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「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」

「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」
2025年8月19日(火)YEBISU GARDEN CINEMAにて。午後1時10分より鑑賞(スクリーン2/D-5)

~ノスタルジックな世界に誘う名作映画の韓国版リメイク

 

東京・恵比寿の恵比寿ガーデンプレイスは、いつ行ってもけっこうな混雑ぶりだ。この日も昼時にどこかの店に入ろうと思ったら、どこもいっぱい(超高級店やビアホールは知らんけど)。カフェ・ド・クリエでパスタでも食べようかと思ったら、それどころではなかった。

まあ、そもそもここに来たのはYEBISU GARDEN CINEMAで映画を観るためなので、店に入るのはあきらめて直接映画館へ。とはいえ昼飯抜きはきついので、売店(&カフェというおしゃれな名前)でピザとアイスコーヒー、1150円也を購入。そして観た映画は「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」。台湾の人気作家ギデンズ・コーが監督し、自身の自伝的小説を映画化した青春映画の名作「あの頃、君を追いかけた」(2011年)の韓国版リメイクだ。ちなみに、日本でも2018年には山田裕貴齋藤飛鳥の主演でリメイクされた。

将来の夢もなく、男友達と遊んでばかりいる高校生のジヌ(ジニョン)。恋愛とは無縁の生活だったが、ある出来事をきっかけに、美しいクラスの優等生ソナ(ダヒョン)に淡い恋心を抱く。みんなの憧れの存在であるソナと少しずつ心を通わせ、青春の日々を謳歌するジヌ。特別な絆を築き始めた2人だったが、高校を卒業するとそれぞれの大学生活が始まる……。

なにせオリジナルが素晴らしいだけに、その良さはそのまま踏襲している。その上で、様々な韓国流のアレンジを加えている。特にオリジナルは90年代のドラマだったが、こちらは2000年代初頭のドラマとして、その時代の空気感を巧みに描き出している。

例えば、サッカー日韓ワールドカップでの韓国チームの活躍。あるいは当時のガラケーや大流行したNIKEのスニーカー、3人組女性アイドルグループ「S.E.S.」のユジンのヘッドバンドなど、様々な形で当時の空気を再現しているのだ。

そして全編にユーモアがあふれているのも特徴。主人公のジヌはもちろん、その両親、同級生たち、先生など個性的な人々がコミカルな言動で笑わせる。

ジヌとソナの恋の始まりは、授業中、ジヌが友人たちと悪ふざけしていて、そのとばっちりを受けたソナも含めて先生に立たされたこと。そこで、先生は悪ふざけばかりしていて勉強をしようとしないジヌの監視役として、ソナをジヌの後ろの席に座らせる。

そこからはコミカルな中にも、2人が少しずつ距離を縮めていく様子が描かれる。最初はやる気のないジヌだが、熱心に勉強の手助けをしようとするソナに影響されて、次第に真面目に取り組むようになる。何しろ「自分は天才だからやればできる」が常日頃の口癖だったジヌである。

2人の関係を物語る印象的なエピソードが次々にテンポ良く飛び出す。よその学校の怪談話は、ジヌとソナが放課後に一緒に勉強する伏線になっている。また、2人がバス停で雨宿りする場面も実に良いシーン。初々しい2人の恋を微笑ましく、繊細に描き出す。

学校の試験のエピソードも印象深い。テストを前にジヌとソナは賭けをする。ジヌがソナより成績が悪かったら、頭を丸刈りにするという。ソナがジヌより悪かったら、髪の毛を下すという。その結果、ジヌは賭けに負けて頭を短くするが(丸刈りと言うよりスポーツ狩りかな)、なぜかソナも髪を下す。2人の距離は確実に近づいていく。

そんな2人の関係性と同時に、同級生たちとのキラキラした青春群像も見事に活写される。特に大学修学能力試験が終わって、全員で遊びまくるあたりの描写は秀逸。ソナやジヌ、同級生たちがバンドを組んで演奏したり、夏でもないのに海にみんなで出かけてはしゃいだり。まさに青春全開なのだ。

そんな中、ジヌはソナに告白しようとするが、微妙な感じでなかなかできない。ソナが大学修学能力試験でミスをしたことがわかって涙にくれる中、ジヌは彼女を慰めようとして告白するが、あまりにもタイミングが悪かった。ソナの頭に触れそうで触れないジヌの両手が何とももどかしい。

その後、ジヌとソナは高校を卒業して、ジヌはソウルの大学へ、ソナは地元の大学へと進学する。離れてはいても連絡を取り合い、ときどきは会ってもいた。だが、格闘技を始めたジヌをソナは理解できずに2人はケンカ別れしてしまう。女性はひと足早く大人になり、男は後からそれを追いかける。そんなジヌのモノローグが切なく苦い。

その後、ジヌは兵役に就く。その間も、ソナのことが忘れられず、大きな台風被害が発生した時には心配になって久々に電話をする。やはり2人は離れがたい関係だったのだ。では、それは恋愛関係なのか?

その後の後日談が面白い。夢をかなえた者、夢とは違う世界に進んだ者と、同級生たちの進路は様々だ。そんな中でジヌは漫画家になっていた。思えば彼は高校時代から教科書に漫画を落書きして、ソナを喜ばせていたのだった。

そこにかかってきたソナからの電話……。

その先はオリジナルとほぼ同じ展開だが、これがまあ何ともよくできている。ありえたかもしれない2人の未来。あの時、もしもああしていればという思い。それを象徴するようなぶっ飛んだ場面だ。しかも、ただクヨクヨしているわけではない。余韻を残しつつ、さわやかに後味よく終わるのである。

本作の監督・脚本は、これが長編映画デビューとなるチョ・ヨンミョン。コミカルなエピソードで笑いを取りつつ、高校生たちのキラキラした青春を描き出し、さらに恋愛の切なさを醸し出す。元のオリジナルが素晴らしすぎるとはいえ、それをよくここまで巧みにリメイクしたもの。

ジヌ役はドラマ「初恋は初めてなので」や「雲が描いた月明り」などで知られるジニョン。お調子者で軽薄で、それでいてどこか繊細さを感じさせる演技が見事だった。一方、ソナ役はガールズグループ「TWICE」のダヒョン。これが映画初出演とのことだが、品格が高く優等生そのものだったソナが、次第に多様な面を見せ始めより魅力的になっていく姿を抜群の存在感で見せていた。いずれもハマリ役だった。主題歌「You Are the Apple of My Eye」も、2人が共同で作詞・作曲し歌っている。

脇役たちも魅力的。5人の同級生の個性的な演技に加え、ジヌの両親役としてコミカルな演技を見せるパク・ソンウン、シン・ウンジョンがいい味を出している。この2人、実の夫婦だというから面白い。

ノスタルジックな感情を呼び覚まされ、自らの“あの頃”につい思いを馳せてしまう映画だ。当時は何気ない日常の出来事も、今となっては懐かしく愛おしい。自分には映画のような出来事は起きなかったが、それでも当時の日々を思い起こしてしまった。かつて青春時代を過ごした大人にたちにとっては、たまらない映画だろう。オリジナルもぜひ。

◆「あの夏、僕たちが好きだったソナへ」(YOU ARE THE APPLE OF MY EYE)
(2025年 韓国)(上映時間1時間41分)
監督・脚本:チョ・ヨンミョン
出演:ジニョン、ダヒョン、ソン・ジョンヒョク、キム・ヨハン、イ・ミング、パク・ソンウン、シン・ウンジョン
*新宿ピカデリーほかにて公開中
公式ホームページ https://synca.jp/bokusona/
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