六本木ヒルズで開催した写真展、写楽祭!に行ってきたよ、という日記です。
富士フイルムグループ 創立90周年記念 企画展 「写楽祭!— 日本の写真集 1950~70年代」 | 写真展・ フジフイルム スクエア(FUJIFILM SQUARE)
富士フイルム社は1960年代に「写楽祭」という名の有料PR誌を刊行していたそう。今回同社の創業90周年を記念して、当時取り上げた32冊の写真集の中から15冊を厳選し、実際の写真集と収録作品を展示するという写真展「写楽祭!」を開催していると聞いて、足を伸ばしてきました。
以下、備忘録。会場内は写真撮影禁止のため、作品が気になる方は上記公式サイトなどをご覧ください。
そもそもこの写真展に行ってみようと思ったきっかけは、木村伊兵衛の「秋田おばこ 秋田・大曲」。この作品についてはこれまでもネットなどで見たことがあったけれど、そのモデルとなった方のストーリーなどは東京新聞の記事で初めて知った。
秋田おばこ 秋田・大曲(1953年) 「秋田の顔」時を超えて<一枚のものがたり>木村伊兵衛:東京新聞 TOKYO Web
70余年の時を経ても思わずハッとさせられる美しさ。
大竹省二の「世界の音楽家」という写真集は知らなかったけど、若きカラヤンが来日した際の写真は見たことがある。その他、コルトーなどの写真もあり。欲しい。
濱家浩の写真集「裏日本」も、今ではちょっと口にするのは憚られるようなタイトルだが、時に忍耐を必要とし時に溢れんばかりのエネルギーを発散するような農村の暮らしを垣間見ることができて興味深い。老若男女が芋の子を洗うように一つの大きな湯船に浸かっている写真は、一体どういう状況なのだろう?同じく地方の人々の暮らしを写した島田勤介の写真集「雪国」は、もう少しあたたかで時にユーモラスな感じがして好き。小島一郎の写真集「津軽」もまた北の暮らしを写しながら、より自然の厳しさを感じさせる。特に「つがる市(稲垣付近)」なんて、フリードリヒの絵画のようじゃない?
さまざまな富士山の姿を写した岡田紅葉の写真集「富士」も圧倒的。これは信仰の対象になるはず。同じく山を被写体にした田淵行男の「初冬の浅間 黒斑山の中腹より」は、山肌に無尽に走る線がまるで抽象絵画のようで、目を奪われてしまう。
緑川洋一の写真集「瀬戸内海」も、どこかで見たことのある作品ではあるけど、実際に目の前にすると言葉を失ってしまう。水曜ロードショー感あり。
山端庸介の「原爆の長崎・記録写真」は、焼却処分を命じられながらよくぞ残してくださったと思わずにいられない。
牛腸茂雄の「SELF AND OTHERS」もいい。特に双子の女の子が手を繋いで並ぶ「1977年」のシャイニング感たるや。(映画の方は1980年公開!)
全体を通して特に印象深かったのは、木村伊兵衛の「秋田おばこ」、緑川洋一の「瀬戸内海・島と灯台」、田淵行男の「初冬の浅間 黒斑山の中腹より」、小島一郎の「つがる市(稲垣付近)」かな。でもどの作品も魅力的で、どの写真集も実際に手に取ってじっくり見てみたい、と思った。

先着で図録を配布していた。写真撮影ができなかったのでありがたい。
写楽祭!の開催は10月18日から11月7日までなのですでに終了しているけれど、その時々で面白そうな展示をしているのでまた足を運ぼうと思う。無料。