズもコンパクト、重量も200gと非常に軽く本当に素直で素晴らしいレンズで、AF時に神経質な音を立てることを除けばこれ一本でほぼ全ての物が撮影できる。実際このレンズ、単体だとかなり高額で取引されている。
SMC 105mm F2.4
SMC 105mm F2.4はPENTAX67用(バケペン)の標準レンズであるが、このレンズをアダプターを介して645に装着することができる。焦点距離は0.8倍相当となるため35mm換算で84mmと中望遠にはなるが、なんといってもその最高クラスのF値から生み出されるボケは果てしなく美しい。
とにかく描写が素晴らしく、周辺はやや荒さがあるものの、クロード・モネの絵のように品位を感じる。中判レンズでF2.4は最高級レンズのZeiss Planar 80mm F2に次ぐ明るさである。これが手軽に楽しめるのは大変ありがたい。ぜひ試していただきたい。
最後に少しだけCONTAX 645について
645の素晴らしさを知ると気になってくるのがCONTAX 645。ボディというよりも専用マウントの標準レンズであるPlanar 80mm F2の描写が数ある中判フォーマットの中で唯一無二であるため、もはやボディの正規修理が受けられなくても中古が高値で取引されている。ちなみに修理は諏訪リペアサービスさんで現在のところは可能なので、もし気になる方は入手とメンテを総合的に判断して検討すると良いだろう。
このボディとレンズのセットは国内外問わずフィルムで撮るウェディングフォトグラファーに人気のようで、フィルム写真のプロとしては持っていて当たり前のような共通認識があるように見受けられる。実際に作例も素晴らしいものが多く興味のある方は一度検索してみるといいだろう。
最後に、コンタックスといえば日本では都営地下鉄大江戸線若松河田駅近くの極楽堂さんが一番良心的なお店だと思う。コンタックスを愛する店主が大変親切に対応してくれる。是非一度お店に足を運んでいただきたい。








