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「異端者の家」

「異端者の家」
2025年4月28日(月)TOHOシネマズ 池袋にて。午後2時より鑑賞(スクリーン4/D-7)

~若い2人のシスターの受難。「ラブコメの帝王」ヒュー・グラントがブチ切れた演技を披露

 

映画館に行けばA24に当たる、というぐらい目立つA24製作の作品。「異端者の家」はお得意のスリラー映画。「クワイエット・プレイス」の脚本家コンビ、スコット・ベック&ブライアン・ウッズが脚本を書き、監督を担当した。

布教中の若い2人のシスター、パクストン(クロエ・イースト)とバーンズ(ソフィー・サッチャー)は森に囲まれた一軒家を訪れる。ドアベルを鳴らすと、出てきたのはリード(ヒュー・グラント)という気さくな男性だった。妻が在宅中だという彼の言葉を信用して、家の中に入るパクストンとバーンズ。しかし、彼女たちが布教を始めると、リードは「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開する。不穏な空気を察して2人が密かに帰ろうとすると、玄関の鍵は閉ざされており、携帯の電波はつながらない。教会から呼び戻されたと嘘をつく2人に、「帰るには家の奥にある2つの扉のどちらかから出るしかない」とリードは言う……。

モルモン教の布教をしている若いシスター、パクストンとバーンズが、話し合っている場面から映画が始まる。話の内容は男性器の大きさやポルノビデオについて。およそシスターが話す内容とは思えないが、実はこれが後々の伏線になっていたりする。

このように、いたるところに伏線が張られているのが本作。いかにも意味ありげなカメラワークといい、細部まで凝りに凝った美術といい、スリラーとして観客を怖がらせる仕掛けはバッチリだ。

2人のシスターは、森の中の一軒家を訪れる。その家を訪れることは事前に教会に告げており、それがまた後々の脱出劇の緊迫感を高める。

出てきたのは気さくな中年男リード。演じるのはヒュー・グラントだ。「ノッティングヒルの恋人」「アバウト・ア・ボーイ」などでおなじみのラブコメの帝王。あの優しいほほえみで2人を出迎える。「入って話をしないかい?」。これはもう誰でも心を許してしまうのではあるまいか。

一応、「女性が一緒でなければ部屋に入ってはいけない」と言われている2人だが、リードが「妻が在宅中だ」「パイを焼いている」と言うので家に足を踏み入れる。

リードは2人と親しく語らう。しかし、妻はなかなか出てこない。「人見知りなので」と言うリード。何となく雰囲気が怪しい。

2人がリードにモルモン教の布教を始めると、リードはそれに対して疑義を唱える。ただし、表情はほとんど笑顔だ。厳しい顔つきはほとんどしない。そのほとんどしない厳しい顔つきが、飛び切り恐く見えるのだ。

そんな中、不穏な空気を感じ取った2人のシスターは、リードが席を外した隙にこっそり帰ろうとする。だが、ドアは開かなかった。リードは「ロックした。タイマーがかかっているので明日の朝まで開かない」と奇妙なことを言う。その代わり裏口から帰れと言うのだ。

徐々にリードは本性を現す。宗教に対する攻撃を本格化させる。まずモノポリーというゲームを取り出す。世界で広く行われているゲームだが、あれは別のゲームをコピーしたものだと言う。

続いて、彼はホリーズの「安らぎの世界へ」とレディオヘッドの「クリープ」という曲を聴かせる。後者は前者とメロディがそっくりで、著作権侵害で訴えられた。しかし、その後、ラナ・デル・レイの「ゲット・フリー」が「クリープ」に似ているとして、レディオヘッドが訴訟を起こしたと説明する。

こうした例を引いて、彼はモルモン教を含め既成の宗教は反復に過ぎず、オリジナルではないという。それならオリジナルの宗教とは何なのか。

リードは2人のシスターに、「帰るには家の奥にある2つの扉のどちらかから出るしかない」と言う。そして、それぞれの扉に「信仰」「不信仰」と書く。

この頃には、リードの態度は高飛車になる。最初はフレンドリーに見えていた笑顔が、背筋ゾクゾクものの怖さに転化するからあら不思議。

そこから先は地下室での恐怖のドラマとなる。何とかして脱出しようとする2人。しかし、出口は見つからない。その間も、リードは通信管を使って2人に色々と話しかけ、怖がらせる。それだけでなく、2人の前におぞましい預言者まで登場する。その予言者は毒を食って死ぬが、間もなく復活するのだという。だが、それもリードの仕掛けだった。

終盤は血みどろの戦い。死んだと思っていたあの人が、なんとまあ本当に復活(一時的だけれど)。逆転の一撃を食らわせて最後の意地を見せる。そして、生き残った者は……。その手の上に止まった蝶が何とも意味深だ。

まあ、とにかくあの手この手を使って観客を怖がらせる。この手の話はよくあるが、宗教話を前面に押し出しているのが目新しいところか。すべての宗教を俎上にのせて、それを否定したうえで、信仰心についても言及しているのは画期的かもしれない。ただのB級スリラーとは一線を画している。

とはいえ、やっぱり既視感が拭えないのは致し方ないところ。それを面白くしているのはやはりヒュー・グラントの力。癖のある役はやったことがあるものの、ここまでブチ切れた悪役は初めてだろう。最初の頃の優しく気さくなおじさんは、宗教に詳しい頭は良いが意地悪いおじさんに変化し、最後は完全なサイコパス野郎に変化する。「異端者の家」じゃなくて、「サイコパスの家」ですな。それだけ彼の演技が凄まじかった。ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされたのも納得。

2人のシスターを演じた若手のクロエ・イースト、ソフィー・サッチャーもなかなか良かった。それぞれのキャラの違いが明確で、それを利用した展開が効いていた。

◆「異端者の家」(HERETIC)
(2024年 アメリカ・カナダ)(上映時間1時間51分)
監督・脚本・製作:スコット・ベック、ブライアン・ウッズ
出演:ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト、トファー・グレイス
*TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
ホームぺージ https://happinet-phantom.com/heretic/

 


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