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「道行き」

「道行き」
2026年2月19日(木)テアトル新宿にて。午後4時10分より鑑賞(A-11)

~奈良県御所市を舞台にした個性的なモノクロ映画。過去と未来がつながる

 

ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が映画界に果たしてきた役割は大きい。数々の映画監督を輩出してきた。あの「国宝」の李相日監督もそうだ。

「道行き」は、「おばけ」でPFFアワード2019グランプリを受賞した中尾広道監督の商業デビュー作。PFFプロデュース作品だ。

奈良県御所市(ごせし)の古民家を購入し、大阪から引っ越してきた駒井(渡辺大知)。古民家を改造しながら、たびたび様子を見に訪れる元所有者の梅本(桐竹勘十郎)が語る話に耳を傾ける。それはこの家や町の昔のことだった。梅本の話を聞きながら、町を訪ね歩く駒井。次第にかつての町の様子が見えてくる……。

本作は全編モノクロ映像で綴られる。構成はドキュメンタリーとドラマの融合といった感じだ。それもそのはず、中尾監督は自身も御所市に移り住み、地域の人々と交流してきたという。つまり、駒井は監督自身の分身なのだ。

駒井は家を改装しながら、梅本と対話する。彼の話は、かつてこの家を作業場にしていた時計職人の祖父のことや、町の昔の姿についてなどだった。特に祖父については、彼の在りし日の姿がドラマ仕立てで描かれる。

一方、駒井は改装作業の合間に町を訪ね歩いて様々な人々の話を聞く。町の歴史を知る人に地図を前に話を聞いたり、鉄道会社(岐阜県の樽見鉄道らしい)の人にインタビューしたりする。その様子がドキュメンタリータッチで描かれる。

また、時折、文楽の模様も描かれる。中尾監督によれば「面売り」という演目で、実際にかつてこの町で同じような光景が繰り広げられていたのだと感じて、この演目を撮影したという。

さらに、ファンタジー調の場面もある。駒井が運転手となって走る列車に、梅本と祖父らが乗っているのだ。まさに時空を超えたシーンである。

この映画のテーマは「時間」。時間を行き来しつつ描かれる御所市の風景は、ひたすら美しく心が洗われる。モノクロ映像ということもあり、ノスタルジックな感情にもとらわれる。この町の、そしてそこで生きる人々の豊かさも感じ取れる。

ただし、劇中では何度か民家の解体工事の場面が登場する。さらに、古民家の所有者が維持が大変で、いずれは解体せざるを得ないと証言する場面もある。さらに、最終盤には梅本が、まもなくこの町を去ると告げる。けっして町のバラ色の側面ばかりを強調するのではなく、厳しい現状も伝えているように思える。

それでも長い時間軸の中で過去と未来がつながり、独特の風情を映し出す。利便性や効率性を重視する現在の世の中にあって、それとは違う価値観がこの映画にはあるような気がする。

駒井役の渡辺大知の存在感ある演技、そして俳優としては映画初出演だという文楽の人形遣いで人間国宝の桐竹勘十郎の味わい深い演技も、この映画を魅力的にしている。

得難い個性の映画だ。中尾監督はすでに40代半ばなので、若手というわけではないが、今後どのような作品を撮るのか楽しみである。

◆「道行き」
(2024年 日本)(上映時間1時間20分)
監督・脚本・編集:中尾広道
出演:渡辺大知、桐竹勘十郎、細馬宏通、田村塁希、大塚まさじ、上田隆平、梅本修、清水弘樹、中井将一郎、中山和美、ちょび
*テアトル新宿ほかにて公開中
公式ホームページ https://www.michiyuki-movie.com/
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