以下の内容はhttps://cinemaking.hatenablog.com/entry/2026/02/13/121217より取得しました。


「たしかにあった幻」

「たしかにあった幻」
2026年2月10日(火)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時30分より鑑賞(スクリーン1/C-7)

~小児臓器移植をテーマにした河瀨直美監督による命の映画

 

河瀨直美監督による6年ぶりの劇映画「たしかにあった幻」は、小児臓器移植医療をテーマにした映画。

そこでは主に2つのドラマが展開する。その1つは、フランスから来日したコリー(ヴィッキー・クリープス)が勤務する神戸の臓器移植医療センターのドラマ。移植を待つ子供たち、その親、共に働く医師や看護師、移植コーディネーターなどのスタッフが、コリーと触れ合う姿がドキュメンタリータッチで綴られる。

移植を待つ子供たちは、病気を抱えているにもかかわらず無邪気な笑顔を見せてくれる。だが、時にはその表情に陰りが見える。母親も子供を安心させようと笑顔を見せるが、いつドナーが現れるかわからない不安を抱えている。その揺れる心がリアルかつ繊細に描かれる。

彼らと接するスタッフたちもまた、困難を抱えている。コリーは移植を促進するための会議を開くが、そこでは欧米とは違う日本の死生観、倫理観が明らかになる。さらに、医師たちは「目の前のことで精いっぱいだ。時間と人手が足りない」と訴える。コリーは無力感を抱えるようになる。

もう1つのドラマは、コリーと恋人の迅(寛一郎)とのドラマだ。屋久島の森で知り合った迅は、常にカメラを構えていた。出会ってからしばらく後に、神戸にやって来てコリーと暮らすようになる。当初の2人は仲睦まじかったが、仕事もせずに無気力な毎日を送る迅に対して、コリーはいら立ち激しい言葉を投げかけるようになる。そんな中、誕生日の7月7日の七夕の日に、迅は突然姿を消してしまう。

この迅との日々を綴ったパートは、屋久島の森にふいに迅が現れたこともあり、医療センターのパートとは違って幻想的なタッチで進行する。そこに違和感を持つ人もいそうだが、実はこの2つのエピソードは地続きといえる。

医療センターでは、心臓疾患を抱えて入院していた少女・瞳の病状が急変する。瞳は亡くなってしまう。彼女はどこに行ったのか。コリーは子供たちに語り掛ける。目を閉じれば瞳がいる。記憶の中にいつまでも残り続ける。死はけっして終わりではない。生と死は一連のものであり、命は受け継がれていく。

一方、迅が失踪してから1年後、コリーは彼の家族が失踪届を提出していることを知る。コリーは迅の家族に会いに行く。そこで彼女は迅が法的にはもうすぐ死んだことになることを知る。同時に、自分の過去と迅の過去に共通点があり、2人の出会いは宿命的なものだったことを知る。迅は法的に死んだことになるが、それでもコリーの中では生き続ける。ここでも生と死がひと続きのものとして捉えられる。

終盤に描かれるのは心臓移植手術のシーン。鹿児島で急に脳死状態になった子供の心臓が、神戸に送られ他の子供に移植される。その手術のようすがリアルに描かれる。それはまさしく命のリレーである。

主演のヴィッキー・クリープスは、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「ファントム・スレッド」をはじめ、「エリザベート 1878」「ベルイマン島にて」「彼女のいない部屋」などでおなじみ。その繊細な演技が本作でもいかんなく発揮されていた。

語り口といい、ドキュメンタリーのようなタッチといい、自然のきらめきを捉えた美しい映像といい、河瀨監督らしい映画だ。好き嫌いは分かれそうだが、観る価値は十分にあるだろう。

◆「たしかにあった幻」
(2025年 フランス・ベルギー・ルクセンブルグ・日本)(上映時間1時間55分)
監督・脚本・製作:河瀨直美
出演:ヴィッキー・クリープス、寛一郎尾野真千子北村一輝永瀬正敏中野翠咲、中村旺士郎、土屋陽翔、吉年羽響、山村憲之介、亀田佳明、光祈、林泰文中川龍太郎岡本玲松尾翠、早織、小島聖、平原テツ、利重剛中嶋朋子
*テアトル新宿ほかにて公開中
公式ホームページ https://happinet-phantom.com/maboroshi-movie/
(外部のサイトに移動します。外部のサイトの内容については責任を負いませんので)

 


www.youtube.com

 

*はてなブログの映画グループに参加しています。よろしかったらクリックを。

 

*にほんブログ村に参加しています。こちらもよろしかったらクリックを。

にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 




以上の内容はhttps://cinemaking.hatenablog.com/entry/2026/02/13/121217より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14