「近畿地方のある場所について」
2025年8月20日(水)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後3時より鑑賞(スクリーン6/C-8)
~前半の資料映像が怖すぎる。白石晃士監督によるホラー映画

夏の日の午後、やることもなくポッカリ空いた時間。外は猛暑。出たくない。しかし、家にずっといるのも不健康だよなぁ。ちょっと出てくるかな。でも暑いな。そうか、涼しいところに行けばいいのか。よし、涼しい映画館で、涼しくなりそうなホラー映画を観よう!
というわけで、ホラー映画「近畿地方のある場所について」を鑑賞。
「このホラーがすごい!2024年版」で第1位を獲得した背筋によるホラー小説「近畿地方のある場所について」を、「貞子VS伽椰子」「ノロイ」「サユリ」などでおなじみのJホラーの実力派・白石晃士監督が映画化。
しかしまぁ、背筋って……。ホラー系のクリエーターって、どうしてこうも変な名前が多いのだろう。まず作者名で驚かせようという作戦なのか!?
オカルト雑誌の編集者が突然行方不明となる。彼は直前まで特集記事の作成を進めていた。編集部員の小沢(赤楚衛二)とライターの瀬野(菅野美穂)は、記事をまとめるために残された資料を調べ始める。すると、それらはすべて“近畿地方のある場所”につながっていることに気づく。真相を確かめようと、2人はその場所へと向かうのだが……。
冒頭はオカルト雑誌の編集者が失踪する経緯を描く。地下資料室にこもって何やら調べ物をしていた彼は、突然、奇怪な現象に遭遇し姿を消す。その場面では、早くもおぞましい化け物らしき姿が現れるが、それをすべて見せずにチラ見せするのが心憎いところ。
まもなく、その編集者が抱えていた特集の内容を小沢と瀬野が調べ始める。そこからの前半のパートが面白い。2人は編集者が残していた様々な資料用の映像をチェックする。それはビデオテープ、DVD、USBメモリーなど様々な媒体に記録された映像だ。
内容も、少女失踪事件や中学生の集団ヒステリー事件などにまつわるテレビのワイドショー、あるいは現場の映像、消息を絶った動画配信者が残した奇怪な動画、はては民話に関する日本昔話風の映像まで雑多。しかし、そのどれもが細部までこだわって撮られ、いずれも背筋ゾクゾクものの怖さなのだ。特に古い映像の不鮮明さが恐怖を倍加させる。
ホラー映画に詳しくない私だが、白石監督はこれまでもフェイクドキュメンタリーの手法を使ってきたということで、過去作で培ったテクニックを今回も惜しみなく投入しているのだろう。おかげで、これらの資料映像を見ているだけで、そこに登場する様々な怪奇現象に目が釘付けになり、スクリーンに引きずり込まれたのである。
そして、ここでも肝心の化け物らしき姿はチラ見にとどめる。この姿勢こそまさしくJホラー。じらしにじらして、観客の興味を引き付けるテクニックだ。
そんなわけで、前半はすっかり失踪した編集者が残した資料映像に見入ってしまったのだが、さすがにそれだけではドラマは成立しない。途中からは小沢と瀬野自身がようやく行動を起こす。
資料映像に記録された様々な怪奇現象に共通する謎の絵や奇怪な声。それらの大元が“近畿地方のある場所”につながっているらしいとわかり、そこへ向かう小沢と瀬野。
といっても、ストレートにその場所に向かうわけではない。単独で調べを進めていた小沢が危険な目に遭うなど、紆余曲折がある。瀬野にまつわる謎も浮上する。彼女は子供を失くしていた。それはどんな意味を持つのか。
やがて2人は富士山麓に出かける。そこに失踪した編集者がいるというのだ。そこで起きる恐ろしい出来事。ここは、まあ、けっこうエグイっす。凄惨な場面が登場します。
そして、そこで浮上する謎の宗教団体。そこに映っているのはあの人では?
映画が始まって最初のうちは、どうして菅野美穂を起用したのか全くわからなかった。赤楚衛二扮する小沢と映像をチェックするだけで、大した芝居もしていないのだから。
ところがドラマが進むにつれて、彼女を起用した理由がわかってくる。どんどん彼女の演技が目立ってくる。
終盤、ついに近畿地方のある場所に向かうに至って怪奇現象が加速。トンネルの中に出現するお化けらしきものを手始めに、山の中の神社ではとんでもない惨劇が……。ここではさすがに、そのものズバリの化け物を見せるわけだ。まあ、やりすぎ感もあるし、怖いと思うかどうかは人によって違うだろうけど。
そして、ラストに映るSNS上の動画。そこで瀬野が抱きかかえたものとは……。ゲゲッ、何じゃあれは? うーむ、それにしても笑顔が怖すぎますなぁ。
よくよく考えれば変なところや唐突な展開もある。特に後半は既視感ありありの展開で、やや失速気味。それでも前半の映像が面白すぎて(怖すぎて)、ホラー映画としてなかなかの出来になっているように思えた。夏の暑気払いにはピッタリの映画だろう。
エンドロールに流れるのは、椎名林檎の歌。個人的には、これが最も怖かった。いや、いろんな意味でね。
◆「近畿地方のある場所について」
(2025年 日本)(上映時間1時間43分)
監督:白石晃士
出演:菅野美穂、赤楚衛二
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
公式ホームページ https://wwws.warnerbros.co.jp/kinkimovie/
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