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「安楽死特区」

安楽死特区」
2026年2月3日(火)新宿ピカデリーにて。午後2時45分より鑑賞(シアター4/C-6)

~近未来、安楽死に直面したラッパーとその婚約者。安楽死について考えるきっかけとなる映画

 

安楽死。難しい問題だ。私も年齢的にけっこう切実になってきたと思うのだが、なかなかきちんと考えるには至らない。つい避けてしまう。

そんな中、思考のきっかけとなるような映画が「安楽死特区」だ。医師で作家の長尾和宏による同名小説を、近年では「夜明けまでバス停で」「桐島です」などの力作を送り出している大ベテランの高橋伴明監督が映画化した。脚本は「野獣死すべし」などで知られる丸山昇一。こちらも大ベテランである。

舞台は近未来の日本。安楽死法案が可決され、国と都によって安楽死特区が設立された。安楽死を希望する者は「ヒトリシズカ」という施設に入居し、そこで安楽死に臨む。

若年性パーキンソン病を患い、その影響で肺や心臓に深刻な症状があり、余命半年を宣告されたラッパーの酒匂章太郎(毎熊克哉)は、婚約者でジャーナリストの藤岡歩(大西礼芳)と共にこの施設に入居する。実は章太郎たちは安楽死に反対しており、特区の実態を暴こうとしたのだ。

安楽死という深刻なテーマを扱うだけに、シリアスなドラマなのは間違いがない。だが、同時にエンタメ性も担保している。例えば、映画の冒頭は章太郎がラッパーだという設定を生かして、章太郎のステージ風景が映し出される。実に生き生きとしたシーンだ。

ドラマの軸は、頑なに安楽死を否定していた章太郎の変化にある。ヒトリシズカでは安楽死希望者に対して、何度か話し合いを重ねて結論を出す。その対話の場で、章太郎は「安楽死の法制化は社会保障費削減のためだ」「選択肢を作ることで安楽死へと導いている」と強く非難する。それに対して医師の尾形(加藤雅也)、鳥居(奥田瑛二)らは「肉体的、精神的に耐え難い痛みを抱えて強く死を望んでいる人がいる」と語る。

章太郎は施設で様々な人々と出会う。末期がんに苦しむ池田(平田満)とその妻・玉美(筒井真理子)、認知症を抱える元漫才師の真矢(余貴美子)などだ。池田は末期がんで生きる活力を失くし、ひたすら早く死なせろと要求し、妻を困惑させる。真矢も早期の安楽死を望むが、その背景には何か秘密があるらしい。

章太郎は急激に衰弱していく。そんな中で、他の入所者や医師らと触れ合ううちに、少しずつ彼の考えが変わっていく。

ただし、本作は安楽死に対して安易に肯定も否定もしない。その代わり様々な論点から冷静に判断材料を提示している。本人が望むだけで安楽死を許していいのか。肉体的苦痛と精神的苦痛をどう考えるのか。残される家族はどうすればいいのか……。

また、先ほども述べたようにエンタメ性も十分だ。元漫才師の真矢が、かつて妹(友近)とコンビを組んでステージに上がっていた時の映像を長めに映して、観客を笑わせたりもする。ラスト前にはラップをバックに死者も含めたダンスを披露。実にテーマ性とエンタメ性をバランスよく追求したドラマに仕上がっている。

まあ、エピソードがテンコ盛りで、やや詰め込み過ぎの感はある。また、説明調のセリフが多いのも気になった。それでも目が離せなかったのは、真摯にテーマに向き合う姿勢とともに、役者たちの演技のおかげだろう。若手実力派の毎熊克哉、大西礼芳をはじめ、平田満筒井真理子余貴美子加藤雅也板谷由夏、下元史朗、奥田瑛二らの演技が素晴らしい。

本作のエンディングでは、安楽死をすべくスイスに渡ったものの、直前で中止した女性のインタビュー映像が流される。その映像がとても重たい。簡単に結論の出る問題ではないが、やはりきちんと考えていかねばならない問題だと思う。そのきっかけになる映画だ。

◆「安楽死特区」
(2025年 日本)(上映時間2時間9分)
監督:高橋伴明
出演:毎熊克哉、大西礼芳加藤雅也筒井真理子板谷由夏、下元史朗、鳥居功太郎、山崎翠佳、海空、影山祐子、外波山文明、長尾和宏、くらんけ、友近、gb、田島令子鈴木砂羽平田満余貴美子奥田瑛二
*新宿ピカデリーほかにて公開中
公式ホームページ https://anrakushitokku.com/
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