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パレスチナ関連のNHK番組の感想

 ガザでの戦闘が激化してから一年が経ちました。イスラエルによるパレスチナへの入植は、1年どころか、70年前から始まったことであり、この一年にフォーカスを当てること自体が、すでに一種のウォッシングであり、加害的な言説なのですが、あまりにひどい惨状に、せめてまずは停戦を、ということを訴えなければならないのが現状です。しかし現実には、イスラエルによるレバノン侵攻など、戦線はむしろ拡大・激化しています。(そしてG7は「イランを非難する」声明のみを出し、いまだにイスラエルは非難しないという、相変わらずの状況です。)

 以下、過去に書いてきたブログ記事を列挙しておきます。

 また、最近、NHKパレスチナ関連の報道番組がいくつか出ていたので、観てみました。せっかくなので、簡単に感想を書いておきます。

 

NHKスペシャル「“正義”はどこに ~ガザ攻撃1年 先鋭化するイスラエル~」

 中東の取材にずっと当たってきたことで有名な鴨志田デスクの語りで作られた番組です。鴨志田デスクの以下の記事は、パレスチナイスラエル問題の概要をまとめた良記事だと思います。→パレスチナ問題がわかる ハマスとイスラエル 対立のわけ - クローズアップ現代 取材ノート - NHK みんなでプラス

 この番組では、イスラエル人の学校教師が、イスラエル兵がガザで赤子を殺害していることを疑問視する投稿をしたところ、学校を解職され、さらに生徒たちに罵声を浴びせられるというシーンがあります。非常にショックの大きいシーンです。他の教師と議論するシーンもありますが、平行線を辿り、まったく分かり合えません。

 この教師は、大学の時にパレスチナ人と出会い、パレスチナ人も同じ人間であることに気が付き、与えられた権利にあまりに差があることに疑問を抱いたのだと言っています。これも印象的なシーンでした。

 全体を通して、パレスチナ人のナクバ以来の苦難、アメリカの拒否権発動、パレスチナ側のやむにやまれぬ武装抵抗という、パレスチナを語る上での基本線が一応分かる形になっていたのは良かったと思います。

 

BSスペシャル「ネタニヤフと極右 〜戦闘拡大のジレンマ〜」

 こちらは、イスラエル政府において、なぜ極右が実権を握っているのか、ということを追いかけた番組です。(その分、パレスチナイスラエルの歴史的背景についての説明は少ないので、他で補う必要があります。)

 極右としてイスラエル国内でも警戒され、逮捕歴もあるような二人(ベングビール国家治安相・スモトリッチ財務相)が、どういう経緯で人気を得て、ネタニヤフが手を組むことになったのか、という点がよく分かりました。右翼と一口に言っても路線の違いはあるわけで、ここまでの強硬路線に走っていくことの背景は押さえておく必要があると思いました。また、宗教的儀礼を利用してナショナリズムを煽る手法が靖国参拝と重なって見えたり、ポピュリスト的なメディア戦略が垣間見えたりと、いまの日本の状況と重なるところも大いにあります。

 

 どちらの番組も、ガザだけではなく、ヨルダン川西岸地域への入植行為についても言及されており、勉強になりました。また、大イスラエル主義への言及もあり、レバノン侵攻の文脈も理解できる作りになっています。

 ただ、アメリカ・ドイツをはじめとする国々がなぜ積極的にイスラエルに武力供用をするのか、国際社会はなぜ戦争を止められないのか、また日本がどのように関わっているのか、という点についての言及は、なかなか出てきません。戦争と資本主義の絡まり合い(戦争によって金儲けできる人々:私たちがいるということ)、イスラム圏への戦争を正当化する言説の成り立ち(人権思想・ピンクウォッシングによってリベラルがイスラエル支持をするようになる)、また日本の戦争加担(日本の大企業とイスラエルの関係、日本の年金の投資先にイスラエル企業があること、防衛省によるイスラエル製武器の購入計画など)、といったテーマにきちんと向き合わないと、一旦停戦したとしても、また同じことが繰り返されてしまうでしょう。

 また、イスラエル政府がパレスチナに住む人々に対して行ってきた加害の数々に対する言及も、皆無ではないのですが、やはり圧倒的に足りないと感じます。(一番組では時間の限りがあるので仕方ない面もありますが。つまり、そもそも報道の絶対数が足りていないという問題があるのです。)

 私は先日、渋谷で行われたパレスチナ連帯マーチにも行ってきました。色々な方法で意見表明していかなければなりません。直接寄付をする手段や、ワンクリック支援のサイト(私が毎日クリックしているのはこれです→https://arab.org/click-to-help/palestine/)などもあります。イスラエル支援企業のボイコットとして、日常の買い物で工夫できることもたくさんあります(ここに詳しいです→BDS Japan Bulletinについて – BDS Japan Bulletin)。みなさん、色々な方法でパレスチナに連帯しましょう。

(棋客)




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