自然は、沈黙した。薄気味悪い。鳥たちは、どこに行ってしまったのか。
みんな不思議に思い、不吉な予感におびえた。
裏庭の餌箱は、からっぽだった。
ああ鳥がいた、と思っても、死にかけていた。
ぶるぶるからだをふるわせ、飛ぶこともできなかった。
春がきたが、沈黙の春だった。
かのレイチェル・カーソンの「沈黙の春」の冒頭の一節である。
寓意とあるので実際にそのようなことが起こったわけではなく。
あくまでも近い将来こうなるかもしれないという意味で書いているのだろう。
1962年に出版された書籍で、DDTなどの農薬の危険性などを訴えた書籍であった。
当時、日本も高度経済成長期にあたり、公害の被害が訴えられ、
ギフチョウやゲンジボタルなど環境の影響を受けやすい動物たちは
姿を消しつつあった。
また、アメリカには風下住人と言う言葉がある。
かつてアメリカをはじめ核保有国では大気圏核実験が行われていたが、
これら核施設の風下の住民たちには健康の悪影響が多くみられるという事実で、
1956年の映画「征服者」のロケがユタ州のネバダ核実験場の付近で行われたが
220名のスタッフのうち、
主演のジョン・ウェイン含む91名が癌でなくなったという。
現在では大気圏核実験は禁止され、農薬も規制される傾向にあり、
鮎などは戻ってきたが、
サイドから見た写真と上から見た写真を
JavaScriptで7秒で切り替えるように設定している。

pixel7a 5.43mm SS1/1119.82 F1.89 ISO41
残念ながら見つけた時は花は終わっていた。
なぜこのようなことが起きたのかは実のところよくわからない。
この写真の範囲でいうと、
少なくとも周辺で咲いているタンポポは正常のように見える。
ただこのようにヤマタノオロチのように融合したタンポポを見つけたのは
これがはじめてではない。
しかし、1962年の頃と比べると、人間は自分のことで頭がいっぱいであり、
些細な自然の変化に目を向けるような人は少なくなっているように思う。
自然がなにがしかの警告をしたところで人類の多くは気づくことが無いに違いない。
私は、人類にたいした希望は寄せていない。
人間は、かしこすぎるあまり、かえって自ら禍をまねく。
自然を相手にするときは、自然をねじふせて自分の言いなりにしようとする。
私たちみんなの住んでいるこの惑星にもう少し愛情を持ち、
疑心暗鬼や暴君の心を捨て去れれば、
人類も生きながらえる可能性があるのに。
E・B・ホワイト
(沈黙の春冒頭の引用)