以下の内容はhttps://cinemaking.hatenablog.com/entry/2025/09/09/111313より取得しました。


「8番出口」

「8番出口」
2025年9月3日(水)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後1時より鑑賞(スクリーン5/G-11)

~無限ループで出口が見つからない男。人気ゲームを1本の長編映画

 

現在大ヒット中の映画「8番出口」。もともとはインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATEが個人制作でリリースし、世界的ブームを巻き起こしたゲームとのことだが、その類のゲームをしない私は全く知らない。

そのゲームを映画化したのが川村元気監督。川村監督は、「怪物」「君の名は。」など数々のヒット作のプロデューサーとして知られ、2022年の初監督作「百花」で第70回サン・セバスチャン国際映画祭の最優秀監督賞を受賞している。

地下鉄の駅の通路は複雑だ。いくつも出口があって、どこから出たらいいのか迷ってしまうことがよくある。ゲーム「8番出口」は、そんな地下鉄の駅の通路をうまく利用したゲームのようだ。地下通路に閉じ込められたプレイヤーが、異変を察知しで8番出口を目指して進んでいく。

映画も基本はそれを踏襲している。地下通路の無限ループに迷い込んだ主人公が、わずかな異変を察知して、異変がなければ前に進み、異変があれば引き返す。そうやって、「0番出口」の表示からスタートして、「8番出口」の表示を目指すのだ。異変があるのに気づかずに進んでしまうと、たちまち出口の表示は「0番」に戻ってしまう。

とはいえ、ゲームそのままで映画になるわけではない。映画の冒頭は、地下鉄の満員電車の中、主人公の男(二宮和也)がスマホを見ている。すると、母親が抱いた赤ちゃんが泣きだす。前に立っていた男は、「うるさい!」とキレ出す。必死で謝る母親。周囲の乗客は見て見ぬふり。主人公の男もそのまま電車を降りてしまう。

おいおい、それはないだろう。ちゃんと注意しろよ! 「お前の方がうるせえよ! 赤ちゃんは泣くのが仕事だろ。お前が黙ってろ!」と言ってやれ! などと思ったのだが、後々になって実は主人公の男も、このことを気に病んでいたことがわかる。それというのも、彼は地下鉄を降りたとたん、別れ話の出ている恋人(小松菜奈)から子供ができたことを告げられるのだ。青天の霹靂の主人公。恋人は生むつもりなのか。自分はどうするのか。自分のような者が父親になれるのか。

こうやって、主人公と恋人の迷いのドラマを導入しているのが、本作の映画的な特徴だろう。

混乱の中、主人公の男は改札を出て地下通路を出口へと向かう。それを主人公目線の映像で追う。ゲームもプレイヤーの一人称視点らしいから、ゲームと同じ視点というわけだ。もっとも、それで全編通せるはずもなく、まもなく通常の三人称視点の映像に切り替わる。

男はひたすら出口へと向かう。ところが、いつまで経っても出口へ着かない。それどころか通るのは同じような場所ばかり。すれ違うビジネスマン風の男(河内大和)も同じ。「もしや、これは無限ループなのでは?」と思った男は、壁に「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」「8番出口から、外に出ること」と書かれた「ご案内」を見つける。

そこからは、壁のポスター、ドア、ロッカー、おじさんなどをチェックしながら、異変を見逃さないようにして前に進む。

しかし、なかなかうまくいかない。せっかく0番が1番、2番と進んでも、また0番に戻ってしまう。そうするうちにおじさんに加えて、不気味な子供(浅沼成)まで出現する。

「まあ、これはこれで面白いけど、さすがに同じ場所ばかりだと飽きるよなあ」などと思った頃、なぜか突然、今度はおじさん(ビジネスマン風の男)のパートが登場。主人公の前に出現するおじさんも、やっぱり地下通路で迷い、必死で出口を探しているのである。そこでは例の不気味な子供に加え、謎の女子高生(花瀬琴音)が登場だ。そしてホラーチックな展開に突入するのである。

ひとしきりおじさんのエピソードが続いたのち、再び主人公がリターン。今度は子供とともに、出口を求めてさまよう。そのうちに真っ暗闇の世界になり、奇怪な化け物まで登場する。

そして、ようやくついに8番出口を発見。あれ? 外に出ない? 無限ループ? やっぱりそう来ましたか。

よくよく考えれば、これって1時間もしないうちに終わる話。下手すりゃ、短編映画で終わっちゃうかもしれない。さしてストーリー性もないと思えるゲームを下敷きに、あの手この手で1本の不条理エンターティメント映画に仕上げているのは立派なもの。それほど深いドラマではないものの、主人公の迷走劇の背景に「自分は父親になれるのか?」という迷いを描いたりするあたりも、さすがにヒットプロデューサーの川村監督。共同脚本の平瀬謙太朗(東京芸大佐藤雅彦の門下生)の功績も大きいのだろう。この手の映画としては、なかなかの出来だと思う。

主要な俳優は二宮和也、河内大和、浅沼成、花瀬琴音、小松菜奈の5人だけ。みんなそれぞれ個性を発揮しているとはいえ、個人的に最もツボったのはおじさん役の河内大和。何でもドラマ「VIVANT」に出ていたらしいのだが、抜群の存在感だった。

劇中で流れるラベルの「ボレロ」は、これまで数限りなく映画で使用されているが、いかにも無限ループ的な展開がこの映画にぴったりかもしれない。

*私の個人的評価★★★☆☆

◆「8番出口」
(2025年 日本)(上映時間1時間35分)
監督:川村元気
出演:二宮和也、河内大和、浅沼成、花瀬琴音、小松菜奈
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
公式ホームページ https://exit8-movie.toho.co.jp/
(外部のサイトに移動します。外部のサイトの内容については責任を負いませんので)

 


www.youtube.com

 

*はてなブログの映画グループに参加しています。よろしかったらクリックを。

 

*にほんブログ村に参加しています。こちらもよろしかったらクリックを。

にほんブログ村 映画ブログへ にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 




以上の内容はhttps://cinemaking.hatenablog.com/entry/2025/09/09/111313より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14